株式会社JSOL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永井 健志、以下、JSOL)はこのたび、衝突や衝撃などの際に発生する材料、構造、部品の物理的技術的プロセスの調査を専門とするFraunhofer Ernst-Mach-Institute(以下、Fraunhofer EMI)と、コンサルティングパートナーシップを締結しました。Fraunhofer EMIは、ヨーロッパ最大の応用研究機関であるFraunhofer Societyの一つで、このたびのコンサルティングパートナーシップの締結を機に、JSOLでは自動車エンジニアリングでのAI/機械学習の技術開発・ビジネス提案を推進していきます。
背景
現在、自動車開発の現場では、安全性能の向上と、開発期間の短縮およびコスト削減をいかに両立させるかが課題となっています。そのため、自動車エンジニアリング領域では、開発および製造プロセス全体の効率を高め競争上の優位性を確保する大きな可能性を示す、データ駆動設計やバーチャルテストなどのデジタル手法に注目が集まっています。これにより、実際の試作品を作ることなく、ソフトウエア上で仮想的な試作品を製作して改良を加えていくことができるため、試作品の製作期間およびコストを削減することができます。これらの手法を十分に活用するためには、設計プロセスの再構築という観点から、「考え方」から「データ管理」、そして「データ駆動型CAEツール」への真の変革が不可欠です。データ駆動型CAEツールとは、膨大なCAEデータを基に機械学習や統計的手法を活用し、品質・精度の向上および意思決定の効率化・高度化を実現するものです。
提携ビジネス
JSOLとFraunhofer EMIはこれまで、自動車エンジニアリングの分野における専門知識をそれぞれに構築してきました。日本の自動車メーカーおよびメーカーに部品を納品するサプライヤー向けに個々のユーザーニーズに合わせたソリューションの開発・提供を目指します。
具体的には、両社が蓄積してきた専門知識と日本市場における産学のパートナーとの優れたネットワークを組み合わせることにより、自動車エンジニアリング領域で真に活用できるAI/機械学習の技術開発・ビジネス提案を推進していきます。
提携による効果
ヨーロッパ最大の応用研究機関Fraunhofer Societyの一つであるFraunhofer EMIは、High-Speed Dynamicsの研究所としてさまざまな応用分野における高速領域の実験とシミュレーションに注力されています。特に、自動車の衝突安全や航空宇宙での衝突現象といった分野に強みを持ち、これまでに自動車衝突時の車両全体挙動をX線計測する技術構築をした実績などがあります。
JSOLは、エンジニアリングサイエンス分野における先進的な解析技術に強みを持っており、これまでに日本国内の自動車衝突および乗員安全シミュレーションの市場をリードしてきた実績を持ちます。今回の提携により、双方が持つ強みのシナジーを発揮し、自動車エンジニアリング領域における市場や顧客のニーズを体系的に分析・理解し、実用的なユースケースを含む研究開発プロジェクト案を共同で開発します。最終段階では、プロジェクト案を日本市場で評価いただき、フィードバックを反映したサービスを提供します。
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