ビジョン
2030 VISION すべての人に、「生活の可能性が拡がる喜び」を提供する
Hondaは、2030年に向けて「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供するー世界中の一人ひとりの『移動』と『暮らし』の進化をリードするー」というビジョンを掲げています。
ビジョンの達成に向けた取り組みの方向性として定めたのが以下の3つです。
- 【 喜びの創造 】 「移動」と「暮らし」の価値創造
- 【 喜びの拡大 】 多様な社会・個人への対応
- 【 喜びを次世代へ 】 クリーンで安全・安心な社会へ
「移動」と「暮らし」の価値創造
「自由で楽しい移動の喜びの提供」と「生活が変わる・豊かになる喜びの提供」をめざして、「モビリティ」「ロボティクス」「エネルギー」の3つの分野に注力していきます。
モビリティ


クルマ・バイクなど既存のモビリティにおいては、これまでHondaが培ってきた「モビリティを意のままにあやつる喜び」は変わることなく追求しながら、IoT化(コネクテッド)と知能化によって「つかう喜び」「つながる喜び」という今までにないワクワクするような体験の提供を目指します。
さらに、空の移動を身近にする電動垂直離着陸機「Honda eVTOL」や、自動運転タクシーサービス「クルーズ・オリジン」など、移動の可能性を拡張する新たなモビリティの研究開発も進めています。
ロボティクス


2足歩行の人間型ロボットASIMOの研究開発で培った技術をベースに、新しい技術を加えて次のステップへ進みます。これからはASIMOのような多様な能力を持つ1体のロボットにこだわらず、個別の機能を持った様々なロボットによって、世の中にいち早く価値を提供することを目指します。
具体的には「時間価値の最大化」と「身体機能の拡張」をスコープに、時と場所を超えて人の分身として動く「アバターロボット」などの開発が進められています。
エネルギー


Hondaは、2010年代からEVを家庭用蓄電池として活用する「V2H」などによってエネルギー領域に取り組んできました。さらに今後は、EVを事業所や工場につなげる「V2B」、電力インフラにつなげる「V2G」などエネルギーマネジメントの取り組みを強化していきます。
他にも、二輪車や建設機械向けの交換式バッテリーのシェアリングサービスや、水素電池による宇宙での循環型再生エネルギーシステムなど、EVの研究開発で培ったカーボンニュートラル技術のエネルギー領域への展開を進めています。
多様な社会・個人への対応


先進国や開発途上国に関わらず、多様な社会に向けて人々の喜びをさらに拡げていくことを目指します。Hondaは創業当初より「世界に市場を求め、需要のある所で生産する」という考えのもと、現地のニーズに合わせて事業を展開してきました。その方針は変わらないため、従業員がグローバルなフィールドで働く機会は今後も増え続けていきます。
長時間の歩行に自信がない年配の方や下肢に障がいのある方の移動を支えるパーソナルモビリティ「UNI-ONE」のような、多様な文化・価値観を持つすべての人に向けた商品・サービスの研究開発も進めています。
多様なお客様に対して最適なサービスを提供するためには、社内におけるダイバーシティの推進も重要な目標です。Hondaの基本理念である「人間尊重」に基づいて、従業員が属性に関わらず等しく機会を有し、異なる個性・持ち味を尊重し合い、個を存分に発揮することで企業としての総合力を高めることを目指しています。
クリーンで安全・安心な社会へ
2050年に向けて、Hondaの製品と企業活動による「環境負荷ゼロ」と「交通事故ゼロ」を目指しています。
環境負荷ゼロに向けて


四輪車においては、2030年までに「グローバルで年間200万台を超える生産体制の構築」、2040年までに「EV・FCV販売比率をグローバルで100%」を目標にEVシフトを進めています。
またクルマだけでなく、バイク、芝刈り機などのパワープロダクツ、マリン、航空など、あらゆる領域で電動化に挑戦します。
環境負荷の低減を目指す上では、資源の効率利用も重要な課題です。Hondaは2050年に「環境負荷のない持続可能な資源(サステナブルマテリアル)使用率100%」を目指し、先進リサイクル技術の研究や循環型のバリューチェーンへの転換なども進めています。

交通事故ゼロに向けて
Hondaは、2050年に全世界で「Hondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」を目指しています。その実現に向けては、交通弱者も含めたすべての人の安全を確保することが重要です。
かねてよりHondaが培ってきたコネクテッド技術をさらに進化させ、すべての交通参加者である人とモビリティを通信でつなげることで、事故が起きる手前でリスクを予兆し、回避をサポートする「安全・安心ネットワーク技術」の開発を推進しています。

安全安心ネットワークを支えるHondaの独自技術は、事故の主要因であるヒューマンエラーの発生要因を本質的に解明する「人を理解する技術」、人の行動予測を行い、交通環境全体で起こりうるリスクの予兆を捉え、安全行動の誘導を判断をする「予知予測技術」、これから起こりうるリスクの理解を促す新しいコミュニケーション手法である「共話型HMI」となります。

一人ひとりに合わせた安心による自律を尊重しながら、すべての交通参加者で力を合わせて安全な社会にしていくことで、もっと行動したくなる、温かみのある未来を実現していきます。