(※追記(8時47分):紅蓮・疾風さんのビルボードジャパンソングスチャート予想ツイートを追記し、一部文言を修正しました。こちらのミスにより予想ツイートが削除されたものと誤認していたことについて、お詫び申し上げます。教えてくださった紅蓮・疾風さんに感謝申し上げます。)
毎週木曜以降は、最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えする予定でしたが、今回はビルボードジャパンの不備問題について触れます。
ビルボードジャパンは最新チャートについて、昨日公開した一部チャートを引き上げました。
8月25日4時36分時点でのキャプチャを上記に。現段階において8月24日公開分(8月29日付)における総合ソングスチャート(上記エラー画像も参照)、およびStreaming Songsチャートは前週分の公開にとどまっています。これは最新チャートにおいてKis-My-Ft2「Two as One」のストリーミング指標を当初カウントしていなかったことが要因です。
当初掲載された記事ではKis-My-Ft2「Two as One」は3位に登場。歌手名の右側にはフィジカルセールス、ダウンロードおよびストリーミングについては各指標50位以内に入った場合に数値が記載されるのですが、CHART insightによれば「Two as One」はストリーミング指標300位以内にも入っていない状況でした(なお、同曲のCHART insightについては訂正前のものをキャプチャしておりません)。
ちなみに @LINEMUSIC_JP の昨日までにおける週間ランキングでは #KisMyFt2「#TwoasOne」が首位となっています。https://t.co/101fYttkQU
— Kei (@Kei_radio) August 24, 2022
ストリーミング指標300位未満の理由として、LINE MUSICのみの再生回数では300位以内に届かなかった可能性が考えられます。
Kis-My-Ft2は昨年のLINE MUSIC独占サブスク解禁以降、ベストアルバム収録の「A10TION」やその後のシングル「SO BLUE」「Fear」にて再生キャンペーンを実施し、ストリーミング指標が加点されています。今回の「Two as One」でもLINE MUSIC再生キャンペーンが採用され、十分な結果が出ていたためにストリーミング指標の未加算に疑問を抱いていました。
Kis-My-Ft2「Two as One」において、結果的にストリーミング指標未加算はエラーだったことになるのですが、ビルボードジャパンの総合ソングスチャート記事は二度も訂正される事態に。一度目は「Two as One」のフィジカルセールスの記載誤りの訂正でしたが、その段階でストリーミング指標は加点されませんでした。
そして昨日20時前になってようやく、「Two as One」にストリーミング指標が加点され、総合順位も3→2位へ上昇。Ado「私は最強」と入れ替わった形です。
#KisMyFt2「#TwoasOne」にストリーミング3,540,956再生の未加算という不備が発生し、同曲は3→2位へ修正。
— Kei (@Kei_radio) August 24, 2022
今回問題があったデータ元とはすなわち唯一サブスクを解禁している @LINEMUSIC_JP を指します。以前もこの不備はありました。LINE MUSIC、ビルボードジャパンとも猛省が必要です。 https://t.co/gH8N1LEf01
ビルボードジャパンは今回のミスの理由を、データ元の不備と説明しています。
【チャートに関するお知らせ】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) August 24, 2022
データ元の不備により、2022年8月24日公開の総合ソング・チャート“HOT 100”の一部データに誤りがございました。訂正してお詫びいたします。
また、各チャートの修正は順次公開していきます。
先述の通り、Kis-My-Ft2はLINE MUSIC独占で「Two as One」を配信しています。その数値が漏れたということは、今回不備を起こしたデータ元はLINE MUSICであることが解ります。このLINE MUSICは、大きな問題を先月起こしたばかりでした。
前回のミスはチャート発表から1週間が経過した後になってはじめて、ビルボードジャパンがLINE MUSICのエラーに気付いたとのこと。しかしLINE MUSICはそのエラーの存在を早い段階で把握しており、ビルボードジャパンがLINE MUSICと連携を密にとっていれば訂正までのタイムラグは短くできたはずです。
そして今回のミスについては、当初の発表段階で違和感を抱けたものと考えます。
ビルボードジャパン(@Billboard_JAPAN)のCHART insightが発表されたばかりですが、ソングスチャート総合3位の #KisMyFt2「#TwoasOne」は @LINEMUSIC_JP 限定でサブスク解禁されているもののストリーミング指標では300位以内に入っていません。気になった次第です。https://t.co/rGOpGWf7W0
— Kei (@Kei_radio) August 24, 2022
自分がチャートの違和感を表明したのが、CHART insightが最新分に更新されて間もない昨日12時50分。違和感を拭えなかったために同日14時頃には問い合わせフォームを介して連絡をしたのですが、総合記事(「Two as One」のフィジカルセールスも誤った最初のバージョン)は同日16時台に発表されていました。ちなみに問い合わせフォーム経由で送信した内容の返信は今朝の段階で未だありません。
Hot 100 結果詳細 & 予想反省③#KisMyFt2「#TwoasOne」はまさかのストリーミング300位圏外で予想を大きく下振れた。前作「Fear」と同一条件のキャンペーン( @LINEMUSIC_JP 限定配信も同様)を実施しており、「Fear」では281万再生を稼いていたが為にこの結果は予想外。https://t.co/MrFI4oYMnb pic.twitter.com/2KMBpgnbR8
— 紅蓮・疾風 (@ideal_charts) August 24, 2022
日本でほぼ唯一ビルボードジャパンソングスチャートの予想を行う紅蓮・疾風さんは、最新ソングスチャートにおいてKis-My-Ft2「Two as One」にストリーミング指標が加点されるものと捉えていました(この予想ツイートは削除の模様 予想ツイートは下記に掲載)。ゆえに当初チャートが発表された際、上記のようなリアクションを示しています。
Billboard JAPAN 8/29付 Hot 100 最終予想
— 紅蓮・疾風 (@ideal_charts) August 23, 2022
勢いを更に増した #Ado「#新時代」の連覇が確実
2位は #KisMyFt2「#TwoasOne」が有力
Adoは「新時代」の他に「#逆光」、「#私は最強」、「#ウタカタララバイ」、「#TotMusica」、「#風のゆくえ」等でトップ10の半数以上を占めると予想 https://t.co/3gaQCDu07P pic.twitter.com/z8IqV88rPg
(※追記(8時47分):紅蓮・疾風さんのビルボードジャパンソングスチャート予想ツイートを追記し、一部文言を修正しました。こちらのミスにより予想ツイートが削除されたものと誤認していたことについて、お詫び申し上げます。教えてくださった紅蓮・疾風さんに感謝申し上げます。)
LINE MUSIC再生キャンペーンによる過去の実績や、LINE MUSICの週間チャート(8月23日火曜までの1週間における)で首位を獲得した以上、Kis-My-Ft2「Two as One」がストリーミング指標を加点することは容易に予想できたはずです。おそらくはビルボードジャパンのスタッフに、新譜の動向等を追えている人がいないのでしょう。そのようなスタッフがいれば、確実にこのミスに気付けたものと考えます。
さすがにビルボードジャパン(@Billboard_JAPAN)の姿勢はまずいですよね。いくら @LINEMUSIC_JP 側のミスであったとしても。
— Kei (@Kei_radio) August 24, 2022
紅蓮・疾風さんのような予想に長け、新譜の動向に詳しい方がビルボードジャパンの一員になり、同社が隅々まで管理できる体制を採るべきだと強く思います。 https://t.co/p9prvY0R8b
そしてそれ以前に、ビルボードジャパンのミスの連発にはこれまで以上に強い違和感を覚えます。最新のポッドキャストにて冒頭にお詫びが述べられていますが、その"軽さ"(まるで編集したかのようにお詫びの直後に"はい、"という切り替えの言葉が挿入されていますが、この"はい、"にも強い違和感を覚えます)からは、音楽文化に大きな影響を与えるチャート管理者としての責任を持ち合わせているか、強く疑問を抱くのです。
自分はビルボードジャパン非公式でポッドキャストを配信しています。昨日はビルボードジャパンが記事をアップしたことでこれ以上の訂正はない(問い合わせ等した内容は問題ないものとして処理された)と判断し、夕方に録音→アップしたのですが、ともすれば今後訂正が入る可能性があると番組の最後に示唆していました。奢りと言われるのを覚悟で書くならば、自分のような人間がチャート管理側にいればと強く感じています。
Kis-My-Ft2「Two as One」は今回、フィジカルセールス、ルックアップおよびTwitter指標で首位を獲得し、ラジオ指標でも5位につけました。前作「Fear」(「SO BLUE」とのダブルAサイドで、フィジカル関連指標が加算される方)においてはフィジカル初加算となった昨年9月15日公開分(9月20日付)でTwitter3位、ラジオ100位未満(300位圏内)、ストリーミング34位となっていました。
「Two as One」は「Fear」よりも複数の指標で上位につけていますが、これはコアファンの頑張りも大きく影響しているでしょう(Ado「新時代」が強すぎるゆえ、連帯し逆転を狙ったことも考えられます)。ゆえにCHART insight更新以降から「Two as One」のストリーミング未加算への違和感を複数の方が表明していたものと思われます。ビルボードジャパンは当初の更新から7時間以上、その声をいわば無視したことになるのです。
何より今回、チャート訂正により「#私は最強」がダウンした #Ado さん、上昇したとはいえ二度の不備(一度目は総合記事でのフィジカルセールスのミス)に「#TwoasOne」が見舞われてしまった #KisMyFt2 側、彼らのコアファンにも大変失礼です。@Billboard_JAPAN に責任の認識はあるか、問われるべきです。
— Kei (@Kei_radio) August 24, 2022
冒頭で記したように正式なソングスチャートの発表が未だみられないため、Adoさんのチャートの凄さが伝わらないこと等の機会損失も生まれています。ビルボードジャパンにより大きな注目が集まる週に、ビルボードジャパンは自らのミスでその注目を潰えさせてしまったわけです。
ビルボードジャパンに対してはこのブログにて以前から、チャートの発表時間を遅らせる、時間を決めて発表することでそのアナウンスをイベント化する等の提案を実施しています。LINE MUSICの不備発生時にはデータ提供元との連携の強化を求めましたが、そもそも問題発生時のマニュアルがないことが想起されます。
訂正時のマニュアルがないのだと思います。しかしこれだけミスを繰り返すならばマニュアルを用意するのは当然です。そして音楽文化発信の担い手としての責任を持ち合わせているならば、訂正した旨をアナウンスすることは自然なことです。音楽文化発信の担い手として、その姿勢を強く疑問視します。 https://t.co/AySR4y1TyA
— Kei (@Kei_radio) July 13, 2022
過去のツイートを再掲しますが、今回のミス発覚までのタイムラグや、あたかも問い合わせを無視したともとれる今回の流れを踏まえれば、ビルボードジャパンはチャート管理者としての資格はないと断言して差し支えないでしょう。軽々しくと取れるお詫びの言葉でお茶を濁すのではなく、どう変えたか、変えていくかをきちんと打ち出さなければなりません。
また対応スタッフの刷新も必須でしょう。先述したような新譜動向等に長けた方を採用することも必要ですが、チャートディレクション側はデータ管理をその道にプロに託して自身はマーケティング等に専念することもまた重要だと考えます。
ビルボードジャパンについてはKAI-YOUのインタビュー記事から、問題発生時の責任を他者に求める姿勢を感じており、真の責任感を持ち合わせているかを疑問視していました。今回のチャート訂正の問題の根本がLINE MUSIC側にあったとして、しかし自問自答する姿勢、問題提起したこちら側の声を聞く姿勢があれば、ここまで大きな問題にはならなかったはずです。
日本を代表する唯一無二の音楽チャートを自負するならば、責任ある態度を示すことを強く願います。