理事長ごあいさつ
令和6年は、元旦早々大変辛く悲しい幕開けとなりました。新年の団欒の楽しいひと時を一瞬にして打ち崩す能登半島地震の発生です。まずは、この震災で亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます
当研究所は、この震災発生直後に「JFいしかわ」に連絡を取り、被災地が必要とすることを相談しまして、飲料水等の支援物資を手配させていただきました。また、研究員を現地に派遣し、被災状況の概略調査を実施したところです。3月現在、水産庁の調査を受託しまして、漁港、漁場、漁業集落の緊急調査を実施しております。今後、関係地方公共団体の意向を踏まえ、復旧・復興に向けた方針等について、検討していくこととしています。漁港全体が隆起してしまうなど、未だかつて経験したことの無い災害となっておりますので、今後の復旧は大変困難な道のりになることが想定されますので、関係者の一層強固な連携・協力が必要になってきます。いずれにしましても、現地の生業再建に向け、職員一丸となって邁進していく所存です。
さて、当研究所は、昭和57年の設立以来40年以上にわたり、新しい時代の要請に対応して、漁港、漁村整備に関わる研究成果及び実施例を活用しつつ、最新の情報処理技術等も積極的に取り入れて、計画、設計、施工等に関する実用技術を確立してきました。常に行政課題と対峙し、地元のニーズを反映したソリューションを提供してきました。防災減災への対応はもとより、衛生管理型漁港づくり、水産業のデジタル化、海業の振興など昨今の水産基盤を取り巻く課題の解決にむけて取り組んでおります。
中でも海業の推進は、現下重要なテーマとなっています。令和5年度通常国会では、「漁港漁場整備法」の一部改正が行われ、法律名も「漁港及び漁場の整備等に関する法律」として生まれ変わりました。漁港漁場の整備だけではなく、その活用が重要であることから、法目的に「漁港の活用の促進」が追加され、海業の推進が柔軟に展開されることが可能となりました。海業によって地域の振興を図っていくことは、重要であると考えていますので、当研究所としても積極的に関わっていく所存です。このことから、従来2部体制であった研究部を3部体制としまして、漁村・海業の振興を所掌する第3調査研究部を設置することとしました。
いずれにしましても、当研究所は関係各位のご支援とご協力により、これまで40年以上にわたり調査研究の活動を継続することができました。これからも研究所の目的をしっかり見据え、皆様に愛される「みんなの研究所」を目指していきますので、より一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
理事長