猫飼育可の賃貸物件が見つけにくい理由

 

賃貸物件でペットを飼育するためには、前提として「ペット可」または「ペット相談可」の物件を借りる必要があります。しかし、「犬はOKでも猫はダメ」という物件は意外と多く、せっかく理想の物件が見つかっても契約を諦めなければならないケースもあります。

 

ここではまず、猫の飼育を断られやすい理由について見ておきましょう。

近隣トラブルが起こりやすい

猫は鳴き声や猫アレルギーなどが原因で、近隣トラブルを引き起こしてしまうことがあります。犬と比べると、猫は比較的しつけが難しいことが多いのです。

ニオイを気にされることも

猫自体には本来それほど強い体臭はありませんが、排せつ物のニオイは強い傾向にあります。犬と排せつの仕方が違うため、室内にニオイがしみついてしまったり、廊下などの共用部で排せつしてしまわないか、気にする大家さんもいるのです。

爪とぎの問題

もう一つの懸念点として挙げられるのが「ひっかき傷」の問題です。猫は毎日のように爪とぎを行う習性があり、適切な対応をしていなければ柱や壁紙を傷つけてしまう恐れがあります。

 

その結果、退去時に修繕費用などでトラブルが起こってしまうケースもあるため、はじめから猫を不可としている大家さんも多いのです。

ペット不可の物件で猫をこっそり飼うのは契約違反

 

「うちの子はおとなしいので、周りに迷惑をかけなければ許可がなくても飼育できるのでは？」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし、許可なくペットを飼育するのは重大な契約違反となるため、万が一発覚したときには「ペットを手放す」ことを勧告されてしまいます。

 

まれに敷金を追加で支払うなどの条件で飼育を許可してもらえるケースはありますが、ほかの入居者への影響も大きいため、基本的には認められないと考えておくべきです。

 

最悪の場合は住まいを退去しなければならない事態に発展することもあるため、必ず事前に許可をとりましょう。また、ペットの飼育を内緒で続けるのは難しいものです。

 

たとえば、鳴き声などで近隣からクレームが入ってしまったり、室内の点検などがきっかけで飼育が発覚してしまうケースもあります。また、猫が病気にかかったときには、病院で診てもらうために頻繁に外へ連れ出さなければなりません。

 

こっそりと飼育を続けるのではなく、はじめからきちんと許可をとっておくようにしましょう。

ペット可（相談）物件 ペット用施設のある新築マンションを探す

賃貸物件で飼えるペットの範囲

 

先ほども解説したように、ペット可の賃貸物件といっても、飼育できる種類は物件ごとに異なります。どの範囲までなら飼えるかは、物件のオーナー次第なので、事前に飼育条件等の詳細が記載された管理規約を確かめておくことが大切です。

 

たとえば、ペット可物件のなかには入居者を確保するために条件を緩めているところもあり、そうした物件ではハムスターなどの小動物や小型犬などを想定しているのが一般的です。また、猫の飼育がOKであっても、頭数が決められていることもあるため、必ずルールをチェックしておきましょう。

猫可の賃貸物件を見つけるポイント

 

猫を飼育できる賃貸物件を探すときには、いくつか意識しておきたいポイントがあります。ここでは、猫を飼える賃貸物件の種類と、部屋探しを行うときのコツを見ていきましょう。

猫が飼える賃貸物件の種類と特徴

一つ目はこれまでにもご紹介した「ペット可」あるいは「ペット相談可」の物件です。ペット可の物件では、敷金を上乗せする形で猫の飼育が認められることもあります。

 

もう一つは、はじめからペットの飼育が想定された「ペット共生型物件」です。こちらは猫の飼育に適した住環境が整えられているのがメリットであり、室内にキャットウォークやキャットタワー、爪とぎ用のスペースが用意されているところもあります。

ペット可物件・ペット共生型物件のメリット・デメリット

ペット可物件のメリットは、なんといっても許可を得て堂々と猫を飼育できる点にあります。一方、通常の物件よりも初期費用や退去費用が高くなることが多く、家賃も周辺の相場と比べて高い場合もあります。

 

また、入居者のなかにはペットを飼育していない人もいるため、近隣トラブルには十分に注意しなければなりません。共用部分の使い方などを事前に確かめ、マナーを守って飼育することが大切です。

 

一方、ペット共生型物件では、ペットを飼っている人がほとんどなので、周囲の理解を得られやすいのがメリットといえます。猫にとっても快適な環境を整えやすく、多頭飼いを認めてくれる物件も多いので、賃貸で猫を飼う選択肢のひとつにしてみましょう。

 

ただ、ペット共生型物件は数が少なく、希少性や建築コストの面から家賃が通常よりも高くなります。収入を考えながら判断しましょう。

猫飼育可の物件を探すコツ

これまで見てきたように、猫可の賃貸物件はそれほど多いわけではありません。そのため、なかなか物件が見つからない場合は、立地や設備などの条件を緩める必要があります。

 

たとえば、駅から多少の距離がある物件では、空室を避けるために猫の飼育をOKとしているケースもあります。部屋探しを行うときには、「猫を飼育できる」という点を最優先にして、その他の条件は適切に優先順位を設けておくことが大切です。

 

また、物件そのものだけでなく、「周辺環境」にも目を向けておきましょう。病気にかかってしまったときに備えて近隣の動物病院までの距離を調べたり、出張や帰省に備えてペットホテルまでのアクセスをチェックしたりしておけると安心です。

ペット可（相談）物件

猫と一緒にのびのび暮らせる物件を探そう

 

猫と一緒に暮らす物件選びでは、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。ここでは、具体的に意識しておきたいポイントをご紹介します。

ワンルームよりは1Kが安全

猫は好奇心が強く、人が出入りするタイミングで玄関から飛び出してしまう心配があります。そのため、室内が一つになっているワンルームよりも、キッチンと居住スペースの間にドアが設けられた1Kタイプのほうが安心して飼育しやすいといえます。

 

また、1Kなら猫のスペースとキッチンを分けられるため、火元や刃物などでケガを負ってしまうリスクも減ります。

なるべく低い階を選ぶ

猫と一緒に生活するのであれば、転落のリスクを考えて、できるだけ低い階を選ぶのもポイントです。また、落下防止用の柵を設置したり、ベランダの柵ができるだけ狭い物件を選んだりすることも大切です。

出窓つきの物件もおすすめ

日当たりが良く、外の様子を眺められる出窓は、猫のお気に入りスペースになりやすい場所です。好奇心の強い猫にとって、室内は変化が少なく退屈を感じやすいので、ゆったり外を眺められる出窓がついていると猫にとって快適なスペースとなりやすいです。

ペット可物件特集から探そう

猫と一緒に暮らせる物件選びでは、「ペット可」の部屋を探すことが第一歩となります。LIFULL HOME’Sでは、「ペット可（相談）物件」だけを集めて特集を組んでいます。

 

特集ページから部屋探しを行えば、エリアや希望条件を入力するだけで適した物件を簡単に見つけられるのでぜひご活用ください。

ペット可（相談）物件 ペットと暮らす住宅カタログを探す

まとめ

 

• 賃貸物件で猫を飼うためには「ペット可」あるいは「ペット相談可」物件を選ぶ必要がある
• 無許可で飼育をすると契約違反になり、ペットを手放すか退去を命じられてしまうこともある
• 猫はさまざまな理由から犬よりも飼育許可をとりにくいとされている
• ペット可となっていても、飼育できる種類や頭数には物件ごとの決まりが設けられているので注意が必要
• 猫可の賃貸物件を選ぶポイントや快適な環境を用意するコツを押さえておこう

ペット可（相談）の物件