今年も年始を飾った楽曲はファレル・ウィリアムス「Happy」でした。
昨年12月30日~1月5日を集計期間とする1月13日付ビルボードジャパンソングスチャートのラジオエアプレイ指標では「Happy」が12位に急浮上。昨年同時期、そして改元のタイミングでも上昇しており、ラジオ業界ではこの曲が新年の挨拶曲となったと言えそうです。
「Happy」のビルボードジャパンCHART insightはこちらに。そして昨年以降のラジオにおける「Happy」の動向は下記エントリーをご参照ください。
さて、1月13日付ビルボードジャパンソングスチャートで気になったのが、ZOO「Choo Choo TRAIN」がラジオエアプレイで14位を獲得したこと。総合では100位以内に入らなかったものの、1991年の楽曲がここにきてジャンプアップしています。
「Choo Choo TRAIN」のビルボードジャパンCHART insightからラジオエアプレイ指標のみを抽出すると(→こちら)、冬の時期に同指標100位未満ながら300位以内に幾度か登場。これはZOOによるバージョンが1991年以降数年間、JR ski skiのキャンペーンソングとして起用されたことで冬のイメージが付いたと言えそうです。
キャンペーンの名称は現在、JR SKISKIに変更されているのですが、今シーズンを担当しているのがEve「白銀」。
「白銀」は昨年12月19日に解禁され、クリスマス前後(昨年12月16日~22日)を集計期間とする1月6日付ビルボードジャパンソングスチャートではラジオエアプレイ指標が6位に入り、総合でも88位に登場。最新チャートでは総合100位圏外となっていますが、年末年始モードが一段落した次週のチャートでもラジオの勢いが持続していればロングヒットの可能性もあるでしょう。
推測の域を出ませんが、Eve「白銀」のスマッシュヒットがZOO「Choo Choo TRAIN」上昇を呼び込んだのではないでしょうか。さすがに「Choo Choo TRAIN」がここまで上昇するには他に理由がありそうですが。共にラジオ主体のヒットであり他指標には波及していないものの、面白い動きだと思います。
日本のラジオエアプレイは、大ヒット楽曲の旬は他指標に比べて長くはなく(しかし年末年始には振り返り企画等で再浮上する傾向)、新人をプッシュしたりベテランの新曲を前面に押し出すことに長けている印象があります。特に後者の動きは、たとえば香取慎吾さんが元日にリリースしたアルバム『20200101』において、WONKや須田景凪さんから氣志團にKREVAさんといった方々を招くスタンスを想起させ、または米ラッパーのトラヴィス・スコットが昨年末にリリースした自身のレーベルコンピレーションアルバム『Jackboys』のようなショーケース的意味合いを彷彿とさせます。