「このマンション、買った時より高く売れるかな」と考えている方はいませんか?
マンション購入を考える上で街選びは非常に重要。購入時の価格は同じでも、エリアによって物件の“資産価値”が大きく変わる可能性があるのです。 そこで今回は「5年後、10年後に資産価値が下がりにくい街の条件」について解説していきます。 資産価値を決めるポイントとはいったい何なのでしょうか。
マンションで資産価値が重要視される理由
マンションを選ぶ際には価格はもちろんのこと、通勤・通学などの利便性や家族構成に合わせた間取りを重視する方は多いのではないでしょうか。 しかし将来的に結婚・転勤・子どもの独立など、ライフステージに大きな変化があった場合は、住まいもそれに応じて住み替えていく必要が出てきます。
一戸建ての場合は「車庫を壊して子どもの勉強部屋に」「子どもが独立したら改装して趣味の部屋に」など、増改築で柔軟に対応することが可能です。 ではマンションではどうでしょうか。 マンションはリフォームもできますが、一戸建てに比べると自由度が低く、ライフステージの変化に対応しづらいのが現状です。 そのため、マンションを所有している場合は“売却して住み替え”という選択肢が現実的と言えます。
つまりマンションを購入する際は、将来売却する可能性があることを前提に物件選びをする必要があるのです。 買った物件が5年後10年後、いくらで売れるのかイメージしておきましょう。 人生設計において借金が残ってしまうか手元に現金が残るのか、どちらがよいかは明らか。 これが資産価値を気にしなければならない理由なのです。
例: 5,000万円で購入したマンションを10年後に売却する場合
売却価格が2,500万円の場合
住宅ローン残債との差額1,500万円を用意できないと、抵当権が抹消できず所有権を移転できない。
売却価格が4,500万円の場合
住宅ローン残債を全て返済しても手元に500万円の現金が残り、次に購入する物件の頭金にすることが可能。 その他、子どもの教育ローンの原資にしたり、車の購入資金にしたり、レジャーの費用にしたりなど、選択肢は豊富。
資産価値を決める5つの条件とは?
不動産の資産価値はズバリ“利用価値があるかどうか”で決まります。 利用価値の高いエリアであれば、土地の価格が上がり結果的に物件の価格も上がります。 それにはどのような条件が必要なのか、具体的に見てみましょう。
1.交通利便性
駅までの距離が短く、ターミナル駅へのアクセスがよいほど利便性が高まり大きなメリットとなる。 通勤・通学、買い物や旅行など、あらゆる目的に対応できるため、住宅の価値を決める要素として最も重要視されるポイント
2.生活利便性
大きなスーパーがあって買い物に困らない、学校が近く子育て環境が充実している、飲食店が多く便利など。 日常生活をスムーズに送れる施設が揃っているとエリアの価値も高くなる
3.居住快適性
建物に快適に過ごせる設備が揃っているか、安心かつ便利に過ごせるかどうか。同じエリアであれば建物への快適性・信頼性が高い物件が選ばれやすい
4.安全性
地盤が柔らかく災害時に不安がある、低地のため水害が心配、といった物件は資産価値的にはマイナスとなる可能性がある
5. 地域と物件の独自性
眺望が優れている、マンション内に温泉が湧いている、部屋から花火が見えるなど。 そこに住んでいるからこそ受けられるメリットがあると、物件そのもののアピール力も高まる
現在、不動産の価値は「高い収益を上げられるかどうか(収益還元価格)」という観点で判断する方法が主流になりつつあります。 マンションであれば賃貸に出した時の収益が基準となるため、上記の 5つの条件が揃ったエリアにある物件は賃料が高く設定できるので、必然的に“資産価値が高い”と評価されることになります。 これからマンション購入を考えている場合は、これらの条件がどのくらい当てはまっているかを見極めて判断するとよいでしょう。
買った時よりも高く売れるのはどんな物件?
物件を売りに出す際、購入時の価格より高く売れれば嬉しいものです。 しかし、実を言うと買った時よりも高く売れるケースというのは、経済拡大が発生しない限り基本的にはありません。 原則としてマンションは築年が進むにつれて減価償却されます。 つまり住んだ年数分だけ価値≒価格が落ちていくということ。 そのため買った時よりもなかなか高くなることはないというのが基本的な考え方です。
しかし例外もあります。 物件が建っているエリアの価値が上がった場合です。 例えば、ランドマークになるような商業施設が近くにできたり、電車が延伸して最寄り駅までの距離が短縮されたりすると、交通利便性および生活利便性が改善され、土地の利用価値が高まることによって結果的に地価が上がります。 その結果として物件の価格も引き上げられ、本来の価値以上の価格で売れることもあるのです。
つまり買った時よりも高く売れるマンションとは、将来性を含めたエリア選びがすべてと言っても過言ではありません。 自分が今買おうと思っている家の価値は、これから目減りしやすいのかしにくいのか、経済環境によっては上がる可能性すらあるエリアなのか。 そういうことを見極めて不動産を買うのが資産価値を意識した買い方なのです。
「マンションの資産価値を知りたい」そんな時には
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資産価値が下がりにくい街 具体的にイメージしてみよう
街ごとの標準的な家の価格(中央値)を1ポイント10万円として算出しています。 ポイントが高く出ているエリアは「物件が高くても買ってくれる人がいる」つまりそれだけ資産価値が高い街であるという見方ができます。 こうしたエリアは不動産価格が下がりにくいというのが近年の顕著な動きです。 ランキングに出てくるエリアを見てみると“資産価値が下がりにくい街”の具体的なイメージがつかめるのではないでしょうか。
- 1
港区(東京都)
617.08pt
- 2
千代田区(東京都)
608.02pt
- 3
渋谷区(東京都)
550.28pt
- 4
中央区(東京都)
476.24pt
- 5
目黒区(東京都)
467.73pt
- 6
川崎市中原区(神奈川県)
426.36pt
- 7
品川区(東京都)
420.02pt
- 8
文京区(東京都)
404.31pt
- 9
新宿区(東京都)
402.76pt
- 10
世田谷区(東京都)
399.84pt
都心から離れていても価格が高いエリアは?
価格指数のポイントをマップ表示にすると下のようになります。 今住んでいるエリア、これから住みたいと思っているエリアをここで確認してみましょう。
都心部・城南城西エリアの物件価格はいずれも高い水準であることがわかります。 都心部は上で述べた「資産価値を決める5つの条件」がすべて揃っているエリアです。 日常生活から子育て、通勤、レジャーなどどのような目的にも対応できる便利な環境がエリアの価値を高めているようです。
また城南城西エリアは昔からの住宅地として認知されていて、子育ての環境も整っているため人気が高く、価格が高く出やすいエリアとなっています。 その傾向は神奈川県方面にも見て取れ、東京から西側で言うと、藤沢市くらいまではポイントが高めに出ています。 都心からの距離はややあるものの、交通利便性・生活利便性が高いエリアが多いため、不動産としての価値が高く評価されていることがわかります。
マンションは住まいであり資産である
資産価値を重視した物件選びを行うためには、エリアの将来性を見極めることがとても大切です。 そのためには、エリアに関連するニュースをチェックしたり、実際に現地を訪れて街の雰囲気を確かめたりと、日ごろから積極的な情報収集をしておくとよいでしょう。 客観的な判断材料としていざという時に役立ちます。
また、将来的に「買った時よりも高く売る」ことができれば、収支がプラスとなるだけでなく、その後の人生設計においても選択肢が豊富になります。 マンションは住まいでもあり資産でもあるのです。この特集で紹介した「資産価値を決める5つの条件」を参考に、5年後・10年後に後悔しない物件選びを実現させましょう。
更新日: / 公開日:2017.09.11
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