自動車に自動ブレーキがついていると自動車保険の保険料が安くなるかもしれません。2018年1月からスタートした新たな割引制度「ASV(Advanced Safety Vehicle)割引」について紹介します。
ASV割引とは
ASV割引とは、契約する車が条件を満たす先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)である場合に適用される保険料の割引です。ASVといっても様々な機能がありますが、自動車保険のASV割引の対象となるか否かで重要なのがメーカー標準またはメーカーオプションの衝突被害軽減ブレーキ(AEB:Autonomous Emergency Braking)、いわゆる自動ブレーキがついているかという点です。そのため、自動ブレーキ割引という名称となっている場合もあります。
ASV割引の適用となるのは以下の条件を満たす場合です。
- 自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車(3・5・7ナンバー)であること
- 衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が装備されていること
- 契約車の型式の発売年月が保険始期日の属する年から3年前の4月以降であること
自動ブレーキが付いていれば必ず割引を受けられるというわけではないので注意が必要です。対象の型式なのか判断がつかないという方は、損害保険料率算出機構のサイト内にある型式別料率クラス検索で確認することができます。
ASV割引も適用!一括見積もりしてみよう!
ASV割引が発売から3年に限られる理由
上に書いた条件の通り、ASV割引には、「保険始期日の属する年から3年前の4月以降」という割引の適用期間が存在します。なぜこのような期間が存在するのでしょうか。その理由は、ASV割引は「型式別料率クラス」の補完として実施されているものだからです。
型式ごとの事故発生状況等に応じて保険料を17段階に区分する「型式別料率クラス」を導入しています(自家用軽四輪乗用車は1~3の3段階)。リスクが小さい型式ほど低いクラスに区分され、保険料も安くなります。型式料率クラスはリスクとクラスが見合っているのか毎年見直されています。該当の型式の損害率が自家用乗用車の平均損害率より20%以上高いと料率クラスが1つ上がり、20%以上低いと料率クラスが1つ下がるのです。
AEB搭載の車について、非搭載の車よりもリスクが低い実態があるものの、発売されて間もない型式については保険データの蓄積が十分でなく、AEB非搭載の車と同じように新車価格と排気量などによって料率クラスが決められています。これでは、AEBのリスク軽減効果が保険料に反映されないので、十分な保険データが集まるまで(発売から約3年間)は、別途割引が適用されるようにしたのです。
ASV割引を活用して保険料を安くしよう
ASV割引の割引率は各社ともに9%となっています。現時点ではすべての保険会社がASV割引を導入しているわけではありませんが、AEB付きの新車を購入したら、ASV割引の適用を受けられないか調べてみましょう。適用できれば、保険料を安く抑えることができます。
保険の窓口インズウェブの一括見積もりサイトを利用するとASV割引を利用して保険料の比較を行うことができます。自分の所有する車にASVが搭載されており、発売から3年以内である場合はASV割引を利用して一括見積もりを行ってみましょう。多くの自動車保険会社でASV割引は採用されているので保険料の比較をすることができるでしょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。