お気に入りのバスルームでリラックスするひとときは、一日の疲れをとる大切な時間です。せっかく新築住宅を建てるなら、お風呂にこだわりたいと考える人もいるのではないでしょうか。
今回はお風呂の種類やそれぞれの特徴を紹介したうえで、失敗事例を基にバスルーム設計・プラン決めのコツを解説します。
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お風呂の種類とそれぞれの特徴
新築のお風呂についてプランを考える際には、まずどのタイプを選ぶのかを決めることが重要なステップとなります。
ここでは、大きく3つに分けて、お風呂の具体的な種類と特徴を見ていきましょう。
ユニットバス(システムバス)の特徴
ユニットバスとは、お風呂全体をひとつのパッケージとして考え、一定の規格に沿って組み立てていくバスルームのことです。
床や壁、浴槽といったパーツは工場でつくり、現場まで運んで組み立てる工法が採用されているため、工期が短く、コストを抑えやすいのが大きなメリットといえます。
また、規格がきちんと決まっていることから、価格の割に品質や性能が安定しており、高いコストパフォーマンスを発揮できるのも特徴です。
規格化されているとはいえ、色や細かな造作などはいくつかのオプションから選べるので、すべてが画一化されているわけではありません。
さらに、ショールームなどで実物を見て、質感やサイズ感を試しながら気に入ったタイプを選べる点も安心です。そのため、現在の新築一戸建て住宅では、多くの人がユニットバスを採用しています。
ハーフユニットバスの特徴
ハーフユニットバスとは、浴槽や床、浴槽の高さまでの壁がセットになったタイプの浴室です。ユニットバスの下半分をそのまま利用し、それよりも高い部分は自由に設計できることから、ハーフユニットバスと呼ばれています。
大きなメリットは、通常のユニットバスでは実現できないような組み合わせを選べる点にあります。下半分は通常のユニットバスで、浴槽より高い壁はタイルや木材を使うというように、一般的なお風呂とは大きく見た目が異なるプランも実現できるのです。
また、床部分と浴槽はユニットバスと同じ性質を持っているため、防水性や断熱性などの機能性はきちんと確保され、メンテナンスもしやすいのが魅力です。
造作風呂の特徴
造作(ぞうさく)風呂とは、すべてのパーツを自由に組み合わせられるオーダーメード型の浴室です。
ユニットバスやハーフユニットバスでは実現できないヒノキ風呂や大きな窓を確保した展望風呂など、好みに合わせて自由な空間づくりができるのがメリットです。
そのため、既存の製品では実現できないプランを希望する場合には、造作風呂が基本的な選択肢となります。ただし、造作風呂は建築コストが高額になる場合が多く、メンテナンスにも手間や費用がかかりやすいのがデメリットです。
プランの打ち合わせにも時間がかかってしまうため、明確なこだわりと予算のゆとりがある場合でなければ、ユニットバスやハーフユニットバスで理想に近づけられないか検討してみるといいでしょう。
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新築のお風呂で失敗・後悔しやすいポイント
お風呂のプランを考えるうえでは、あらかじめ失敗しやすいポイントを知っておくのが近道です。ここでは、5つの項目に分けて、失敗例や後悔しやすいポイントを見ていきましょう。
お風呂の広さに関するポイント
快適なバスルームには、一定以上の広さが必要です。しかし、リビングや居室などとのバランスを考えると、制限なく面積を確保できるケースは少ないでしょう。
また、必要以上に広くしすぎると「掃除やメンテナンスが大変になってしまった」と感じる場合もあります。
もちろん、狭すぎれば「子どもと入るときに不便を感じてしまう」「十分に足を伸ばせない」といった問題も生じてしまうので、適切な広さを慎重に考えることが大切です。
浴槽の向きに関するポイント
意外に見落としてしまいやすいのが、浴槽の向きに関するポイントです。洗い場に対して浴槽が左手にあるのか、右手にあるのかによって、使い勝手には大きな違いが生まれます。
基本的には、利き手側に浴槽がある方が使いやすいと考えられていますが、入浴スタイルによっても異なります。実際に使っている様子をイメージしながら、家族全員が納得できる設置場所を検討しましょう。
バスルームの位置に関するポイント
間取り全体から考えて、バスルームをどこに配置するかも重要なポイントです。失敗例としては、以下のようなものが挙げられます。
失敗例
- 外の通りから脱衣所の人影やお風呂が見えてしまう
- 換気窓を開けると隣の敷地から浴室内が見えてしまう
- 玄関から脱衣所が見えてしまう
- お風呂と洗濯機置き場から物干し場が遠くて不便だった
バスルームの配置は配管との兼ね合いもあり、必ずしも自由に決められるわけではないため、不動産会社の設計士などの専門家に相談しながら決めていくといいでしょう。
設備に関するポイント
設備については、以下のような失敗例が挙げられます。
失敗例
- 浴室に設置したテレビや音楽設備だが、近隣への騒音トラブルを避けるために使えなかった
- ミストサウナをつけたがほとんど使わなかった
- 窓をつけたが、なくてもよかったと感じている
- 折れ戸が掃除しにくい
設備については、こだわって取り入れたはずのオプションを使わず、コストの無駄になってしまったというケースが少なくありません。
掃除のしやすさに関するポイント
お風呂の失敗は、掃除などのメンテナンスへの考慮を忘れていたことによる問題も多いといえます。
ユニットバスやハーフユニットバスは、比較的メンテナンスもしやすいタイプが多いですが、壁の色合いや鏡の有無によっても汚れの目立ちやすさには違いが生まれます。
また、ジェットバスを取り付けたところ、配管のメンテナンス負担が重くなってしまったというケースもあります。長く使うことを考えれば、なるべく掃除がしやすく、管理の手間がかからないものを選ぶことも大切です。
納得のいくバスルームづくりで意識したいコツ
これまでに紹介した失敗例を踏まえて、ここではバスルームづくりで具体的に意識すべきポイントについて見ていきましょう。
お風呂の配置と窓
一般的な間取り配置としては、日当たりのよい南側をLDKや居室にあて、涼しい北側に水回りを持ってくることが多いものです。
お風呂を北側に配置する場合には、日当たりが悪い点を意識して、湿気がこもらないようにきちんと換気ルートの確保を行うことが大切です。
窓は通風と採光を確保するために重要な役割を持つため、なるべく導入したい設備のひとつです。ただし、隣家との距離感によっては視線が気になってしまう場合もあるので、設置場所は慎重に考慮しましょう。
通気性さえ確保できれば、北側はバスルームの設置に適した方角といえますが、一点注意しておきたいことがあります。それは、物干し場との位置関係です。
北側にバスルームを配置する場合は、洗濯機置き場も近くに設置するケースが多いのに対して、物干し場は日当たりのよい南側に配置するのが一般的です。
そのため、なるべく物干し場までの動線を意識して、通りやすくなるように工夫しましょう。
浴室の広さ
浴室の広さについては、あらかじめ適切な目安を把握しておくのがコツです。具体的な広さのイメージとしては、以下を参考にしてみてください。
広さ | 広さのイメージ、特徴 |
---|---|
0.75坪 | 浴槽・洗い場ともにコンパクトサイズ |
1坪 | ファミリーに適した一般的なサイズ。製品のバリエーションが豊富 |
1.25坪 | 1坪タイプより洗い場が広がったタイプ。製品のバリエーションが豊富 |
1.5坪 | 浴槽・洗い場ともにゆとりのあるサイズ |
広さに特にこだわりがなければ、まずは1坪タイプの製品を実際に見に行き、具体的なイメージをつかみます。
そのうえで、全体的にもう少し広いスペースが必要なら1.5坪タイプ、洗い場のみ広くしたいのであれば1.25坪タイプを検討するといいでしょう。
バスタブ、壁、天井、床の色合い
ユニットバスやハーフユニットバスでも、色合いについてはオプションで自由に選べるケースが多いです。
ストーン調などを取り入れたグレーや、シックでモダンなダーク系のカラーが好まれやすいですが、黒は洗剤汚れや水アカなどが目立ちやすいため、少し柔らかなブラウン系統を選ぶのもひとつの方法です。
照明
照明はお風呂の印象を大きく左右するポイントです。
照明の色合いはもちろん、ダウンライトや調光機能付きのものなど、照明自体のバリエーションも豊富なので、どのようなタイプが選べるのか細かくチェックしておきましょう。
掃除のしやすさ
掃除のしやすさを考えるのであれば、あまりスペースを広くとりすぎず、なるべくシンプルなつくりを意識することも大切です。また「水はけのよい素材を選ぶ」「開き戸や引き戸を選ぶ」などもコツのひとつです。
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お風呂づくりのヒントに! プラスアルファの機能とアイデア
バスルームの基本的なポイントを押さえたうえで、最後にプラスアルファの機能やアイデアを紹介します。
ベーシックなお風呂にはない機能
予算にゆとりがあれば、お風呂をよりぜいたくにリラックスできる空間へと進化させる機能を追加してみるのもいいでしょう。
- ミスト機能
- アロマ機能
- 打たせ湯
- バスライト機能
- ジェットバス機能
メンテナンスの注意点さえ押さえておけば、通常のお風呂とは一味違った体験ができます。
キレイなお風呂を保つ機能
これまで解説したように、メンテナンスのしやすさはお風呂の使い勝手を左右する重要なポイントです。そこで、「キレイなお風呂を保つ機能」に目を向けてみることも大切です。
- 皮脂や汚れがつきにくい浴槽
- 磨きやすい形の浴槽
- 浴槽を自動洗浄してくれるシステム
- 乾きやすく、ヌルつきが残らない床
- 特殊コーティングなどの処理がしてある排水口
- 髪の毛などのゴミが集まりやすい、捨てやすい排水口
非日常的な空間としてのお風呂
バスルームにこだわれば、日常から離れた時間を味わえる唯一無二の空間づくりも可能です。造作風呂で自由な空間づくりを目指すのであれば、以下のようなアイデアをヒントにしてみるといいでしょう。
- 大理石を利用し、高級ホテルのようなデザインにする
- 和の建材を使い、旅館のような雰囲気をつくる
- 「中庭」を囲むようにしてお風呂をつくる
- 天井のない吹き抜けのお風呂、あるいは天井が高いお風呂にする
まとめ
- 予算と機能性を両立させるならユニットバス、少し自由度がほしい場合はハーフユニットバスがおすすめ
- 明確なこだわりがあり、予算にゆとりがあるなら、造作風呂で自由な空間づくりを目指す
- 失敗例を押さえておくと、プランを決める際に参考にしやすい
- 浴室の配置や窓の有無は方角に合わせて考えよう
- メンテナンスのしやすさにも目を向けてプランを固めよう
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更新日: / 公開日:2019.06.19