一人暮らしを始めるためには、初期費用としてまとまった金額を用意しておく必要があります。合計すると数十万円単位の大きな出費になるので、あらかじめ金額の目安を把握したうえで準備に取り掛かりましょう。
今回は、一人暮らしのスタートに必要な初期費用としてどのような項目があるのか、家具・家電の購入にはいくらかかるのかなど詳しく見ていきましょう。
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一人暮らしの初期費用はまとめていくらかかる?
結論からいうと、一人暮らしの初期費用は「家賃4~6ヶ月分+25万~35万円程度」が目安です。一人暮らしをスタートするための費用には、次のようなものがあります。
一人暮らしのスタートに必要な費用の内訳
- 賃貸物件を借りるための初期費用:家賃4~6ヶ月分
- 引越し費用:5万円程度
- 家具家電の購入費用:20万~30万円が一般的
賃貸物件を借りるための初期費用の目安は家賃4~6ヶ月分
賃貸物件を借りる際には、初期費用として「家賃4~6ヶ月分」程度の費用がかかります。主な内訳は以下のとおりです。
費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
敷金 | 家賃0~2ヶ月分 |
礼金 | 家賃0~2ヶ月分 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 |
日割り家賃 | 家賃の日割り計算金額 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分+消費税 |
火災保険料 | 1万5,000~2万円 |
鍵の交換代 | 1万~2万円 |
多くの項目は家賃を基に計算されるので、基本的には家賃が高い物件の方が初期費用も高くなると考えられます。
引越し費用
引越し費用は、一人暮らしの場合で4万~8万円が相場とされています。ただし、引越すシーズンによって相場が大きく変動し、特に繁忙期にあたる3~4月は料金も高騰するので注意が必要です。
この時期に引越すなら「休日や祝日は避けて平日を狙う」「荷物を減らして家族や友人の助けを借りて済ませる」など、費用を節約する方法を考えてみるといいでしょう。
また、荷物量によっても価格は変動するので「引越し前に不用品を処分する」「大きな家具・家電は新居で用意する」といった工夫で安く抑えることもできます。
家具家電の購入費用
一人暮らしをする際には、家具や家電も用意しておく必要があります。すべてをそろえようとすると、少なくとも20万~30万円程度の費用がかかるので、あらかじめ購入計画を立てておくことが大切です。
一人暮らしのスタートに必要な家具家電リスト
一人暮らしに必要な家具家電について、ここでは具体的な項目を価格の目安と併せて見ていきましょう。
なお、すべてを購入しなければならないわけではなく、人によっては不要なものもあります。自分に必要なものは何かをあらかじめ考えて、購入計画を立てましょう。
最低限必要な家具家電リスト
入居時に最低限そろえておきたい家具家電リストは次のとおりです。
価格の目安は2022年9月時点、大手家電量販店で一人暮らしに最低限必要なグレードのものを中心にセレクトした結果なので、こだわりたい場合はもう少し費用を多めに見積もっておく必要があります。
なお、エアコンや照明器具はもともと物件に設置されているケースも多いので、エアコンは物件探しのタイミングで、照明器具は内見のタイミングで確認しておくといいでしょう。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
寝具一式 | 1万~1万5,000円 |
カーテン(遮光カーテン・レースセット) | 5,000円 |
照明(部屋についていない場合) | 3,000~4,000円 |
冷蔵庫(一人暮らし用100L以下) | 2万5,000~3万円 |
洗濯機(5kg) | 3万~3万5,000円 |
エアコン(6畳用)(部屋についていない場合) | 4万~4万5,000円 |
炊飯器(3合炊き) | 1万円 |
電子レンジ | 1万円 |
掃除機 | 5,000~1万円 |
+αでそろえたい家具家電
続いて、+αでそろえたい家具家電を紹介します。スタート時にすべてをそろえるというよりも、生活していくなかで必要に応じたものを買い足していくのがおすすめです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
ベッド(収納付き) | 2万5,000~3万円 |
ローテーブル | 3,000~5,000円 |
ソファ | 1万~1万5,000円 |
収納家具(チェスト) | 1万円 |
テレビ台 | 5,000円 |
ラグ・カーペット | 3,000円 |
テレビ | 2万~3万円 |
ドライヤー | 2,000円 |
ベッドやソファなどのサイズの大きな家具は、部屋の広さによっては置けない場合や圧迫感を生んでしまうので、入居後に判断するのもひとつの方法です。
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家具家電をお得にそろえるコツ
家具家電の購入費用は、工夫次第で安く抑えられます。ここでは、お得にそろえるコツを3つに分けて見ていきましょう。
優先順位の高い家具家電からそろえる
新生活のスタート時には何かとお金がかかってしまうものです。そのため、いきなりすべてをそろえようとするよりも、優先度の高いものから購入していくのがおすすめです。
また、特にこだわりがないものに関しては、価格重視でグレードの低いものにも目を向けてみるといいでしょう。
セット販売を上手に利用する
大手メーカーや通販サイトでは、一人暮らし向けの家電をセット販売していることがあります。一式をそろえるなら、セット販売でまとめて購入した方がお得なことも多いです。
具体的な家電セットの例を紹介するので、組み合わせや価格を参考にしてみてください。
セット販売の例(2022年9月時点)
A社
- 家電3点セット(冷蔵庫106L、洗濯機6kg、電子レンジ):6万5,790円(税込)
B社
- 家電6点セット(冷蔵庫86L、電子レンジ、掃除機、炊飯器、電気ケトル、トースター):5万1,000円(税込)
C社
- 家電10点セット(冷蔵庫85L、洗濯機4.5kg、電子レンジ、掃除機、炊飯器、電気ケトル、トースター、ドライヤー、テレビ24V型、照明器具): 9万800円(税込)
中古品を活用する
特にこだわりがないものについては、中古品を活用するのもひとつの方法です。リサイクルショップやフリマアプリなどで探す方法のほかに、友人や知人、実家から譲ってもらう手段もあります。
まずは中古品で新生活を送ってみて、物足りないポイントが明確になってから改めて新品を探すようにすると、必要な機能を見極めやすくなります。
初期費用を安く抑える方法
賃貸物件を借りるための初期費用は、部屋探しを工夫することで安く抑えられます。ここでは、初期費用を節約するためのポイントを見ていきましょう。
敷金・礼金がかからない物件を選ぶ
賃貸物件のなかには、敷金や礼金がかからない部屋もあります。敷金については、代わりに清掃費などの費用が発生することもあるものの、礼金は特に発生しないことによるデメリットがありません。
そのため、まず礼金なしの物件に絞って部屋探しを進めてみるのも有効です。
敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
フリーレント物件を選ぶ
フリーレントとは、入居後の一定期間にわたって家賃が無料になる契約のことです。
無料になる期間は物件によって異なりますが、1~2ヶ月となっているケースが多く、長ければ3ヶ月から半年近くになることもあります。
フリーレントを行っている物件数はそれほど多くありませんが、条件に合う部屋を見つけることができれば、入居後の費用を大幅に削減できます。
フリーレント物件
仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ
賃貸物件を借りるときには、さまざまな契約のサポートをしてくれる不動産会社に対して、仲介手数料を払う必要があります。仲介手数料は法律で上限が決まっているものの、下限については特に取り決めがありません。
そのため、「仲介手数料半額」などのサービスを行っている不動産会社を選ぶことで、費用を節約できます。
同じ物件を複数の不動産会社が取扱っていることも多いので、気になる人はあらかじめ仲介手数料を調べてみるといいでしょう。
初期費用をシミュレーション! 総額50万円以内に収めることは可能?
ここまで、一人暮らしを始めるのに必要な費用の仕組みや内訳、金額の目安を見てきました。では、初期費用を抑えるとしたら、どのくらいまで節約できるのでしょうか。
できるだけ現実的なラインで条件を設定し、賃貸物件を借りるための費用と引越し代、家具家電の購入費の総額を、50万円以内に収められるかどうかシミュレーションしてみましょう。
賃貸物件の初期費用のモデルケース
「家賃6万5,000円」の物件を借りるケースを想定して初期費用を計算してみましょう。
なお、今回は初期費用をできる限り抑えるパターンとして、その他の条件を以下のように設定します。
条件
- 家賃6万5,000円
- 敷金・礼金はゼロ
- 月末に入居
- 仲介手数料は家賃の0.5ヶ月分
- 月の最終日に入居(日割り家賃を抑えるため)
すると、金額の合計は以下のように18万2,917円となりました。
敷金 | 0円 |
---|---|
礼金 | 0円 |
前家賃 | 6万5,000円 |
日割り家賃(1日分) | 2,167円 |
仲介手数料 | 3万5,750円 |
火災保険料 | 2万円 |
鍵の交換代 | 2万円 |
清掃費 | 4万円 |
合計 | 18万2,917円 |
結果はあくまで一例にすぎませんが、物件探しを工夫すれば初期費用を20万円以内に抑えることも可能です。
引越し費用のモデルケース
引越し費用については、「LIFULL引越し」のシミュレーターを使って計算してみましょう。
シミュレーターでは引越しタイプと引越し時期、移動距離をそれぞれ設定できますが、今回は「単身の引越し」を「2月」に「同都道府県外」まで行うケースで試算しました。
すると、平均料金相場は5万2,354円(2022年9月時点)となりました。なお、同じ条件で3月に設定すると、費用相場が8万844円まで上がるので、実際にはシーズンごとの違いを踏まえて計算することが大切です。
家具家電購入費用のモデルケース
家具家電の購入費用については、先ほど紹介した必要なものリストを参考に、「+αでそろえたいもの」も購入する場合を基に合計額を計算してみましょう。
金額に開きがある項目については、それぞれ高い方を参照して計算すると、総額は「26万4,000円」となりました。
工夫次第で総額50万円以内に抑えることは十分に可能
3つの費用を合計すると、結果は以下のようになります。
初期費用の合計金額
18万2,917円(物件の初期費用)+5万2,354円(引越し代)+26万4,000円(家具家電代)=49万9,271円
上記の条件であれば、合計費用をギリギリ50万円以内に収めることは可能といえます。
なお、今回のシミュレーションでは、すべて新品の家具家電をそろえる想定で計算しています。「中古品を使う」「一人暮らしセットを活用する」などの方法で、もう少し費用を安く抑えることも可能です。
根本的には、家賃を下げることで、さらに総額を抑えることもできます。予算に合わせて検討してみましょう。
家賃・賃料7万円以下の物件
まとめ
- 一人暮らしの初期費用には賃貸物件を借りるための費用、引越し料金、家具家電購入費用の3つがある
- 費用の目安は「家賃4~6ヶ月分+25万~35万円」程度
- 必要な家具家電リストを金額の目安と合わせて確認しておこう
- 節約するなら家具家電は新品にこだわらず、中古品も活用するのがコツ
- 家賃や初期費用を抑えられる物件を選べば、総額を50万円以下に抑えることは可能
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更新日: / 公開日:2020.09.14