業況DIは、物価高が重荷で力強さ欠き、ほぼ横ばい。先行きは、消費回復等への期待感から明るい兆し(LOBO調査2024年8月結果)|日本商工会議所

業況DIは、物価高が重荷で力強さ欠き、ほぼ横ばい。先行きは、消費回復等への期待感から明るい兆し(LOBO調査2024年8月結果)

 日本商工会議所が30日に発表した8月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲15.4(前月比+0.9ポイント)。小売業は、百貨店が引き続き好調なほか、猛暑に伴う飲食品や夏物商材の需要増で改善した。卸売業は、飲食品関連の引き合い増で改善し、建設業は、公共工事の下支えで改善した。一方、サービス業は、観光業で夏休み需要の恩恵が見られたものの、消費者の節約志向や異常気象等による外出控えが下押しし、ほぼ横ばいとなった。製造業は、企業の設備投資が伸び悩み、機械器具関係を中心に悪化した。実質賃金のプラス転換等、個人消費回復の兆しがうかがえる一方、原材料価格や電気代、輸送費等の高騰によるコスト増は続いている。また、人手不足の中、賃上げ等に向けた価格転嫁も追い付かず、中小企業の業況は力強さを欠く。

 先行き見通しDIは、▲13.9(今月比+1.5ポイント)。長引く物価高による購買意欲の低迷に加え、深刻な人手不足による受注機会の損失や、継続するコスト増に対する価格転嫁の遅れ等、経営課題の山積は続いている。一方、定額減税や賃上げによる実質賃金のプラス転換で、個人消費の回復が期待される。また、酷暑乗り切り緊急支援による電気・ガス代の補助や歴史的な円安の一服でコスト減が見込まれ、先行きは微かに明るい兆しが見られる。

 今月の付帯調査は、「取引適正化に向けた課題」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。

 調査結果の概要をまとめた動画(https://youtu.be/QAroScrZtWA)も作成。