中古マンションを購入する際は、事前にシミュレーションを行い、資金計画に無理がないかを確認しておきましょう。

今回は、月々15万円の返済額で住宅ローンを組んだときの想定で、試算結果を紹介します。予算内で購入できる中古マンションの特徴についても紹介するので、参考にしてみてください。

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住宅ローンの返済として月々15万円を充てる場合、どのくらいの金額を借りられるのかをLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使い、試算してみます。

 

借入可能額と総支払額を以下の条件でシミュレーションしてみましょう。

毎月返済額:15万円

返済期間:15年、25年、35年の3パターン

金利条件:全期間固定金利1.5%

その他の条件:頭金なし、ボーナス払いなし

結果は、以下のようになりました。

返済期間

借入可能額

総支払額

15年

2,416万円

2,699万4,872円

25年

3,751万円

4,500万4,835円

35年

4,899万円

6,299万9,898円

返済期間が長くなるほど、借入可能額は大きくなります。しかし、利息も増え、総支払額が大きくなってしまうので、その点には注意が必要です。

 

先ほどシミュレーションした金額は、すべて頭金なしでの試算となります。そこで、頭金を用意した際のメリットも把握しておきましょう。

 

頭金は自己資金の一部ではありますが、用意することで総支払額が抑えられたり、住宅ローンをより低金利で利用できたりというメリットがあります。

 

住宅金融支援機構の2022年度「フラット35利用者調査」によると、中古マンション購入者の頭金の平均額は528.9万円。これは平均購入金額(3,156.9万円)の16.8%に当たります。

 

そして、借入金を返済する期間ですが、国土交通省の2022年「住宅市場動向調査報告書」によると、35年以上かける人が52.2%ともっとも多く、続いて20~35年未満が32.8%となりました。

 

では、実際に用意する頭金の額の違いによって返済額がどのように変わるのかシミュレーションしてみましょう。

 

先ほど出した返済期間35年の借入可能額を基に、毎月返済額と総支払額を以下の条件で試算します。

物件価格:4,899万円

返済期間:35年

頭金:頭金なし、1割、2割の3パターン

金利条件:全期間固定金利1.5%

その他の条件:ボーナス併用払いなし

すると、結果は次のようになりました。

頭金

月々返済額

総支払額

なし

15万円

6,299万9,898円

1割

13万4,997円

5,669万8,622円

2割

11万9,994円

5,039万7,346円

頭金を用意すれば、その分、毎月の返済負担が軽くなり、総支払額も小さくなります。

 

そのため、家計への負担も軽くなります。無理なく返済を進めようと考えているのなら、頭金を用意して住宅ローンを組むことを検討してみてください。

 

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年収

 

月々15万円の返済を問題なく続けていくには、どの程度の年収が必要かも理解しておきましょう。ここでは、基本的な計算方法も含めて、必要な年収の目安を紹介します。

 

毎月の返済額を設定するときには「返済負担率」という指標を用いるのが一般的です。返済負担率とは、「年収に対する年間返済額の割合」を指しています。

 

多くの金融機関では35~40%以内を住宅ローンの審査基準としていますが、実際に無理のない目安は25%以内とされています。

 

たとえば、2022年度「フラット35利用者調査」でも、中古マンション購入者の平均返済負担率は19.7%です。返済負担率を25%と考えた場合、年収の目安は「15万円×12ヶ月÷25%=720万円」と計算できます。

 

参考までに、同調査によると、中古マンション購入者の平均世帯年収は621.5万円でした。年収720万円の場合は、平均よりも大きく上回るため、資金計画をきちんと立てれば中古マンションの購入は十分可能です。

 

目安の年収が分かったところで、実際にいくらの金額の物件を購入できるのかを考えてみましょう。

 

一概には言えませんが、一般的に物件価格の目安は年収の5~6倍程度といわれています。そのため、年収720万円であれば物件価格の目安は3,600万~4,320万円程度といえます。

 

しかし、この金額はあくまでも購入予算の目安をシンプルに計算するもので、細かい事情については考慮されていません。

 

また、物件購入時の諸費用も含まれていないので、予算プランとしての精度は高くないことに注意しましょう。

 

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注意点

 

住宅ローンの返済プランを立てるときに注意しておきたい3つのポイントを紹介します。

 

返済プランを練るときに大きなリスクになるのが、賃貸物件の家賃と住宅ローン返済額を同様に考えることです。

 

賃貸とは違い、中古マンションを購入した後は修繕積立金や税金などが別途かかるのを忘れないでください。

 

実際、中古マンションを購入した後の税金や管理費などのコストの内訳は以下のとおりです。

費用の項目

内容

計算方法・金額の目安

固定資産税

毎年1月1日、その不動産の所有者が支払う税金

固定資産税評価額×1.4%(標準税率)

都市計画税

都市計画事業などを行う市街化区域内に土地や家屋を持っている人に課される税金

固定資産税評価額×0.3%

管理費

共用部分の清掃や設備の管理に必要なお金

毎月1万~2万円程度

修繕積立金

大規模修繕のために積み立てられる費用

毎月1万~2万円程度

駐車場代など

自家用車やバイクなどの駐車場代金

マンションごとで異なる

具体的な金額は物件によって異なりますが、維持費としては毎月3万~7万円程度の金額を見込んでおく必要があります。

 

さらに、将来的なリフォーム・リノベーションを計画しているのであれば、これらの費用にプラスして積み立てを行う必要もあります。そのため、住宅ローンの返済額にはある程度余裕を持たせておくことが大事です。

 

もし、中古マンション購入後にかかる固定資産税や都市計画税について、具体的な金額が知りたいのであれば、不動産会社へ問合せをしてみると、過去の所有者の支払いを基に具体的な金額を確認できます。

 

住宅ローンを組むときは、返済期間が長期にわたるので、毎月の返済を行いながら、きちんと貯蓄が行えるかも検討しておく必要があります。将来必要となるリフォーム費用や教育費、老後資金などは別立てで考えておきましょう。

 

中古マンションの購入時には、物件価格の6~9%にあたる諸費用が発生する点にも注意が必要です。上記シミュレーションで出した年収倍率の3,600万円を例に計算してみると、216万~324万円程度の諸費用がかかります。

 

中古マンション購入時の諸費用の内訳としては、以下のものが挙げられます。

物件の購入時にかかる費用

費用の項目

内容

計算方法・金額の目安

仲介手数料

不動産会社に支払う成功報酬

物件価格×3%+6万円+消費税が上限

印紙税

売買契約書、工事請負契約書に貼る印紙代

1万~3万円

不動産取得税

不動産取得時に発生する税金

0円~固定資産税評価額の3%

登録免許税

登記に必要な税金

固定資産税評価額の0.1~2%

司法書士への依頼料

登記代行の依頼料

10万円前後

固定資産税

清算金

売主(不動産会社を含む)へ支払う固定資産税の負担金

固定資産税の日割り金額

 

住宅ローン利用時にかかる費用

費用の項目

内容

計算方法・金額の目安

印紙税

金銭消費貸借契約書に貼る印紙代

2万~4万円

登録免許税

抵当権設定登記に必要な税金

借入額の0.1~0.4%

司法書士への依頼料

登記代行の依頼料

4万~8万円

ローン手数料

金融機関に支払う手数料

3万~5万円

ローン保証料

保証会社に支払う保証料

借入額の0.5~2%

物件調査料

物件が融資基準を満たしているかを調査する際の依頼料

4万~6万円

 

住宅ローンの返済計画を立てるときには、購入後の家計と返済のバランスを考えることが重要です。

 

LIFULL HOME’Sの「おうち予算シミュレーション」というツールでは、年齢や家族構成、収入などの条件を入力するだけで、次のような項目を簡単にシミュレーションすることができます。

・無理のない購入予算

・無理のない毎月の返済額

・生活費のモデルケース

・毎月貯蓄できる金額の目安

生活費については、食費や日用品費など細かな項目ごとに試算できるのに加え、それぞれの金額をスライドバーで任意に調整することも可能です。

 

自身の家計状況に応じて、支出のモデルケースを作成できるので、ぜひご活用ください。

中古マンション

 

最後に、月々15万円の返済で購入できる中古マンションの傾向を見てみましょう。

 

なお、今回は先ほどのシミュレーション結果から「返済期間35年/全期間固定金利1.5%」の場合の借入可能額である4,899万円を参考に、「予算4,500万円」で購入できる中古マンションをLIFULL HOME’Sで探してみます。(2023年9月時点)

 

東京23区は地価が高く、マンションの価格相場は特に高い傾向が見られます。

 

公益財団法人東日本不動産流通機構のレポート(※)によれば、2022年度における東京23区内の中古マンション平均成約価格は5,776万円となっています。

 

しかし、エリアや間取りの選択を工夫すると、予算4,500万円でも自分好みの物件を見つけられる可能性はあります。

 

今回調べた物件の傾向は以下のとおりです。

・都心部では1K~1LDKの物件が多い

・エリアによっては3LDKのファミリー向け物件も多く見つかる

・築浅(5年以内)は単身世帯向けの物件が中心

・駅から徒歩10分圏内の立地も多い

・評価書付の物件もある

築年数については20年を超えている物件の割合も高いですが、評価書付きで状態の良好な物件も比較的多く見つけられます。

 

評価書とは専門家による建物検査の結果などが示された書類であり、建物や設備の状態が一定の基準をクリアしていることを表しています。

 

中古マンションの購入時には、1つの安心材料として役立てることができるでしょう。

 

地方都市は23区と比べて地価が安いことから、予算4,500万円で選べる中古マンションのバリエーションも豊富になります。今回は一例として、福岡県の福岡市と北九州市で購入できる物件の特徴を見てみましょう。

・ほとんどの物件が2LDK以上

・築5年以内の築浅物件が多い

・徒歩10分圏内の立地が多い

・共用設備の充実したタワーマンションもある

地方都市の場合、そもそも価格が4,000万円を超える中古マンションの数が限られてくるため、場合によっては新築も視野に入れてみるのがおすすめです。中古マンションの場合でも、築1~3年の物件が多く、状態としても新築に引けを取らないものばかりです。

 

また、共用設備が充実したタワーマンションやペット相談可の物件など、好条件の物件が多いのも特徴といえるでしょう。

 

※ 公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022)」

 

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毎月15万円の返済プランだと借入可能額はいくらになる?

 

借入可能額はさまざまな条件によっても異なるものですが、返済期間35年、全期間固定金利1.5%に設定すると、借入可能額の目安は4,899万円となります。実際には頭金やボーナス払いの有無などによっても結果が変わってくるので、自身の状況に応じてシミュレーションしてみましょう。

月々15万円の返済に必要な年収は?

 

返済負担率25%(無理なく返済できる目安)に設定した場合、月々15万円を捻出するには年収720万円が目安となります。家計とのバランスも十分に考慮し、返済しながら貯蓄ができるかも確かめながら無理のない借入額を決めましょう。

月々15万円の住宅ローン返済で購入できる中古マンションは?

 

東京都心部では単身世帯向けの物件が中心となりますが、それ以外の23区エリアでは、ファミリー世帯向けの物件も十分に探せる範囲といえます。また、地方都市であれば築浅の3LDKや設備が充実したタワーマンションなど、好条件の物件を比較的簡単に見つけられるラインです。

 

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