「予算内で理想にかなう新築マンションが見つからない」という場合には、リノベーションを前提にして、中古マンションに目を向けてみるのもひとつの方法です。

今回は、中古マンションのリノベーションで後悔してしまいやすいポイントと、主な注意点について見ていきましょう。

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リノベーションを前提とした中古マンションの購入で後悔しがちな4つのケース

 

購入後にリノベーションを行うといっても、何でも自由に変えられるわけではありません

 

規約や基本構造、周辺環境のように自分では変えられない部分も数多くあるため、物件選びの時点で慎重に判断することが大切です。

 

まずは、物件選びの段階で後悔してしまいやすいポイントについて紹介します。

 

集合住宅であるマンションでは、両隣や上下階の生活音が気になってしまうというケースも少なくありません。特に築年数が経過した物件を購入する場合は、内見のタイミングでしっかりと確認しておくことが大切です。

 

物件の防音性については、リノベーションを行うことでも、ある程度まで向上させることが可能です。

 

しかし、床や壁の内部といった基本構造によっても防音性が左右されるため、気になる場合は物件選びの段階で意識しておく必要があります。

 

一戸建てと違って、マンションのリノベーションはあくまでも自室の専有部分のみが対象となるため、建物全体の耐震性を高めることはできません。そのため、建物の耐震性は物件選びの時点で意識しておく必要があります。

 

マンションの耐震基準は、1981年の6月1日を境に大きく変化しています。それまで用いられていた「旧耐震基準」は、現行の「新耐震基準」と比べて震度の想定が低めに設定されているため、物件によっては耐震性に不安があるものもあります。

 

そのため、基本的にははじめから新耐震基準の物件を選ぶのが無難といえるでしょう。そのうえで、旧耐震基準の物件を購入するのであれば、耐震補強などが適切に行われているかをチェックしましょう。

 

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リノベーションを前提とした物件選びでは、「改修できる範囲に限界がある」という点を理解しておく必要があります。

 

たとえば、共用部分の設備や配管などは自分で修繕することはできません。そのため、「後で直せばいい」と安易に考えてしまうと、購入後に後悔する原因となります。

 

これらの部分は、マンション全体で行う「大規模修繕工事」によって改修されるのが基本であるため、購入前には施工履歴を確かめておくことが大切です。

 

マンションでのリノベーションは、管理規約に沿って行うことが前提となります。

 

物件によっては「内装に使ってはいけない素材がある」「設備の移動は認められない」など、リノベーションに関する禁止事項が定められていることもあるので注意しましょう。

 

また、ほとんどの場合、リノベーションが認められるのは専有部分のみです。ベランダや窓、玄関ドアは共用部分にあたるため、リノベーションができないことを前提に考えておくといいでしょう。

リノベーションでよくある金銭面での後悔

 

続いて、中古マンションのリノベーションで後悔してしまいやすい金銭面での注意点を見ていきましょう。

 

リノベーションを前提に中古マンションを探すのであれば、「マンションの購入費用」と「リノベーション費用」の2つの費用を準備する必要があります。

 

この場合、マンションの購入費用は住宅ローンで、リノベーション費用はリフォームローンで用意しようと考える人もいるでしょう。

 

しかし、リフォームローンは上限額が50万~500万円程度と少額であり、大掛かりなリノベーションを行うのには向いていません。また、金利も平均3~4%と住宅ローンよりも高く設定されている点に注意が必要です。

 

現在では、リフォーム一体型の住宅ローンを取扱っている金融機関もあるので、あらかじめそうした商品を探す方がいいでしょう。

 

中古マンションの購入後には、管理費や修繕積立金が発生します。修繕積立金は共用部分に関する費用であるため、たとえ自室のリノベーションを行ったとしても支払わなければなりません。

 

特に築年数が経過している物件の場合、修繕積立金が高くなる傾向にあるので、あらかじめ調べておきましょう。

 

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購入する物件の築年数によっては、中古であっても価格が高額になってしまう場合があります。

 

リノベーション費用が膨らむと、新築マンションを購入するよりもトータルコストが高くなってしまうこともあるので注意が必要です。

 

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リノベーション向きの中古マンションを選ぶときのポイント

 

リノベーションを前提とした中古マンション選びでは、特に「変えられない部分」に目を向けてチェックすることが重要です。

 

ここでは、主なポイントを4つに分けて見ていきましょう。

 

近隣トラブルについては、仲介してくれる不動産会社に確認するとともに、内見時に自分でもチェックすることが大切です。

 

たとえば、エントランスなどに騒音トラブルの貼り紙がしてあったり、共用部分の使われ方に問題があったりする場合は、一部の入居者のマナーが悪い可能性があると判断できます。

 

また、ゴミ収集所にルールを無視した廃棄物が捨てられているといった状況から、建物全体の状況を判断することもできます。

 

前述のように、マンションの耐震基準は、1981年の6月1日を境に大きく変化しているため、築40年以上経過した物件の購入時には耐震性に注意してチェックすることが大切です。

 

物件によっては、専門家による耐震診断が行われているケースもあるので、その内容も確認しておくと安心です。

 

思い通りのリノベーションを実現するためには、管理規約や構造も事前に確認しておく必要があります。

 

基本的な禁止事項をチェックするとともに、電気配線や配管、設備などを動かせるかも調べておきましょう。

 

箇所によってはプロでなければ確認することが難しいため、リノベーション計画を含めて相談できる不動産会社などに物件探しから手伝ってもらうのもひとつの方法です。

 

マンションは管理状態や修繕の具合によって、寿命が大きく変わります。

 

マンションの修繕計画は、不動産会社を通して購入前に入手できるので、あらかじめ大規模修繕の履歴や実施計画、修繕積立金の積み立て状況などを調べておくといいでしょう。

リノベーションで後悔しないための注意点

 

最後に、中古マンションのリノベーションで後悔しないための注意点を見ていきましょう。

 

施工会社はそれぞれ得意分野が異なるため、同じ施工内容であっても費用には違いが生まれることがあります。そのため、はじめから依頼先をひとつに絞り込むのではなく、複数の会社から相見積もりをとりましょう。

 

そのうえで、見積もりを依頼する際には、比較のしやすさを考慮して条件や施工内容を統一して依頼するのがポイントです。

 

物件選びを行う際には、リノベーション済みの中古マンションを視野に入れてみるのもおすすめです。希望に合う物件が見つかれば、そのまま購入を進めた方が手間は省略できます。

 

また、実際にリノベーション済み物件を内見することで、自身のリノベーションプランに生かせるヒントが見つかることもあるでしょう。

 

理想的な住まいを手に入れるためには、物件選びとリノベーションという2つのテーマについて知識を深めておく必要があります。

 

ただ、1人で情報収集を行おうとすると、どうしても時間や手間がかかってしまうのが難点です。専門家が開催しているセミナーに参加をすれば、気になる知識がまとめて手に入るため、効率的に学びを深めることができます。

 

オンライン形式で気軽に参加できるものもあるため、自身に合ったセミナーを探してみるのもいいでしょう。

 

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リノベーションを前提にしたマンション選びの失敗例は?

 

リノベーションを前提にした中古マンション選びでは、「近隣トラブル」や「耐震基準」など、後から変更できない部分に関する失敗例が挙げられます。また、管理規約の問題から、思い通りのリノベーションが実現できなかったというケースもあります。

中古マンションのリノベーションで気をつけるべきお金の問題は?

 

住宅の購入費用とリノベーション費用を用意する必要がありますが、通常の住宅ローンでは、リノベーション費用までカバーされていない点に注意が必要です。そのため、最初からリフォーム費用をセットで借りられる住宅ローンに絞って探すのもひとつの方法です。

 

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