2015年、JAEE会長特別研究委員会を立ち上げ、以下に示すように、理工学と人文社会学を融合したハードとソフト対策の組み合わせと、産官学に金融とマスコミを合わせた総合的な災害マネジメント対策の理論構築、さらに社会実装のための政策研究を行っている。研究会のメンバーも日本地震工学会会員を中心に、大学、ゼネコン、保険、金融、メディア、広告、地理情報、教育、自治体実務者など、多様な組織と専門分野から構成されている。
第1部:地域の災害レジリエンス評価モデルの構築
1)ハザード評価、2)マネジメント評価、3)情報マネジメント評価
第2部:事例研究、政策提言など
1)事例研究、2)評価制度の社会実装化研究、3)政策シミュレーション
なお本研究会では、先行研究としての国連防災世界会議や国連SDGs2030年目標の災害レジリエンス研究、世界経済フォーラム(ダボス会議)での経済と国家レジリエンス研究、内閣府防災、内閣官房国土強靭化政策、日本政策投資銀行BCM格付融資など、当該分野の国内政策動向と国内外の最新研究成果や政策モデル、ビジネスモデルの確認も行っている。
これらを踏まえた本研究の意義は、限られた時間と予算の中で、将来の人的・経済的な被害の最小化を実現する地域の総合的防災力の効率的な向上のための情報創造にある。この直接、間接的な効果は、災害の有無にかかわらず平時から組織や地域に価値やブランド力を与え、継続されるバリュウ(価値)を高める文化の浸透、防災の視点からの組織や地域の格付けとその結果に基づく金融サービスやリスク・コントロールに貢献する災害保険の開発、災害ポテンシャルの高い地域から低い地域への人口や財産の移動など、研究成果の活用可能性は多岐に亘るものであると考える。
2015年4月~2018年3月
(1)内外の類似先行研究の調査とまとめ
(2)調査研究
【研究A】
地域レジリエンスを定義し、その評価手法について研究開発を行う。地域レジリエンスの要素として、地域基礎情報(人口、ハザード、財政力など)、地域マネジメント力(防災対策、自助・共助・公助)、地域リスクコミュニケーション力
【研究B】
地域レジリエンス向上のための制度設計と政策シミュレーションについて調査する。
【研究C】
ヒアリング
多分野の有識者や自治体実務担当者と研究過程やその成果に対する意見交換を行う。
(3)報告書等の作成
●委員長
目黒公郎(東京大学)
●幹事
蛭間芳樹(日本政策投資銀行 サステナビリティ企画部)
梅山吾郎(SOMPOリスケアマネジメント株式会社)
●委員
沼田宗純(東京大学)
郷右近英臣(東京大学)
鍵屋一(跡見学園女子大学)
入江さやか(日本放送協会)
三浦伸也(防災科学技術研究所)
島崎敢(防災科学技術研究所)
副島紀代(大林組)
品川真尚(ドーン)
木村正清(NTTラーニングシステムズ)
坂口浩規(電通)
神谷俊隆(電通サイエンスジャム)
矢作裕一(ユニスティ)
野村昌子(フリーランサー)
小林賢弘(日本政策投資銀行 地域企画部)
吉田大輝(日本政策投資銀行 地域企画部)
●研究委員会の概要
●報告書
●評価シート(Excelファイル)
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