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Sexy ZoneとKing & Princeの”W主題歌”…ジャニーズ事務所の2020年における新概念提唱型のひとつ?

【W主題歌】という文言が非常に気になるのです。

音楽番組『Premium Music』は3月25日に日本テレビで放送。同局の4月クールのドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』の主演を務める中島健人さん、平野紫耀さんが所属するSexy ZoneおよびKing & Princeが共に主題歌を担当するということですが、両名のコメントに登場する【W主題歌】という表現が妙に引っかかりました。

 

いや実は、この【W主題歌】を調べてみると、ここ最近になって見かけるようにはなっています。たとえば1つの作品で2曲が主題歌という例としては、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(2020)におけるMr.Childrenが記憶に新しいところ。

映画では『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015)の前後編でSEKAI NO OWARIがそれぞれ異なる主題歌を提供することから【W主題歌】と呼ぶパターンも。

このような例もあり、一組の歌手が(前後編と分ける等はあれど)同じ作品に2曲を提供するというのが【W主題歌】の定義だと捉えていた方は少なくないでしょう。他にも『遺留捜査』(テレビ朝日)の第5シーズン(2018)では、過去に用いられた小田和正さんによる「やさしい風が吹いたら」「小さな風景」が物語の内容によって使い分けられたという例もありますが、この使い方は異例。

 

今回、【W主題歌】(ダブル主題歌を含む)を音楽ナタリーで検索したところ、異なる歌手がひとつの作品の主題歌を手掛けたという例はほぼありません。

挙げるとすれば、映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(2018)では阿部サダヲさんと吉岡里帆さんがそれぞれ演じる役柄名義で主題歌を担当していますが、共に1枚のコンピレーションアルバムに収録。

スマートフォン向けゲーム『ザクセスヘブン』主題歌を夢みるアドレセンスとi☆Risがそれぞれ担当していますが、i☆Risはファーストアルバム収録曲、夢みるアドレセンスはメジャーファーストシングルの初回生産限定盤Cのカップリング曲に収録され、シングル表題曲にはなっていません。

映画『復讐したい』(2016)ではROTTENGRAFFTYおよびlynch.の2組が主題歌を担当していますが、それぞれ(ミニ)アルバムに収録されています。

これらを踏まえれば、【ひとつの作品の主題歌を異なる2組が担当】し、仮に【両者の主題歌が共にシングルCD表題曲】となるならば、そのような形での【W主題歌】は初ということになるのではないでしょうか。

 

Sexy ZoneとKing & Princeがそれぞれ用意した主題歌が、ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』でどのように使われるのかは解りかねますが、少なくとも先に挙げた音楽特番での両者のコメントに【W主題歌】という言葉が見られることから、両者が所属するジャニーズ事務所がこの概念を提唱していくことはほぼ間違いないと捉えています。

ジャニーズ事務所による新概念で思い出すのは、SixTONESSnow Manが同時デビューした際、両者のシングルCDに相手のシングルCD表題曲を収録させて合算を可能にさせた【2組で合算セールス】方式。オリコンが合算方式を採用し、「Imitation Rain」と「D.D.」はミリオンセールスを達成したと紹介しています。

ただ、今回の【W主題歌】についてはSexy Zone、King & Princeでそれぞれリリースする模様です(オリコンの記事はこちら)。


 

【2組で合算セールス】という手法も、実は1992年に松任谷由実カールスモーキー石井「愛のWAVE」で採られている、とWASTE OF POPS 80s-90sさんで指摘されています。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)

【W主題歌】も【2組で合算セールス】も前例があることは間違いありません。とはいえ【2組で合算セールス】と【W主題歌】を同じ2020年に行うこと、前者は数多のプロモーションを行い、後者はドラマの主演2名が音楽特番の司会を担当という徹底っぷりを踏まえるに、これら概念をジャニーズ事務所はこれからの当たり前にしていくのではないかと思うのです。