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【ビルボードジャパン最新動向】「アイドル」が首位獲得週数で「Subtitle」と最長タイに…2曲の動向を確認する

最新7月12日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:7月3-9日)ではYOASOBI「アイドル」が初登場から13週連続で首位を獲得。連続での最長首位獲得記録を更新すると共に、不連続を含む首位獲得週数でもOfficial髭男dism「Subtitle」に並び最長タイとなりました。

Official髭男dism「Subtitle」については単独最長記録の更新、およびその数字をさらに伸ばしたタイミングでブログエントリーに記しています。なお前者については、「Subtitle」の前に最長記録を保持していた星野源「恋」をメインに紹介しています。

ではあらためて、Official髭男dism「Subtitle」そしてYOASOBI「アイドル」のチャート動向を確認します。

 

YOASOBI「アイドル」の連続首位記録達成には今年度からのチャートポリシー(集計方法)変更も大きく、ルックアップおよびTwitter指標が廃止されたことで特にアイドルやダンスボーカルグループにおける加点が難しくなり、「アイドル」に代表されるデジタルに強い曲が週間単位で首位に立ちやすく成ったことも影響しているとは言えます。ただ2指標の廃止がなくとも、「アイドル」はほぼ負けなしだったと言えるでしょう。

合わせて、下記にOfficial髭男dism「Subtitle」が初めて登場した2022年度以降のビルボードジャパンソングチャートにおける1-3位曲リストを掲載します。

Official髭男dism「Subtitle」が13週目の首位を獲得するまでの間は特に、フィジカルセールスに強い作品が瞬発力で総合首位に登場することもありましたが、しかしながら「Subtitle」の粘り強さが中5週を経ての首位返り咲きにつながっています。粘り強さの理由はストリーミングの支持に因るところが大きく、2022年度内のリリースながら「Subtitle」は上半期ソングチャートを制しています。

他方、最新のチャートポリシー下でリリースされたYOASOBI「アイドル」は13連覇を達成し、Official髭男dism「Subtitle」に追いつきました。仮にルックアップやTwitter指標が廃止されていなければBE:FIRST「Smile Again」が一矢報いた可能性があったかもしれませんが、それでも通算9週もの2万ポイント超え等は異次元と形容するに十分です。

ビルボードジャパンは時代に即してチャートポリシーの変更を幾度も実施しているゆえ、その変更前後の作品を単純比較しどちらがより優れているか比べることは難しいでしょう。ゆえに、フィジカルセールスの瞬発力が強い中でデジタルオンリーで勝ち続けた「Subtitle」も、また「アイドル」もどちらも立派な記録と考えます。ひとつ言えるのは、現在ではデジタルに強い曲が週間単位でも制しやすく成っているということです。

 

 

さて次週、「アイドル」が新記録を樹立するかに注目です。次週10万枚以上のフィジカルセールスが見込める作品としてB'z「STARS」が挙げられますが、同曲は現在デジタル(ダウンロードおよびサブスク)未解禁であり、またミュージックビデオもフルバージョンではアップされていない状況です(下記は今週公開されたダイジェスト映像)。

今のチャートポリシーの下ではフィジカルセールスがどんなに強くともそれだけで1万5千ポイントを獲得するのは容易ではないため(初週フィジカルがミリオンセールスを獲得、他方ダウンロードおよびサブスク未解禁のKing & Prince「Life goes on」は3月1日公開分にて11,622ポイントを記録)、YOASOBI「アイドル」が新記録を樹立する可能性は高いと言えるでしょう。