毎週木曜以降は最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。
最新9月21日公開分(9月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートではKing & Prince「TraceTrace」がフィジカル関連指標初加算に伴い首位に初登場を果たしました。
【ビルボード】King & Prince「TraceTrace」513,056枚を売り上げ、Ado「新時代」を抑えて初登場総合首位 https://t.co/n4YfiwMmjQ pic.twitter.com/vOaPMZ4QXh
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) September 21, 2022
(上記はショートバージョン。)
King & Prince「TraceTrace」はフィジカルセールスがハーフミリオンを達成し、総合ソングスチャートを制覇。一方でデジタル未解禁のため、次週の急落が予想されます。5作前のフィジカルシングル「Mazy Night」以来となるフィジカル関連指標加算2週目での総合トップ10キープなるか、注目です。
実際、フィジカル関連指標初加算に伴い前週トップ10入りした3曲はいずれも今回トップ10落ち。特に総合2位だったSexy Zone「Trust Me, Trust You.」は77位に急落しています。3曲については、前週ブログで予想した展開をなぞったといえるでしょう。
さて、前週首位のAdo「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」(以下、()内は省略)は2位に後退するも1万ポイントを上回る状態が続いています。アルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』収録曲は今週のソングスチャートで2~5位に並び、また10位にも入ったことからトップ10の半数を占める形となりました。
一方で、ここ数週の動向により、『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』でより人気の高い曲が可視化された感があります。
Ado『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』収録曲のうち、最新9月21日公開分(9月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートでトップ10入りを果たしたのは以下の5曲。その5曲における順位およびポイントの推移をまとめた表がこちら(総合100位未満については記載していません)。
6週連続で1万ポイント超えを果たしたAdo「新時代」ですが、一方でポイントは4週連続で後退、そしてポイント前週比は2週続けて1割以上ダウンしています。ストリーミングが強い作品の1割以上ポイントダウンは時折見かけますが、あまりに強すぎたことへの反動が出ているのかもしれません。
他方、このタイミングで最高位を更新したのが「ウタカタララバイ」。ポイント前週比は100%に近い状況です(わずか3ポイントのダウンにとどまっています)。またCHART insightでは緑で示されるカラオケ指標も20→13位となり、上昇度が大きくなっています
「ウタカタララバイ」の躍進については、ビルボードジャパンのStreaming Songsチャートに理由が掲載されています。なおStreaming Songsチャートはストリーミング指標の基となるもので、再生キャンペーン採用曲が同チャートを制した場合は指標化の際に係数処理が施されます。
【ビルボード】Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」がストリーミング6連覇 なとり「Overdose」17位に初登場 https://t.co/vuuI64JzCF pic.twitter.com/VOKcg9ZKYG
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) September 21, 2022
「ウタカタララバイ」はストリーミング3位となり、「逆光」を逆転。上記ツイート内リンク先の記事では『トップハムハット狂とDYES IWASAKIの2人組音楽ユニット、FAKE TYPE.が提供した「ウタカタララバイ」のチャート・アクションは、“JAPAN HOT 100”の動画指標でも前週3位から当週2位に上昇している通り、UGCを含む動画再生回数の根強さも特徴的で、継続的なバイラルによるリスナー層の拡大が窺える』とあります。
トップハムハット狂さんは2008年よりニコニコ動画を中心に活動しており、ネットとの親和性が高いと言えます。事実、UGC(いわゆる歌ってみたや踊ってみたに代表されるユーザー生成コンテンツ)を抽出したTop User Generated Songsチャートでは最新9月21日公開分(9月26日付)で「ウタカタララバイ」が8位に入り、『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』収録曲では「新時代」(1位)に次ぐ順位となっているのです。
映画『ONE PIECE FILM RED』と各曲がどれだけ深くリンクしているかの状況もヒットに影響するものと考えますが、「ウタカタララバイ」はネットとの親和性という別の力も働き、アルバム収録曲(映画使用曲)の中で強さを発揮しているのではないでしょうか。今後アニメから独り歩きすることになれば、「ウタカタララバイ」が「新時代」を逆転する可能性もゼロではないでしょう。