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総合リハビリテーション Vol.52 No.11
2024年 11月号
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今月のハイライト
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特集 脊髄機能の回復とリハビリテーション治療
脊髄損傷に対する治療において,再生医療としての細胞治療やロボティクスなどの工学技術を用いたリハビリテーション治療が,それぞれ実際の臨床現場で活用される段階に至っています.このことは,新しい技術が日常診療のなかで定着し効果を発揮していくために,診療に係る医療従事者がこれまで以上に脊髄の機能・病態・回復力について理解を深める必要があることを示唆しています.
そこで本特集では,脊髄の機能回復をどのように捉えて介入を考えるか,また,新規治療はどのように臨床につながっていくのか,という点についてご寄稿いただきました.今後,脊髄損傷の治療は新規の治療技術を軸にさらに進んでいくことが予想され,そのためには十分な評価体系と臨床像の理解がエビデンス構築を支えていくことになります.本特集では著者の先生方に各領域の先端分野をカバーしていただき,まさにこれからの脊髄損傷治療の知識体系のスタンダードとなり得る内容になっています.臨床に係る医療者の理解を深めるきっかけになるものと期待しています.
1.上肢の機能回復とリハビリテーション 高浜功丞 氏ら
高浜先生らには上肢の機能訓練について The Graded Redefined Assessment of Strength, Sensation and Prehension(GRASSP)や Capabilities of Upper Extremity Test(CUE-T)といった新しい評価手法とともに,上肢機能訓練と組み合わせて実施する拡散型圧力波や repetitive Transcranial Magnetic Stimulation(rTMS)技術の紹介をいただいた.
2.下肢の機能回復とリハビリテーション 愛知 諒 氏ら
下肢機能については愛知先生らにご寄稿いただいた.歩行中枢の機能理解に基づく歩行訓練の考え方を整理いただくとともに,歩行ロボティクスを応用して歩行中の脊髄髄節レベルの活動性を可視化する手法をご紹介いただいている.
3.体幹機能の回復とリハビリテーション 佐藤弘樹 氏
評価の難しさが臨床課題となりやすい体幹機能については,佐藤先生に Trunk Assessment Scale for spinal cord injury(TASS)を中心とした評価法をわかりやすくご紹介いただくとともに,その評価に応じた体幹機能への介入の組み立て方を解説いただいた.
4.不全麻痺に対する再生医療とリハビリテーション 森田智慶 氏ら
1~3.のような各機能の回復プロセスに大きな影響を及ぼす新規治療法の一つとして,森田先生らには,すでに臨床現場で用いられている自己骨髄間葉系幹細胞の経静脈的投与の治療についてご紹介いただいた.臨床試験のデータや想定されている作用機序について,さらに今後期待が高まる慢性期症例への治療の可能性について概説をいただいている.
5.完全麻痺に対する再生医療とリハビリテーション治療 中野英顕 氏ら
脊髄損傷の麻痺の状態と治療戦略を考える際に,不全麻痺と完全麻痺とでは病態や損傷の程度,生活自立に向けてのプロセスも異なることから,中野先生らには特に完全麻痺を念頭にその再生医療とリハビリテーションの知見をご紹介いただいた.細胞治療としてすでに臨床での検討が始まっている induced pluripotent stem(iPS)細胞由来神経幹細胞を中心とするさまざまな細胞移植治療の現状をご紹介いただくとともに,肝細胞増殖因子といった神経再生の誘導をねらった薬物治療,さらに一連の再生医療とリハビリテーションをどのように関係づけるかについて概説をいただいた.
6.ロボットを用いたリハビリテーションによる脊髄機能回復 清水如代 氏ら
新たなリハビリテーション手法の代表となるロボットの活用については,清水先生らに Hybrid Assistive Limb(HAL)を実例に,基本的な活用法だけでなく,その原理を利用した上肢のトリガーで下肢をアシストする応用手法もご紹介いただいた.
7.脊髄に対する電気刺激を用いたニューロモデュレーションと機能回復 篠﨑宗久 氏
そして,ロボットとともに臨床応用が進んでいる工学技術として篠﨑先生には電気刺激を用いたニューロモデュレーションの最新の知見を末梢神経だけでなく,脳や脊髄への刺激についてご紹介いただいた.さらに,侵襲的な電極設置による脳や脊髄への直接刺激によってより高い機能を引き出す治療法が,世界的に検討されている状況が読み取れる内容となっている.
収録内容
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医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。
特集 脊髄機能の回復とリハビリテーション治療
上肢の機能回復とリハビリテーション
高浜 功丞,他
下肢の機能回復とリハビリテーション
愛知 諒,他
体幹機能の回復とリハビリテーション
佐藤 弘樹
不全麻痺に対する再生医療とリハビリテーション
森田 智慶,他
完全麻痺に対する再生医療とリハビリテーション治療
中野 英顕,他
ロボットを用いたリハビリテーションによる脊髄機能回復
清水 如代,他
脊髄に対する電気刺激を用いたニューロモデュレーションと機能回復
篠﨑 宗久
●巻頭言
キセキ
高橋 哲也
●入門講座
あなたは知っていますか? 現場で必要な医療知識・技術③
栄養
吉村 芳弘
●実践講座
高度肥満症患者のリハビリテーション治療⑤
高度肥満症患者の呼吸障害とリハビリテーション治療
三浦 平寛
パーキンソン病治療の新しい展開②
薬物療法
野川 茂
●研究と報告
地域在住フレイル高齢者の運動系社会参加を促進する地域要因の検討
中北 智士,他
低出生体重児における日本語版ASQ®-3の妥当性
橋本 圭司,他
●チーム医療を支えるリハビリテーション看護②
リハビリテーション看護からみる排泄管理
谷口 真弓
●わたしたちのメンタルヘルスケア③
看護師のメンタルヘルスケア・サポート
谷島 和美
●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
カズオ・イシグロの『日の名残り』──脳卒中の父親の介護
高橋 正雄
●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「村八分」──組織的な不正やいじめ・差別と,それに抗する主体を可視化する
二通 諭
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