商品説明
大学のハラスメント相談室 ― ハラスメントと向き合うすべての人へ
櫻井義秀・上田絵理・木村純一・佐藤直弘・柿﨑真実子 著
定価:2,640円(本体価格2,400円+税)
判型:四六 並製
頁数:208
ISBN:978-4-8329-3418-4
Cコード:C1036
発行日:2023-03-25
●本書の特徴
本書は、ハラスメントの被害者・加害者のみならず、管理責任者としてこれからハラスメント相談室設置を検討したい方のほか、大学におけるハラスメントの実態や要因、対応の施策を知りたい方など、ハラスメントに関心を寄せ向き合う方にとって利活用できることを目的に書かれています。
■本書の構成
第一章:アカデミック・ハラスメントの定義や判断基準、及びハラスメントをどのように認識し対応したら良いのかという概説
第二章:国内外の実態調査を踏まえた先行研究をレビューしながら、ハラスメントの類型と態様を紹介
第三章:ハラスメント相談室の実際の機能について模擬事例を示しながら、相談と調整の一般的なやり方と留意点を説明
第四章:ハラスメント事案の裁判例をもとにセクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメントがどのように認定され、教職員に対する懲戒の量定がきまるのかといったことについて解説
第五章:北海道大学におけるハラスメント対応の略史と、相談室を立ち上げ現在に至るまで頭を悩ませた事柄などを大学職員の目線で叙述
付 録:ハラスメント対応の参考書を紹介
●目次
まえがき アカデミック・ハラスメントの予防・相談・調整――ハラスメント相談室を利活用するために
第一章 ハラスメントの類型と予防・対策………櫻井義秀
1 ハラスメント対応の基本
2 セクシャル・ハラスメントからアカデミック・ハラスメントへ
3 ハラスメントの予防と対策
4 アカデミック・ハラスメントの構造的生起への対応
第二章 国内外の大学におけるハラスメントの実態………佐藤直弘
1 学生と教職員が遭遇するハラスメント
2 ハラスメントを経験する割合
3 ハラスメントの被害に遭ったことによるこころとからだへの影響
4 ハラスメントの被害に遭った際に特徴的な対処行動
5 ハラスメントの被害に遭った学生と教職員がこころとからだの健康を保つための対処方策
6 正確な実態把握の必要性と効果的なハラスメント対策のために
7 最後に
第三章 ハラスメント相談室の業務対応………木村純一
1 ハラスメントの理解やイメージの多様性
2 ハラスメントの弊害と予防の大切さ
3 北海道大学におけるハラスメントの定義
4 ハラスメント相談室が相談対応する上で留意していること
5 ハラスメント相談をする前の準備
6 カウンセリングとハラスメント相談の違い
7 大学によるハラスメント相談の体制の違い
8 北海道大学のハラスメント相談室ができること
9 各対応の効果と副作用について
10 相談対応の決定について
11 「助言」の事例紹介
12 「調整」(関係調整)の事例紹介
13 「調整」(環境調整)の事例紹介
14 相談することを迷っている方へ
第四章 裁判例からみるアカデミック・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント………上田絵理
1 ハラスメントに関する裁判例の類型
2 教員と学生間のハラスメント
3 教員間のハラスメント事案
4 大学事務職員に関するハラスメント事案
5 まとめ
第五章 北海道大学におけるハラスメント相談の略史………櫻井義秀
1 北海道大学におけるハラスメント相談室設置の経緯
2 ハラスメント相談室設置の組織的課題
3 相談室体制の充実
付録 ハラスメント対応の参考書籍紹介………柿﨑真実子
おわりに………櫻井義秀
執筆者紹介
●著者紹介
櫻井 義秀(サクライ ヨシヒデ)
北海道大学ハラスメント相談室 室長、北海道大学大学院文学研究院・教授。
専門:比較宗教社会学
〈主要著書・論文〉
『ウェルビーイングの社会学』2022、北海道大学出版会(編著).
『東アジア宗教のかたち:比較宗教社会学への招待』2022、法藏館.
『これからの仏教 葬儀レス社会:人生百年時代の生老病死』2020、興山舎.
『宗教とウェルビーイング:しあわせの宗教社会学』2019、北海道大学出版会(編著).
『カルトからの回復:心のレジリアンス』2015、北海道大学出版会(編著).
『大学のカルト対策』2012、北海道大学出版会(編著).
上田 絵理(ウエダ エリ)
北海道大学ハラスメント相談室 専門相談員。弁護士(道央法律事務所)。
木村 純一(キムラ ジュンイチ)
北海道大学ハラスメント相談室 専門相談員。公認心理師。
佐藤 直弘(サトウ ナオヒロ)
北海道大学ハラスメント相談室 専門相談員。公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士。
柿﨑 真実子(カキザキ マミコ)
北海道大学ハラスメント相談室 専門相談員。公認心理師・臨床心理士。
(本書刊行時の情報です)