物件数の多さやリフォームのしやすさから人気が上昇している中古マンションですが、その価格は、新築マンションと同様に値上がり傾向にあります。手取り40万円で中古マンションの購入を考えている場合、どのような物件が購入可能なのでしょうか。

今回の記事では、手取り40万円で購入できる中古マンションの物件例や住宅ローンの借入額、返済計画の立て方などを解説します。

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手取り40万円の月収・年収はどのくらい?

 

手取り額とは、給料の総支給額から税金や厚生年金、健康保険などの各種保険料が控除されたものです。引かれている割合としては、総支給額の15~25%といわれています。

 

手取り40万円で25%引かれている場合、総支給額は約53万円(40万円÷75×100)、年収にすると約636万円となります。

 

厚生労働省の国民生活基礎調査(2022年)を見ると、2021年の一世帯あたりの平均年収は545.7万円、中央値は423万円となっており、年収600万~700万円の世帯数は全体の7.3%でした。年収636万円は、中央値より210万円程度高い金額となります。

 

続いて、貯蓄額も見ていきましょう。

 

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](2022年)」によれば、年収300万円未満が保有している預貯金の平均は501万円、年収300万~500万円では608万円、年収500万~750万円では698万円となっていました。

 

マンション購入の際にはローンを組むことがほとんどですが、実際には現金もある程度必要になってきます。ローンの頭金や諸費用など、現金で支払う出費がどのくらいあるのか事前にしっかり確認しておきましょう。

 

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手取り40万円で住宅ローンを組むときに知っておきたいポイント

 

住宅ローンを組む際には、無理のない返済プランを立てるために、下記の3つのポイントに注意しましょう。

 

住宅ローンをいくらまで借りられるのか、気になる人は多いでしょう。多く借りれば借りるほど利子負担は増え、総返済額は大きくなります。そのため、借入額は毎月の月収から無理なく返せる額で考えることが重要です。

 

その際、役立つのが「返済負担率」という指標です。返済負担率とは、「年収に対する年間返済額の割合」で、住宅ローンの審査項目の一つです。

 

多くの金融機関は返済負担率の上限を30~40%に設定していますが、一般的に無理のない割合は年収の4分の1(25%)以内とされています。

 

実際、住宅金融支援機構が行った「2021年度フラット35利用者調査」では、中古マンション購入者の返済負担率の平均は19.4%と20%を切っていました。

 

手取り40万円で年収636万円の場合、返済負担率を25%とすると、年間返済額は159万円、月々返済額は約13.2万円が目安です。返済負担率を20%にすると、年間約127万円で月々約10.5万円が目安となります。

 

年収と家計の支出などのバランスを考えて、毎月の返済額はなるべく抑えた方が、暮らしに余裕が生まれるでしょう。

 

住宅ローンの審査項目には、ローン完済時の年齢も含まれています。金融機関にもよりますが、完済時年齢の上限を75~80歳と設定しているところが多いです。

 

しかし、収入減が見込まれる定年退職後にもローンを返済していくのはそれなりにリスクがあります。できれば定年前のなるべく早い段階で完済できるプランにするのがおすすめです。

 

国土交通省の「住宅市場動向調査報告書(2022年度)」によれば、中古マンション購入者の平均返済期間は28.5年です。

 

返済期間を⾧く設定すると、その分総返済額が多くなってしまいます。賞与のタイミングで繰り上げ返済をするなど、少しでも早めの返済を心がけましょう。

 

住宅ローンの金利タイプは、主に3つあります。

金利タイプ

【変動金利型】
経済状況に応じて半年ごとに金利が見直される。スタート時の金利は固定型よりも低い
【固定金利期間選択型】
3年、5年、10年、20年など一定期間は固定金利で、期間終了後は変動金利に変更される(固定金利を選べる場合もあり)
【全期間固定金利型】
返済期間中の金利が一定。ただし、金利は変動型より高め

「フラット35」のような全期間固定金利型は、返済計画を立てやすいため、金利の変動をあまり気にしたくない人には適しているといえるでしょう。

 

一方、変動金利型や固定金利期間選択型は、少しでも低い金利を選びたい人や返済期間が短い人、金利が上昇しても対応できる人などに向いています。

 

金利が0.1%違うだけでも総返済額は大きく左右されるので、金利の選択は慎重に行うことが大切です。

 

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手取り40万円の借入額と総支払額をシミュレーション

 

それでは、LIFULL HOME’Sのローンシミュレーターを使って、手取り40万円の借入限度額や総返済額を見てみましょう。

 

一般的に、住宅ローンの審査は年収(総支給額)で行われますが、今回のシミュレーションではより無理のない返済額を算出するために、年収の条件を手取り額で設定しています。

条件

  • 年収:480万円(手取り40万円×12でボーナスなしを想定)
  • 毎月返済額:8万円(返済負担率20%)
  • 年齢:30歳
  • 頭金:頭金なし
  • 返済期間:35年
  • 金利条件:全期間固定金利1.5%

まずは、借入限度額と購入可能額の目安をシミュレーションしてみましょう。

借入限度額

購入可能額

2,613万円

2,378万円

購入可能額の目安は、住宅購入時の諸費用として物件価格から9%を引いた金額です。

 

購入時には税金や手数料などの諸費用を現金で支払う必要があり、中古マンションの諸費用の相場は物件価格の6~9%となります。

 

シミュレーション結果はあくまで一例ですが、手取り40万円の場合、借入限度額の目安は2,613万円物件価格の目安は2,380万円程度と考えられます。

 

次に、同じ条件で物件価格を借入限度額の2,613万円と仮定した場合、頭金の金額別で月々の返済額や総返済額がどう変わるのかをシミュレーションしました。

頭金

月々の返済額

総支払額

頭金なし

8万円

3,360万円

頭金1割(261万円)

7.2万円

3,025万円

頭金2割(523万円)

6.4万円

2,688万円

※総支払額は1,000円未満四捨五入

 

頭金が多いほど総返済額が減り、それによって月々の返済額も減らすことができます。ただ前述したように、購入時には諸費用として物件価格の6~9%程度の現金が必要となるため、貯金をすべて頭金に充てないようにしましょう。

 

また、マンションの購入後には、管理費や修繕積立金、固定資産税などの支払いも生じます。これらの費用を踏まえたうえで、借入額もなるべく限度額いっぱいにならないように、ローンの計画を立てることが大切です。

 

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手取り40万円の住宅購入予算と家計とのバランスもシミュレーション

 

LIFULL HOME’Sの「おうち予算シミュレーション」は、年齢や年収、家族構成といった条件を入力すると、購入物件価格や住宅ローンの住宅ローンの返済額、生活費の目安などを簡単に試算することができます。

 

ここでは下記の条件を基にシミュレーションしてみました。なお、おうち予算シミュレーションは年収設定が50万円刻みのため、年収に近い金額にしています。

条件

  • 年齢:30歳
  • 配偶者の有無:あり
  • 子どもの有無:あり・1人
  • 世帯収入:500万円(ボーナスなしを想定)
  • 現在の借入金:なし
  • 頭金:なし
  • 住宅ローンの割合:25%

【診断結果】

住宅購入の目安予算

2,400万~3,000万円

住宅ローン

8万円

生活費

19万円

住宅関連費

5万円

貯蓄

-0.5万円

「おうち予算シミュレーション」の結果はあくまで目安ですが、条件に応じた住宅ローンや生活費など、毎月の家計のバランスが診断できるので、ローンを組む際にはぜひ活用してみてください。

 

また、住宅ローンを利用して住宅を購入した際には、住宅ローン控除という制度を利用できます。

 

住宅ローン控除とは、一定期間にわたって毎年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税などから控除される制度のことです。制度の詳細は国税庁のホームページなどで確認できます。

 

最後に手取り40万円でどのような中古マンションが買えるか、LIFULL HOME’Sのサイトで2,380万円前後の物件を見てみましょう。

 

手取り40万_01

エリア:東京都大田区

販売価格:2,380万円

築年数: 43年

間取り・階数:2DK・3階

面積:約44平米

採光面:北

駅からの距離:徒歩3分

こちらは東京都大田区にある築43年の2DKの中古マンションです。44平米と少し狭い印象の物件ですが、リフォーム済みで、最寄駅から徒歩3分という好立地にあります。

 

東京都内で予算2,380万円前後の物件を検索すると、23区内では上記のように少し狭い2DKや1DK、1LDKが多く見つかりました。

 

また築30年以内の物件が少ないのが特徴です。一方23区外になると、より広い間取りで、かつ築年数が浅い物件も見つけることができました。

 

気に入った物件が築40年を超えている場合は、建物の建築年や耐震基準も必ずチェックしましょう。

 

フラット35では、建築確認日が1981年5月31日以前の場合は、フラット35が定める耐震評価基準に適合することが利用の条件となります。また、住宅ローン控除にお10いても、新耐震基準適合住宅であることが要件に含まれています。

 

手取り40万_02

エリア:千葉県松戸市

販売価格:2,380万円

築年数: 24年

間取り・階数:3LDK・13階

面積:約67平米

採光面:西

駅からの距離:徒歩9分

こちらは千葉県松戸市にある築24年の3LDKの中古マンションです。面積・築年数ともに、東京都の同価格の物件と比較しても好条件な物件といえます。各居室にはクローゼットやマルチ収納などがあるので、荷物が多くても安心でしょう。

 

以上の2つの物件に見られるように、エリアを広げると、同じ価格帯でも広さや築年数などの選択肢が増えることが分かります。

 

中古マンションを探す際には、エリアの視野を広げながら、物件の特徴や立地ごとの相場にも注意したうえで、自分の条件に合う物件を探してみましょう。

 

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手取り40万円の月収・年収は?

 

手取り40万円の月収は約53万円、年収は約636万円前後と考えられます。詳しくは、「手取り40万円の月収・年収はどのくらい?」をご覧ください。

手取り40万円で住宅ローンを組むときのポイントは?

 

主なポイントは返済負担率、完済時の年齢、金利タイプの3点です。詳しくは、「手取り40万円で住宅ローンを組むときに知っておきたいポイント」をご覧ください。

手取り40万円の借入額と総返済額はどのくらい?

 

頭金なし、返済期間35年、返済負担率を手取り額の20%、全期間固定金利1.5%に設定した場合、借入限度額は2,613万円、総返済額は3,360万円とシミュレーションできます。詳しくは、「手取り40万円の借入額と総返済額をシミュレーション」をご覧ください。

手取り40万円の住宅購入予算と家計とのバランスは?

 

「おうち予算シミュレーション」でシミュレーションすると、住宅購入の目安予算は2,400万~3,000万円でした。詳しくは「手取り40万円の住宅購入予算と家計とのバランスもシミュレーション」をご覧ください。

手取り40万円で買える中古マンションの特徴は?

 

物件価格を2,380万円前後とした場合、東京23区内では1DKや1LDK、狭めの2DKの物件が多いですが、エリアを広げるともう少し余裕のある広さで築年数の浅い物件も見つかります。詳しくは、「手取り40万円で買える中古マンションの特徴を見てみよう」をご覧ください。

 

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