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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】9連覇のYOASOBI「アイドル」、Global Excl. U.S.制覇がポイントキープに貢献

最新6月14日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:6月5-11日)では、YOASOBI「アイドル」が初登場から9週連続で首位を獲得。ポイントは7週続けて2万ポイントを突破しています。

YOASOBI「アイドル」のポイント前週比は99.4%とほぼ横ばい。指標単位でみるとダウンロードが大きく伸びていることが解ります。加えてストリーミング指標の基となる再生回数においても、4週ぶりに前週を上回りました。

(ビルボードジャパン最新チャートの記事では動画再生回数が記されていませんが、ポッドキャスト(YouTubeこちら)にて明らかになっています。)

ビルボードジャパンはダウンロードアルバムチャート(総合アルバムチャートにおけるダウンロード指標)の記事にて、以下のように記しています。ここで指摘された要因は、「アイドル」にも通じるものと考えます。

その他、YOASOBIの『THE BOOK』、『BOOK2』がいずれも週間ダウンロード数を伸ばし、トップ10内に再浮上。米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で首位を獲得したと報じられた影響で、再び注目が集まっている。

 

 

今回の集計期間中におけるYOASOBI側のツイートにて、最も多くのリツイートを獲得したのはこちら。現時点(集計期間後を含みますが)にて引用を含め5千近いリツイートがあり、再生数は330万回弱となっています。

Global Excl. U.S.首位獲得については、ビルボードジャパンが米ビルボードの記事を翻訳して紹介しています。

またこのブログでは、米ビルボードが2020年9月に新設したグローバルチャートの最新動向を毎週追いかけています。YOASOBI「アイドル」がGlobal Excl. U.S.(Global 200から米の分を除く)で初めて首位を獲得した6月10日付については、下記エントリーにて詳しく解説しました。

「アイドル」のGlobal Excl. U.S.初制覇は多くのメディアも記事にしています(このエントリー執筆の段階で、Yahoo! JAPANにて”YOASOBI アイドル”でニュース検索すると10以上が登場)。そしてこの快挙達成については、朝の情報番組等テレビでも紹介されていました。

 

ダウンロード指標はテレビ、特にゴールデン帯地上波番組でのパフォーマンスが大きく影響する傾向にありましたが、今回の上昇はニュースとして流れたことが大きいと考えます。報道により若年層以外にもリーチしたことで、接触指標以上に所有指標を刺激したと言えるでしょう。YOASOBI側が(このタイミングでの登場は偶然かもですが)インタビュー出演したことも、Global Excl. U.S.制覇の浸透に寄与したはずです。

実際、日本のSpotifyデイリーチャートではYOASOBI「アイドル」が6月7日付以降、このエントリー執筆段階で最新となる6月13日付まで7日連続で、「アイドル」単体および「アイドル」と英語詞版「Idol」の合算において前週同曜日より再生回数が増えています。Global Excl. U.S.での首位獲得が報じられたのは6月6日以降であり、この点からもグローバルチャート制覇の報道が日本にも影響を及ぼしたと捉えていいでしょう。

 

 

YOASOBI「アイドル」はソングチャートのカラオケ指標で3週連続、ソングチャートの構成指標ではないもののTikTok Weekly Top 20およびTop User Generated Songsチャートにおいては共に7週連続で首位となり、いわば活用という側面でも大ヒットを続けています。そして最新チャートにおいて「アイドル」はOfficial髭男dism「Subtitle」の最速記録を2週上回り、わずか9週でストリーミング2億回再生を突破しました。

また、今週月曜に公開されたnoteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんによる下記コラムも話題を集めています。コラムの公開は次週のビルボードジャパンソングチャート集計期間初日であるため、Global Excl. U.S.を制した影響は次週のチャートにも反映されるかもしれません。

徳力さんは「アイドル」がグローバルチャートに初登場した際にコラムにて取り上げた数少ないメディア(の方)であり(当時のコラムはこちら)、以前から注目されていた方が引き続き追いかけることは重要だと感じています。同時に、もっと多くのメディアがグローバルチャートを紹介すること、それにより広く音楽好きの方々にチャートの存在が認知されることを願います。

 

YOASOBI「アイドル」は最新6月17日付Global 200で10位に、前週首位だったGlobal Excl. U.S.では2位に後退したものの、前者では7週、後者では8週連続でトップ10入りを果たしておりJ-POPでは異例のヒットとなっています。この点はYOASOBI側がきちんと紹介してほしいと願いつつ、これらの動向が知られることで日本において今後の安定したチャートアクションにつながるものと考えます。

デジタルの勢いを保つことができれば、フィジカルセールスが初加算される6月28日公開分において最高ポイントを獲得する可能性も考えられます。ビルボードジャパンが”異次元”と称したYOASOBI「アイドル」のヒットがどこまで続くか、注目です。