天売島は北海道の日本海北部にある、周囲12キロ、人口300人の小さな島です。毎年、100万羽もの海鳥が子育てのためにやってくるので、海鳥の楽園ともよばれています。ウトウの世界最大の繁殖地、ケイマフリの日本最大の繁殖地、ウミガラス(オロロン鳥)とウミスズメの日本で唯一の繁殖地として、鳥類愛好家の注目をあつめています。
この絵本では、そんな天売島の1年を、海鳥の子育てと人の暮らしをとおして描いています。
文を書いた寺沢孝毅さんは、小学校の教師として島に赴任して以来、自然写真家として独立した今も天売島に住みつづけています。寺沢さんが40年近く島で暮らしながら見てきた天売島の自然の魅力がこの1冊につまっています。
絵を描いたあべ弘士さんもまた、島の自然に惹かれて、たびたび天売島を訪れています。たんなる風景描写ではない、生命力あふれる印象的な場面の数々を見応えたっぷりに描いています。
天売島には、海鳥だけではなく、島を中継して旅をする渡り鳥や、イルカやアザラシもやってきます。小さな島の1年の移り変わりをとおして、地球の上をダイナミックに移動している生き物たちの大きな自然のいとなみを感じることのできる絵本です。
島を埋めつくす鳥たちの迫力がすごい。事実をきちんと伝える文と生き生きした絵が合っていて、とても良い。(60代)
作者の寺沢さんが好きで購入した本ですが、写真とは違う魅力の詰まった絵本でした。あべ弘士さんの絵も躍動感に満ちていてとても素敵でした。天売島の1年がこの美しい絵本に凝縮されていて大人も感動出来ます。学校の図書館に沢山置いて頂いて手に取ってくれる子供たちが増えたら嬉しく思います。大人でも天売島を知らない人は大勢いるので親子で読んでもらえたらと願います。(54歳・女性)