情報セキュリティ
公開日:2024年9月17日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中
- 意図せずダウンロードされたファイルを実行しないで! -
2024年6月から、パソコンを使用中に突然、画面全体に偽のメッセージが表示されて、キーボードやマウスの操作を一切受け付けなくなり、電源を入れなおして再起動しても状況が変わらないという相談が寄せられています(本資料ではこの手口を「操作不能の偽メッセージ」と呼称します)。
メッセージには、マイクロソフトサポートへ電話をするように嘘のメッセージがあることから、これまでの「サポート詐欺(別名:偽のセキュリティ警告)」と同様に相談が寄せられていますが、ウェブブラウザに偽の警告を表示していたものとは手口が異なり、これまでのサポート詐欺の手口でご案内した対処が通用しないことが確認されています。
手口の詳細や原因および目的などは不明な部分が多いですが、継続して相談が寄せられていることから(図1)、注意喚起します。
目次
これまでに安心相談窓口に寄せられている相談では何種類かのメッセージ画面を確認しています(図2~5)。今後もメッセージが変わる可能性や、安心相談窓口に寄せられた以外のメッセージ画面が存在する可能性があります。
安心相談窓口に寄せられている相談内容から、当該画面が出現する以前に意図しない何らかのソフトやサービスをインストールしてしまったことが原因と推定されます。
ただし、インストールした後、すぐに当該画面が表示されるわけではないため、どのサイトから何をインストールしたことが原因かを特定することが難しい状況です。
(相談内容の抜粋)
操作不能の偽メッセージが出現した際、あるいは出現したあとにパソコンが意図しない影響を受けることが確認できました。この確認できた影響については一部であり、未知の影響が潜んでいる可能性があります。
(確認できた影響)
操作不能の偽メッセージが表示されたら、すぐにネットワークを切断してください。パソコンの操作ができない状態でネットワークを切断するには次の方法があります。
操作不能の偽メッセージが表示されている間に遠隔操作されたケースを確認していますので重要な対処となります。
ネットワークを切断することで、操作不能の偽メッセージが消えて通常操作できるように復旧したケースを確認しています。
2~3分間様子を見ても操作不能の偽メッセージが消えない場合は次の対処(2.3)へ進みます。
操作できるようになった場合は、パソコンを安全な状態に復旧するため、パソコンの初期化をお勧めします(2.5 初期化について)。
Ctrl+Alt+Deleteキーを押下し(図7)、青い画面(図8)に切り替わった場合、画面右下の電源アイコンをクリックし、シャットダウンを選択します(図9)。
Ctrl+Alt+Deleteキーを押下しても反応がない場合は次の対処(2.4)へ進みます。
シャットダウンできた場合は、パソコンを安全な状態に復旧するため、パソコンの初期化をお勧めします(2.5 初期化について)。
電源を切ったあとは、パソコンを安全な状態に復旧するため、パソコンの初期化をお勧めします(2.5 初期化について)。
初期化の手順や方法および不明点については、パソコンの取り扱い説明書やメーカーのホームページ、あるいはメーカーのサポートや購入店などへご確認ください。
初期化を実施すると、それまでパソコンに保存されていたデータは消失します。
Windows10・11のシステムの回復機能、イメージからのシステムの回復などを試される場合、操作方法やご不明点についてはマイクロソフトサポートやヘルプをご活用ください。
図5の状態は、画面をロックするソフトウェアがインストールされてしまった状態であることを確認しています。インストール時に設定したパスワードを入力しなければパソコンの操作が全くできません。システムの回復機能などを利用して初期化することをお勧めします。
操作不能の偽メッセージの手口において、2024年8月時点で確認できたものとして、インターネット 閲覧中に意図せずダウンロードしたファイルを実行してしまったケースがあります。
ウェブサイトによっては、ダウンロードボタンやリンクをクリックしなくてもページを見るだけでファイルのダウンロードが始まってしまうケースもあります。
ファイルのダウンロード中やダウンロード完了後には、ブラウザにダウンロードしたファイルが表示されますが、この表示をクリックするだけでファイルは開かれてしまいます。実行形式のファイルはクリックするだけで実行してしまいますので、意図しないダウンロードがあった場合は絶対にクリックしないでください(図10、図11)。
意図せずダウンロードされたファイルは絶対に実行しないようにし、信頼できない提供元からファイルをダウンロードしたり実行したりしないようにし、あわせて、身に覚えのないメッセージやメールに添付されているファイルや本文のURLはクリックしないよう注意をする必要があります。
もし、操作不能の偽メッセージが表示された場合、表示されている電話番号へ電話は絶対にかけないでください。
また、日常からの対策として、重要なデータは外部にバックアップすることをお勧めします。
回答1
操作不能の偽メッセージを表示するプログラム(サービス)が自動的に起動しているためです。パソコンを初期化することで表示されなくなります。
回答2
本手口は詐欺行為であると考えますので、電話は絶対にかけないでください。
回答3
操作不能の偽メッセージの手口について、従来のサポート詐欺との関連は2024年8月時点で不明です。偽の画面を表示するプロセスや影響などについては、従来のサポート詐欺と全く異なります。
回答4
2024年8月時点で確認していることとしては、正規のアプリケーションソフトを悪用している手口であり、プログラムそのものはウイルスではなく、セキュリティ対策ソフトでは検知されないと考えます
回答5
Windows回復環境を利用する方法と、記憶媒体(ハードディスクやSSD)からデータサルベージする方法などがありますが、いずれもパソコンやWindowsの高度な知識を必要としますので、パソコンメーカー等にご相談されることをお勧めいたします。
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2024年9月17日
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