ボタン電池(ボタン形電池、コイン形リチウム電池)による小児の事故
事例1 | コイン型電池と5円玉を同時に誤飲し、6時間後の受診時には胃にあるのが確認された。5円玉の摘出は比較的容易であったが、電池は胃壁に強く付着して摘出に時間がかかった。(1歳男児) |
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事例2 | 3週間以上体調不良が続き、3週間以上経ってから、コイン型電池が食道に停滞しているのが発見され、摘出した。(11ヵ月男児) |
事例3 | 父親が交換後の古い電池を放置した。3日後に右の鼻から膿のような液が出たため受診し、鼻の穴の奥にボタン型電池が発見され、摘出した。(3歳男児) |
おもちゃ、小型ゲーム、リモコン、電卓、タイマー、時計、体温計、補聴器など、身のまわりにはボタン電池を使用している器具がいろいろあります。これらを子どもが触って遊んでいるうちに電池ボックスのフタが外れて電池が出た、上の子どもが電池を取り出した、電池交換後の古い電池を放置していた、廃棄予定の電池を貯めていた、等で、電池による事故が起きています。特に誤飲事故は6ヵ月~2歳に、鼻に入れる事故は2歳以上に多く起こっています。
電池が体内に留まって電流が流れると、周囲の組織を傷つけるので(写真参照)、電池がなくなったことに気づかず、電池が食道にひっかかったまま、あるいは鼻や耳に入ったままで発見が遅れると、重症化する危険性があります。
誤飲事故を防ぐために
◆電池を使用している器具の電池ボックスのフタやネジはしっかりとめる。
◆電池が簡単にはずれる器具を子どもに触らせない。
◆電池交換は子どものいないところで行う。
◆使用済みの電池は、+極と-極にテープを貼る。
◆2歳を過ぎたら、ボタン電池が危険なもので、口や鼻に入れてはいけないことを教える。
家庭内での中毒事故防止チェックリスト
このリストは家庭内での中毒の危険度をチェックするものです。
あなたの家庭では、リストの項目のうちいくつを実行できていますか?