とある夜。海にうかぶ島に、3匹の動物がいました。いぬと、くまと、ねこです。
海に星がひとつ、落ちました。すると、星の光は海からむくむくと顔をだし、かがやく夜の虹になって、空へとのびていくではありませんか!
動物たちは、のびる虹に連れられて、夜空のうえで出会いました。
「どもどもど」「やあやあや」「わんわんわ」
夜の虹の世界は、摩訶不思議。虹のうえでトランポリンみたいに跳ねたり、虹のなかでプールみたいに泳いだりと、3匹はへんてこな冒険を楽しみます。そのうちに、虹にあいた大きな穴を見つけて……?
「さかさことば(回文)」からひろがるふしぎな夜のできごとを、何層にも重なり合うクレヨンが、色鮮やかに描きだします。
夜の静けさのなかにナンセンスなユーモアがあふれる、ことば遊び絵本です。
受賞歴:
さかさことば(回文)を知っていますか? 「しんぶんし」や「たけやぶやけた」のように、左から読んでも右から読んでも、おなじ読み方になることばのことです。
この絵本は、そんなおもしろいことばだけでできています。くりかえす日本語の音の、ふしぎな響きを楽しんでもらえたらうれしいです。
とても美しく、回文も面白く、リラックスして読むことができました。コジヤジコさんの回文はストーリーも面白く、中山信一さんの絵もシンプルですが、表情がとても伝わってきて心に残りました。(30代)