イクラ価格高騰 仕入れ値1.5倍であの名物料理が… 秋サケ不漁で年末年始ピンチ 北海道
2024年11月22日 17:39 掲載
年末年始に欠かせないイクラが高騰しています。記録的な不漁のため、函館では地元で水揚げしたサケからイクラが作れない、異例の事態となっています。
かけ声とともに、器からこぼれんばかりにたっぷり盛られるイクラ。札幌にある飲食店「はちきょう」の名物、「元祖つっこ飯」です。
坂詰怜記者:「プチプチの食感がたまらないです。ただ、このイクラ、今年は大変なことになっています」。
1日に10kgもの道産イクラを使っているこちらのお店。仕入れ値が、去年よりもおよそ1.5倍に跳ね上がっていて、来月からは「元祖つっこ飯」を値上げせざるを得ないといいます。
海味はちきょう・森川喬総店長:「本音で言えば、売値も1.5倍、2倍ぐらいにしたいんですが、頑張って少しでも値上げの幅は少なくしたいと思っております」。
札幌市中央卸売市場によりますと、先月の道産イクラの取り引き価格は、1kg当たり7000円を超え、去年の同じ時期より1000円以上値上がりしています。
イクラ高騰の理由は秋サケの不漁。今月10日時点の道内の漁獲量は、去年の8割にとどまっています。
日高のえりも町にある水産加工会社では、年末年始の贈答品として人気のサケの山漬け作りが始まりましたが…。
マルデンえりも工場製造部・笠嶋浩志係長:「いつもであれば、大体2000本ぐらいは漬ける。今年は魚がなかったもので、1000本ぐらいしか漬けない予定ですね」。
例年、サケを積み上げて塩漬けにする作業は12月末まで行われていますが、サケがないため、今年の作業は11月22日で終了となりました。
サケ不漁の影響は函館でも。
前田愛奈記者:「はこだて自由市場です。お正月に欠かせないイクラや筋子も並んでいます。ただ今年は、ほとんどが道東から取り寄せた物だということです」。
中村鮮魚店・中村嘉男さん:「(道南産は)ほぼ、ほぼ入荷ゼロですね。(仕入れ値は)大体30%から40%上がっている」。
道南の秋サケの漁獲量は、去年のわずか20%と深刻です。
買い物客:「イクラも数の子も高いし、お刺身類もいい値段するし(お正月の食材は)削減になっちゃうだろうね」。
イクラを作る函館市内の水産加工会社も、原料となる筋子を道東の羅臼町から仕入れています。
丸み佐藤商店・佐藤睦代表:「今年は、またやっぱり海水温が高くて、12月入っちゃったら、もう今までの在庫がなくなっちゃって、新物を提供することになるので、去年よりはいくらか高くなりますね」。