日本騒音制御工学会 倫理綱領
公益社団法人日本騒音制御工学会(以下、「学会」という。)は、騒音・振動・音環境に関する学術・技術の発展と普及を図る学会として昭和51年に設立され、数多くの学会活動により社会的貢献を行ってきました。そして平成18年度には創立30周年を迎えて、より広範な活動を展開することにより、さらなる飛躍に踏み出そうとしております。また、当学会は、公益社団法人として、騒音・振動・音環境にかかる中心的な研究活動を担うことにより、人類と社会の安全・健康・福祉へのさらなる貢献が国内外から求められています。
当学会及び会員がこの社会からの強い期待に応え、今日の急速な社会変化や国際化の中において、国内外から引続き受容されるためには、専門家倫理や行動規範の確立が必須の条件となっています。この専門家倫理等の確立については、国際的にも強くさけばれており、我が国でも多くの学会が倫理綱領を制定しております。言い換えれば、今日の学会活動では、倫理綱領の制定とこれに基づいた管理運営の明確な意思表示が強く求められているともいえます。
そこで、当学会は、ここに倫理綱領を定め、この倫理綱領に従って学術・技術の発展に努め、専門家の社会的評価の向上を図るものであります。さらに、この倫理綱領の内容をより高め、実り多きものにするために積極的に行動し、国内外の信頼と期待に応え、人類と社会に対して一層の貢献を行うものであります。
1 人類に対する責務
- 安全健康福祉
我々は、自らの専門的知識、技術、経験を活かして、人類と社会の安全、健康、福祉に貢献します。 - 学術の発展
我々は、自らの自覚と責任において、学術・技術の発展と文化の向上に寄与するとともに、専門家の社会的評価の向上に不断の努力を重ねます。 - 公平性
我々は、他者の文化の多様性に配慮し、すべての人を人種、宗教、性別、障害、年齢、国籍にとらわれることなく公平に対応します。
2 社会に対する責務
- 個人の自由と人格
我々は、個人の自由と人格を尊重するとともに、他者の業績である知的成果、知的財産権を尊重し、学術・技術の健全な発展に貢献します。 - 情報公開とプライバシー保護
我々は、関係する研究や事業の説明責任や情報公開に積極的に対応するともに、人々のプライバシーや名誉を尊重します。 - 法令と契約の遵守
我々は、関係する法令を遵守するとともに、誠実な受託人・代理人として行動し、職務上知り得た事項にかかる契約の義務を守ります。 - 重大な影響の想定
我々は、職務上知り得た人類社会や環境へ重大な影響を与えると予測される技術事項について、社会正義の確保の点から適切な措置をとります。
3 環境に対する責務
- 環境への配慮
我々は、関係する研究や事業の環境への影響に配慮し、環境の汚染を防ぎ、すべての人の健康の維持増進を図り、環境を保全する責務を担います。 - 知識の普及
我々は、環境に関する専門的知識、技術、経験についての普及に貢献します。 - 環境教育
我々は、専門家としての社会的責任を自覚して、専門技術者の育成や人々の環境学習について積極的にその責務を担います。
4 専門家としての責務
- 誠実と公正
我々は、技術上の主張や判断において学理と事実とデータに基づき、誠実・公平に行動するとともに、専門技術上の批判に謙虚に耳を傾け、正直・誠実に対処します。 - 研鑽努力
我々は、関係する研究や事業において最善を尽し、専門技術の向上に務めるとともに、自らの判断により責任ある行動をとります。 - 人道配慮
我々は、人道に反する調査研究や人権やプライバシーを損なう調査研究に反対します。 - 国際的努力
我々は、我が国での研究成果について積極的に発言し、研究や技術の国際的交流に努めて国際社会に貢献します。
附則 この綱領は、平成24年12月20日から適用する。