2024年版「デジタル推進状況」企業アンケート結果まとめ ~企業におけるDX推進の現状と課題~|お役立ちコラム

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2024年版「デジタル推進状況」企業アンケート結果まとめ
~企業におけるDX推進の現状と課題~

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目次

はじめに

デジタル技術が急速に進展する中で、企業のDXは競争力向上や業務効率化の観点からますます重要性を増しています。

本コラムでは、2022年から2024年の「デジタル推進状況」企業アンケート結果を基に、企業が直面しているDX推進の現状と課題について、アンケート結果の経年変化から得られる考察をまとめました。

このコラムを通じて、企業様のDXへの取り組みついての現状を把握し、貴社の今後の取り組みを検討するヒントとしていただけましたら幸いです。

企業におけるDX推進の現状

企業におけるDX推進の現状

図表1. 企業におけるDX推進の現状(IHS調べ)

2024年にかけて、「専門組織の設置」の割合が13%から21%に増えており、「社員がDX推進を理解し、対応しようとしている」の割合が14%から19%に増えています。同時に「DXの推進を検討中」「DXの推進に着手している」の割合が減っています。このことから、2024年時点では各社で本格的にDXを推進していることが伺えます。

また「デジタル人材の育成やデジタル人材の確保を進めている」の割合が11%から19%に増えていることから、各社でDXを組織的に実行しようとする様子が伺えます。

DXを推進する上での課題

DXを推進する上での課題

図表2. DXを推進する上での課題(IHS調べ)

この3年の間に以下の項目が大きく変化しています。

DX専門組織編成、予算化の課題が解消

「DXを推進する専門組織の編成、予算化ができていない」について、2020年に10%だった割合が2%まで減少しています。これは自社のDX化を経営課題と捉え、各社が組織的に取り組んでいく意思が明確になったことを示しています。

業務プロセスの改善が進まない

一方で、「DX化に向けた業務プロセス改善の進捗が課題」の割合が14%から21%まで増えています。組織としてDXにコミットしているものの、従来型のアナログベースの業務を新しい技術に合う形に変革できていない点が課題になっていると考えられます。

デジタル人材の不足

同時に、「デジタル人材が不足している」の割合が28%から35%に増えています。アナログベースの業務をDX化する際に必要な観点やソリューションを提示し実際に解決できる人材や、DXに適した業務改善を推進する人材が不足しているということの示唆だと考えます。

DX推進に必要な人材の育成・確保

DX推進に必要な人材の育成・確保

図表3. DX推進に必要な人材の育成・確保に向けた取り組み状況(IHS調べ)

人材確保については「全社的に取り組んでいる」の割合が7%から50%と急激に増えています。また「各部門に任せる」の割合が32%から20%に減少していることから、必要な人材の要件を全社的に定義し、人材確保に向けて戦略的に動いている様子が伺えます。

DX推進に必要な人材の育成・確保

図表4. デジタル技術やデータ活用に精通した人材の育成・確保に向けた取り組み状況(IHS調べ)

また、人材確保の手段として「外部リソース(ベンダー含む)を積極的に活用している」と回答する企業様の割合が23%から53%と倍以上に増えています。

一定のDXスキルを持つ人材を外部から迅速に調達することで、内部リソースだけに頼るよりも速くプロジェクトを進めることができる点を大きなメリットと捉えていることが伺えます。

また、専門的な知識や最新の技術動向に精通した外部リソースを活用することで、社内に存在しないノウハウや新しい視点を取り入れる機会となり、結果として自社のDX推進に必要な多角的なアプローチを可能にします。

しかし、外部リソースへの依存度が高まると、社内にDXノウハウが蓄積されにくくなるリスクや、外部リソースのコストや信頼性の問題をどう管理するかといった課題も出てくるため、慎重に検討する必要があります。

同時に人材確保について「取り組んでいることはない、計画中」と回答する企業様の割合が38%から6%と大幅に減少しています。これは、多くの企業様がDX人材の確保に向けた具体的な取り組みを進めていることを示しており、DX人材の重要性が高まる中で、企業間での人材獲得競争が激化している状況が伺えます。

DX推進に必要な人材の育成・確保に関する課題

DX推進に必要な人材の育成・確保に関する課題

図表5. DX推進に必要な人材の育成・確保に関する課題(IHS調べ)

外部リソースの活用を進めると同時に、社内リソースの活用にも取り組んでいる様子が伺えます。ただ「社内リソース活用のための教育制度を見直したい、もしくは検討している」という回答の割合が25%から47%に増えていることから、社内にDX教育の基盤やノウハウがなく、人材の再教育に課題がある点が伺えます。

ガートナーの調査を踏まえた考察

ガートナージャパンによる調査「日本におけるソフトウェア開発の内製化に関する調査結果(2023年1月)」によると、ソフトウエア開発において内製化の方針を掲げる企業の割合は54.4%とのことです。

DX推進に必要な人材の育成・確保に関する課題

図表6. 企業の方向性が内製化である理由

内製化を進める理由として「開発コスト削減」「開発、実装、保守の迅速化」を挙げる企業が約50%います。

DX推進に必要な人材の育成・確保に関する課題

図表7. 内製化推進の妨げ、および外部委託推進の理由

一方で、内製化の阻害要因は「人材不足(64.7%)」と答える企業が圧倒的に多く、その次に「育成する仕組みの不足(27.3%)」を挙げています。人材に関する課題は本アンケート結果とも類似しています。

まとめ

本アンケート結果からは、企業におけるDX推進が進展している一方で、業務プロセスの改善やデジタル人材の不足といった課題が浮き彫りになりました。

DX専門組織の設置や人材育成に関しては、組織的な取り組みが進んでいることが見受けられますが、特に業務プロセスの抜本的な改革や社内教育基盤の整備は、今後のDX成功に向けて不可欠な要素です。

これらの課題に取り組むことで、企業はより効果的にDXを進め、競争力を高めていくことが期待されます。

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