「T.G.I. Friday Night」から想起した週末ソングのプレイリストを紹介、およびラジオについての報告 - イマオト - 今の音楽を追うブログ -

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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「T.G.I. Friday Night」から想起した週末ソングのプレイリストを紹介、およびラジオについての報告

noteにてお伝えしたのですが、現在担当している地元コミュニティFM局のラジオ番組から3月をもって離れることにしました。詳細はnoteにも記しています。

ラジオについてのお知らせ|Kei

以前は喋り手として音楽特集を担い、このブログでも放送後記の形で紹介してきました。音楽への知識や愛情には人一倍の自信がありながらもきちんと発信できなかった身として、今後はその情熱を別の形で放出したいと思います。とはいえラジオという媒体自体は今も好きですので、音楽チャート分析者としてチャート紹介番組等で貢献できたならばと願っています。

 

というわけで、不定期ながら今後は月曜に、ひとつの作品を軸に関連曲を紹介するプレイリストを紹介していきます。巻末にはSpotifyによるプレイリストも掲載しますので、是非チェックしてください。

今回採り上げるのはTravis Japan「T.G.I. Friday Night」です。

3月18日月曜にリリースされたTravis Japan「T.G.I. Friday Night」は、デビュー曲「JUST DANCE!」(2022)以降磨き上げてきたポップセンスが存分に活きたポジティブなディスコティーク。"T.G.I.(F.)"とは"Thank God It's (Friday)"の略で、"神様ありがとう、ようやく金曜だ"という、いわば花金の意味。この花金は日本でも浸透している言葉ですが(以前この言葉を用いた番組も存在)、海外でもこの概念はあるということです。

 

メロディから思い出したのが、ケイティ・ペリーTeenage Dream」(2010)。大ヒット曲を多数輩出した同名アルバムからのセカンドシングルは、サビのメロディのリズムが「T.G.I. Friday Night」を想起。アルバムからは「Last Friday Night (T.G.I.F.)」も翌年ヒットしますが、振り返って少し後悔するテーマを踏まえ「Teenage Dream」を採り上げた次第。なおTravis Japanケイティ・ペリーはキャピトル・レコードに所属しています。

 

日本発、世界にその名を轟かせんという意味でTravis Japanと共通するXGによる「TGIF」。この"F"は"Fly"を指すため厳密なTGIFの意味とは異なりますが、その歌詞がグループとしての明確な意志を示しているように感じます。EP『New DNA』(2023)に収録。

 

ここからは"Weekend/週末"を基軸に紹介。星野源「Week End」は4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』(2015)に収録された、アース・ウインド & ファイアー愛に溢れたディスコティーク(”アース愛”な楽曲群(2016年7月28日付)参照)。ミュージックビデオがYouTubeに見当たらないためライブ映像を掲載していますが、ライブから溢れ出る多幸感に魅了されます。

 

佐野勇斗さん等が所属するダンスボーカルグループ、M!LKによる2024年初のフィジカルシングル「Kiss Plan」のカップリングに収録された「Weekend」は浮遊感のあるシンセが特徴的なSPENSRさんの提供曲。男性グループ曲を手掛けるのは初めてとのことですが、M!LKと相性いいのではないでしょうか。

 

アルバム『SOS』(2022)がチャートを席巻し、今夏のフジロックでヘッドライナーに決まったシザ(SZA)。初作『Ctrl』(2017)からのシングルは彼女がいるといいながら言い寄る男に"週末の彼女"になることを希望するという、奥底の悲しみも垣間見える作品に。ジャスティン・ティンバーレイクティンバランドがソングライトに参加、プロデュースがサンクガッド4コーディ(ThankGod4Cody)という名前なのも興味深いところ。

 

ポジティブに週末を描くR&Bとして、ケニー・ラティモア「Weekend」(2001)も紹介。セルフタイトルのファーストアルバムにてバラード「For You」がスマッシュヒットしたケニーが、3枚目のアルバムタイトル曲で用いたのは当時流行したスムースダンサー。ケニーは先月リリースされたR&Bベテラン歌手のレディシによる「Perfect Stranger」に招かれ、素晴らしい歌声を披露しています。

 

最後はSpotify未解禁ゆえYouTubeのみの紹介。Travis Japan「T.G.I. Friday Night」のアレンジ、進行から想起した曲としてラサーン・パターソン「So Hot」を紹介。メジャーから離れてリリースされた『After Hours』(2004)収録曲は、特にファーストアルバムで打ち出していたファンクネスがダンスミュージックと心地よく融合した作品に仕上がっています。

 

「T.G.I. Friday Night」で描いたテーマは"週末"。現在この週末は金曜以降という位置付けですが、週休二日制開始前は土曜(の夜)が一般的でした。

過去曲のデジタルアーカイブが不十分なため掲載は控えましたが、たとえばシュガー・ベイブ「DOWN TOWN」(1975)にも土曜の光景が登場。また同曲のEPOさんによるカバーバージョン(1980)は後に土曜20時台を席巻した『オレたちひょうきん族』(フジテレビ 1981-1989)の最初期エンディングテーマに選ばれており、週末といえば真っ先に想起する方も多いかもしれません。今回は土曜を週末と定義する曲も選出しています。

 

というわけで、Travis Japan「T.G.I. Friday Night」を軸に選んだ、週末の夜を彩る曲をまとめたSpotifyプレイリストはこちら。是非チェックしてください。