●日時:11月27日(2日目)10:30-12:00
●企画運営:市民セクター全国会議2021福岡・大牟田実行委員会
●登壇者
●聞き手
かつて繁栄を極めた炭鉱の閉山後、地域の基幹産業を失い衰退を経験した大牟田市。昨年は豪雨災害もありました。セッション1では、少子高齢化・人口減少に歯止めがかからない中、地域を盛り上げようと活動する7名の登壇者を迎え、人と人とのつながりや「協働」のあり方についてディスカッションが行われました。
セッション前半では、登壇者全員が「私が思う大牟田のレジリエンス」をフリップに書いて発表しました。「味わい」「協働の進化」「緩やかな連携」「世代・地域を超える」「ワイワイ」「対話」といったキーワードが次々に飛び出す中で、田中さんが挙げたのは「くそじじい」。地域の魅力を体現する高齢者こそ大牟田の社会資源だという発表には、登壇者や会場参加者も笑いながら頷く場面もありました。
セッション後半は、前半の発表を受けて、地域の人々との「つながり」をどのように作るか、そして、若い世代を巻き込むにはどうしたらいいか、といった点が話し合われました。民間事業者として事業性と社会性の両立を目指す冨山さんから「活動を通じて子供たちに地域への興味を持ってもらえるように意識している」との発言を受けて、話題は世代を超えたつながりの作り方へ。東日本大震災の復興支援の経験を大牟田の防災に生かそうとする彌永さんから「被災者が支援される役割だけでなく、力を発揮する『出番』を作ることが大事」との意見が上がる一方で、日頃、社会とのつながりを持ちにくい人々と多く接している高口さんからは、まずは「出向くこと」から始まるといった発言もありました。
Q&Aタイムでは、「つなぐ、つなげるための対話において大切なことは何か?」という質問が出されました。山口さんから「プライベートな話までできる関係性を作ること」、徳川さん、上田さんから「『できない理由』ではなく『やりたいこと』に共感すること」、彌永さんからは「支援してあげるのではなく、自分だったらどうか、と置き換えて考えること」、田中さんからは「人と人をつなぐときは、いい意味で、期待しない。その分、数多くつなげる」という回答がありました。
地域のレジリエンスは、制度や仕組みだけではなく、目に見えない「つながり」によって支えられています。セッション1では、世代を超えた対話やチャネル作りにそれぞれの立ち位置で取り組む登壇者から、しなやかに、そしてしぶとく、取り組みを継続するためのヒントやキーワードを数多く得ることができました。
(報告:奥山由希子さん)