インシデント対応の調整を National CSIRT に依頼することで、インシデントの当事者との連絡が可能となる場合があります。 インシデント対応の過程で、インシデントの当事者に連絡する必要がありながら、当事者の連絡先が不明であったり、連絡内容や要望を適切に伝達できなかったり、連絡しても応答が無い場合などがあります。特にインシデントの当事者が国外に存在する場合は、そのような状況に遭遇する可能性が高くなります。また、各国、各地域における法的な制限をはじめとした事情を把握していないと、不適切な、または実行できない対応を要望してしまい、結果として効果的なインシデント対応につながらない可能性があります。 インターネットが普及している国では、それぞれの地域を代表するNational CSIRT が存在することが多く、特に FIRST やAPCERT に加盟している National CSIRT は、その地域の事情に詳しく、かつ適切な連絡先を把握していることが期待できます。JPCERT/CC も FIRST およびAPCERT に加盟しています。
参考文書(日本語)
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JPNIC・JPCERT/CC Security Seminar 2005 講演資料
インシデントレスポンス概論
http://www.jpcert.or.jp/present/2005/IncidentResponseOverview2005.pdf
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JPCERT/CC REPORT 2006-10-18号 [今週の一口メモ]
CSIRT の活動内容の制限について
http://www.jpcert.or.jp/wr/2006/wr064002.txt
参考文書(英語)
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FIRST (Forum of Incident Reponse and Security Teams)
Alphabetical list of FIRST Members
http://www.first.org/members/teams/
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APCERT (Asia Pacific Computer Emergency Response Team)
Member Teams
http://www.apcert.org/about/structure/members.html
Weekly Report 2006-10-25号 に掲載