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トラの目立つ縞模様のわけ/ホームメイト
トラの外見上の特徴といえば、「美しきハンター」の名のごとく「黄色」と「黒色」の縞模様です。この色の組み合わせ、私たちの暮らしの中でも、よく見かけませんか? そう、工事現場や注意看板など、危険を告知するために使われています。動物界では、「保護色」と言われるように、できるだけ周囲の環境に似せた体色を持つ動物が多いのですが、トラはなぜ、目立つ体色をしているのでしょうか?
トラの特徴
トラの目立つ体色は、トラの狩りのやり方に関係があります。では、トラはどのような特徴を持ち、どんな狩りをするのでしょう。
- トラとは
- トラとは、「哺乳網・食肉目・ネコ科」の動物で、ライオンとならぶネコ科最大の動物で、寒帯から熱帯にかけての広い範囲にすんでいます。現存するのはアムールトラ・スマトラトラ・アモイトラ・インドシナトラ・マレートラ・ベンガルトラの6亜種です。この6亜種も森林の消失や美しい毛皮を狙った密猟などにより、全て絶滅危惧種になっています。
- トラの大きさ
- 6亜種のうち、シベリア東部から中国東北部の森林を生息地とする「アムールトラ」が最も大型で、逆に最も小型なのは、インドネシアのスマトラ島の「スマトラトラ」です。
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- アムールトラ:体長2.5m~3m、体重180~250kg
- スマトラトラ:体長2.2~2.7m、体重100~150kg
- トラの生活
- トラは森林や丈の高い草の生えた場所に生息し、テリトリーをつくり、単独で暮らします。その広さは獲物の密度により、10~1,000と幅があります。肉食性で、捕らえることができるものは何でも食べますが、シカやイノシシなどの大型有蹄類が多いようです。動物園では、馬肉と鶏頭を与えています。
- トラの狩りの仕方
- トラの狩りは、茂みに隠れて獲物にしのびより、急に飛び出し、前脚の鋭いかぎ爪の一撃で仕留めます。しかし、成功率は低く、20回に1回とも言われています。
トラの目立つ縞模様のわけ
トラの狩りにとって最も重要なポイントは、「茂みに隠れつつ獲物に迫る」ということです。一方で、トラの獲物となるシカなどの草食獣が持つ目には、実は色覚(色を識別する感覚)がありません。つまり、"色"ではなく、茂みに入ると草木に紛れてカモフラージュとなる"縦縞"であることがポイントだったわけです。トラにとってはこれが「保護色」なのです。
「トラ」に会いに行こう
名古屋市東山動物園には、2011年11月20日まで、国内最高齢だったアムールトラのルビリンがいました。ルビリンは2回の出産を経験し、絶滅危惧種のトラの繁殖に大いに貢献しています。現在、日本の動物園にいるアムールトラの約4分の1は、ルビリンの子どもか孫にあたります。
- ミオ(須坂市動物園)
- ベンガルトラ(メス)。秋吉台サファリランド生まれ。少しだけ神経質で、園内にいるマイペースなガオ(ベンガルトラ・オス)とは大の仲良し。助け合いながら暮らしています。
- シズカ(多摩動物公園)
- アムールトラ(メス)。多摩生まれのトラたちは、みな「その年に活躍スポーツ選手の名前」が付けられており、シズカは、2006年冬季オリンピックの金メダリスト「荒川静香さん」から命名。その娘の「アイ」は宮里藍さん、「マオ」は…。もうわかりますね、そう浅田真央さんからです。
- タツオ(札幌市円山動物園)
- アムールトラ(オス)。ルビリンの子どもです。非常にきれいな顔をしており、メスの「アイ」との仲睦まじい様子も見どころです。
- カリ(名古屋市東山動物園)
- スマトラトラ(メス)。2006年、カナダのトロント動物園生まれ。東山動物園では、アムールトラの繁殖に貢献したルビリンの経験を生かし、スマトラトラでの繁殖成功も目指しているそうです。楽しみですね。