海外建築研修にて訪問した名建築を振り返る回顧録シリーズ。
前回に引き続き、2018年2月アメリカ西海岸建築研修の旅。
カリフォルニア州ロサンゼルス、サンディエゴ、そしてやや内陸を向いてアリゾナ州のフェニックスを訪れました。
前々回のゲティ·センター(設計:リチャード・マイヤー/1997年竣工/ロサンゼルス)、
前回のリチャード・ノイトラ自邸(1932年竣工/ロサンゼルス・シルバーレイク)に続き、
第三回はロサンゼルスにあるウォルト・ディズニー・コンサートホール / フランク・0・ゲーリー(2003年竣工)ついてご紹介いたします。
ロサンゼルスの新たなランドマークとして存在感を放っているこの建物、スペインのグッゲンハイム·ビルバオ美術館で、そのグニャグニャ建築の作風で世界に衝撃を与えたゲーリーの傑作の一つです。
ゲーリーのデザインはもれなくグニャグニャ建築。こうしたコンセプチャルなデザインを、技術的にも求められる機能や立地特性の上でも成立させ、多くの人々を動かして具現化するには相当の力量と情熱が必要なはず。その場に立つだけでも凄くパワーを感じてしまいます。
LAの陽光をグラデーション状に反射する3次曲線のステンレスパネル外壁の表面加工処理は、ゲーリーの指名を受けて日本企業の技術が採用されています。また、ホールの音響設計も日本企業が携わっています。何だか誇らしい。
こちらに拠点を置くLAフィルの音楽監督はあのグスターボ・ドゥダメル。
なんて羨ましい。ここまで来たならチケットを取って…という訳にも行かず…。
再訪するチャンスを作って、ドゥダメルが指揮するオーケストラをこのホールで堪能したいものです。
写真:ドゥダメルを前面に打ち出した幕。手前のおじさん、手が勝手に動いちゃっています(笑)
さて気になる内部ですが、期待を裏切ることなく外観同様に曲線で構成された空間が広がります。アングルによっては、もはやどうなってるのか判らないという期待感に似た面白さがあります。
建築ツアーも用意されているので、建物だけ見に行くのもお薦めです。
プロデューサー樋口