歴史と伝統を体感!関東のお祭り8選
関東地方に伝わるお祭りには、地域ごとに様々な特徴があり、伝統ある祭りが開催されています。お祭りが好きな方も、お祭りに参加したことがない方も、今年は色々なお祭りに出かけてみては?古くから行なわれてきた伝統ある祭りには、地元の人のみならず近隣や遠方から訪れる人もいるのです。
今回は、関東の中でも一度は行ってみたい祭りの開催時期や、見るポイントなどをご紹介。関東のお祭りを探している方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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盛大なパレードで盛り上がろう「ザ よこはまパレード」(神奈川県)
ザ よこはまパレードは、1953年(昭和28年)に「横浜に人が集まる一大名物となる行事を計画したい」という思いがきっかけとなって始まりました。
国際仮装行列が行なわれるお祭りで、国際港の特色を活かして在留外国人も参加できるため、全国のどこにもないような行事として発案されています。パレードが開催されて以来、60年以上も続く横浜の祭りとして定着。毎年5月初旬に開催されています。
パレードの行列は、山下公園前からスタートし、万国橋交差点までの全1.4kmとなる「キッズパレード」と、同じく山下公園前からスタートし、伊勢佐々木町6丁目まで進む、全長3.4kmの「スーパーパレード」のふたつ。
パレードには地元学生による華麗なダンスや、開港当時の風情を感じさせるものなど、様々な国の伝統舞踊なども披露されています。横浜市のみならず他の地域からの参加グループもいるのが特徴です。
500年前の歴史を感じる館山の秋の風物詩「南総里見まつり」(千葉県)
南総里見まつりは、今から約500年前の「安房国」を治めていた、房総里見氏の歴史に触れることができる祭りです。館山の秋の風物詩として知られており、里見氏の本拠地となった場所は、現在城山公園の山頂にある八犬伝博物館になっています。
祭り当日は、全国各地から戦国武将好きが集結。総勢200名余りが鉄砲隊や槍隊、手作り甲冑隊などの姿となり、北条海岸通りでパレードを行なう姿は圧巻です。 北条海岸特設会場では、戦国合戦絵巻が行なわれます。里見八犬伝の中で登場する合戦シーンを始め、八犬士の演武、火縄銃の演武などが披露されるので、見て楽しみましょう。
夜になると神輿や山車が登場し、海を背景に船や屋台が共演。さらに、祭りのフィナーレには花火が打ち上げられ、秋の夜空を彩ります。 南総里見まつりは、祭り会場には多数の出店が登場し、ステージでは郷土芸能祭が行なわれるため、様々な楽しみ方があるお祭りです。
約680年の歴史を持つ東京都無形民俗文化財「水止舞」(東京都)
「水止舞(みずどめまい)」は約680年の歴史がある祭りです。1963年(昭和38年)には、東京都無形民俗文化財に指定されました。
水止舞の起源は1321年(元亨元年)。現在の関東地方にあたる「武蔵の国」で大干ばつが発生した際に、住職が藁で龍像を作って祈願し、雨を降らせたことが始まりです。
しかし、雨乞いをした2年後には長雨が続いたため、雨乞いの祈願のせいだとする人が出てしまいました。そこで住職は、獅子の仮面を3つ作り「水止(しし)」と命名。仮面を農民にかぶせて水止の祈願をしたところ、雨が止んだため、感謝の気持ちで「水止舞」をするようになったのが、祭りの始まりとされています。
水止舞は、厳正寺で毎年7月中旬に開催。雨を止めるための祈願の行事であり、ほら貝を吹く龍神をこらしめ、獅子舞を沈める舞が見どころです。まず、藁で作った2つの龍に男性が2人入り龍神となります。獅子舞行列の先頭でほら貝を吹きながら、転がされ水を浴びさせられ進んでいく様子は見応え抜群。
全国でも雨乞いの祈願は多くありますが、水止の祈願をするのは全国でも珍しく、行列に登場する2体の龍神や、龍神に続く子どもたちの演奏にも注目してみましょう。
昭島市に伝わる郷土伝統芸能の「あきしま郷土芸能まつり」(東京都)
あきしま郷土芸能まつりは、昭島に古くから伝わってきた郷土芸能を一同に集結させ、その様子を見ることができる祭りです。山車を始め、屋台や引き回し、神輿などが登場し獅子舞や和太鼓、居囃子による迫力ある様子が特徴。
祭りの始まりは、2008年(平成20年)に、昭和飛行機工業株式会社が昭島市の発展や、伝統芸能の継承を目的に開催した「あきしま昭和の森郷土芸能まつり」に由来しています。2012年(平成24年)からは市民祭として親しまれ、毎年5月に見られる風物詩となったのです。
奥多摩に伝わる鹿島踊や、岩手県岩泉町の七頭舞など、他の地域の伝統芸能も一度に見ることができる祭りで、過去には多くのゲストを招きました。祭りは前夜祭と本祭に分けられ、2日間にわたって地域が盛り上がります。
あきしま郷土芸能まつりは、前夜祭も魅力的です。前夜祭では市内の100名以上の踊り手が登場し、いちょう並木で踊り、さらにモリタウンには屋台人形が展示。展示は祭り開催に先駆けて行なわれるため、貴重な屋台人形を間近で見てみてはいかがでしょうか。
関東三大山車祭りのひとつ「佐原の大祭」(千葉県)
佐原の大祭は、約300年の歴史を持つ伝統的な祭りであり、関東三大山車祭りのひとつ。2004年(平成16年)に、国の重要無形民俗文化財に指定されました。開催は年に2回、夏祭りと秋祭りに分けられ、山車は夏に10台、秋に14台と、合計で24台登場。小江戸と呼ばれる街並みの中を山車が進んでいく、江戸時代の祭りの風情があるお祭りとなっています。
山車には高さ4mもの大人形が飾られ、関東彫りの重厚な彫刻が特徴。佐原の夏祭りは、毎年7月中旬の3日開催され、秋祭りは10月の中旬に3日開催されます。
会場となるのは夏祭りが本宿地区、秋祭りは新宿地区です。祭り期間中は、地元の特産品などの販売が行なわれ、手踊りなどのイベントがあるのもポイント。飲食物の販売や、他市町からの実演や販売もあるため、買い物を楽しむことができます。
曳き廻しを担当するのは地元の若者たちであり、狭い通路ですれ違う様子も見物です。河川敷の大駐車場からは祭り会場へ向かうシャトル舟が出ており、舟から見る山車も風情があるため、訪れた際には見てみると良いでしょう。
本場青森のねぶたを湘南で体験する「湘南ねぶた」(神奈川県)
ねぶた祭りと言えば青森が有名ですが、ねぶた祭りが行なわれるのは青森県だけではありません。神奈川県の湘南エリアでも、ねぶた祭りは行なわれています。
湘南ねぶたの始まりは、1997年(平成9年)。それ以来毎年多くの人でにぎわいを見せています。湘南で開催される「湘南ねぶた」は、地域社会をつくりだすことを願い、本場青森の応援を受けている祭りです。祭りのテーマは、「みんなでつくる湘南ねぶた」。
青少年たちが祭りの準備から開催当日、終焉にかけて、普段は見えない祭りの運営や準備を体感することで、社会の成り立ちを学習し人間形成を目指しています。湘南ねぶたは毎年8月下旬の2日間にわたり開催。青森市の後援を受けているため、湘南にいながら本格的なねぶた祭りの体験が可能です。
祭り会場には屋台をはじめ、パフォーマンスやステージイベント、湘南地域振興会によるイベントも開催され、子どもたちが楽しめる内容も充実しています。ねぶたの披露時間は19~21時となっており、運行は六会日大前駅東口のロータリーから国道467号線を超えて市道である立石湘南台線まで。
湘南ねぶたでは、六会駅前公園と本部前駐車場に様々な屋台が出店しているため、おいしい湘南グルメに出会えるかもしれません。
提灯を激しくぶつかり合う祭り「古河提灯竿もみまつり」(茨城県)
古河提灯竿もみまつりは、江戸時代の古河藩領であった時代から続く祭りであり、栃木県野木町の野木神社に伝えられてきた神事に由来しています。
当時、12月3日の深夜から4日までは、七郷(しちごう)めぐりを終えた行列の帰りを待ち受ける人が、竿に堤灯を付けて集まっていました。冬の寒さをしのぐため、手に竿を持ってもみ合ったと言われています。これが、現在に伝わる古河提灯竿もみまつりの原型。
古河提灯竿もみまつりは、1201~1203年(建仁元年~建仁3年)に始まったと伝えられ、以来、古河市の祭りとして発展。また、七郷めぐりを終えた人の帰りを待つ人がこの祭りの原型であることから、古河提灯竿もみまつりのことを「おかえり」と呼ぶ人もいるのです。
祭りには、20m近い竹竿の先端に堤灯を付けた物を使用します。お互いに激しくもみ合いながら、相手の堤灯の火を消し合うため「関東の奇祭」とも言われているのです。開催場所は、古河駅西口のおまつり特設会場で、時間は16~21時頃まで。堤灯をぶつけ合い、子ども部門から大人部門まで終えたあと、最後に自由に大人たちがもみ合いをして、閉会式という流れです。
祭りには自治体ごとに参加し、地区ごとのもみ合いを見ることができます。祭り期間中は、周辺地域が交通規制となるため、車で来場する場合には注意しましょう。
武者行列が圧巻の祭り「大多喜お城まつり」(千葉県)
大多喜お城まつりは、1975年(昭和50年)に大多喜城が建設されたのをきっかけに、開催されるようになりました。1871年(明治4年)に大多喜城は廃城となり、場内の建物はすべてなくなります。その後、1966年(昭和41年)に県史跡の「上総大多喜城本丸跡」として指定。祭りは9月下旬から10月上旬にかけて2日間にわたり行なわれ、それぞれ前夜祭と本祭とに分かれています。
大多喜お城まつりでは、徳川四天王のひとりである「本多忠勝侯」の一行に扮した武者行列が行なわれるのが特徴です。子供武者や姫様隊も参加し、城下町をパレードします。祭り本番で約2,000人もの人が街を練り歩く姿は圧巻でしょう。
前夜祭は光をテーマにして、江戸時代の街並みが再現されます。商店街が歩行者天国となり、行灯やろうそくが灯され、桜台から猿稲交差点までの間が幻想的な雰囲気に変わるのが見どころ。町民参加の祭りでは、会場内には地元の特産品なども登場するため、お土産などをチェックしても良いでしょう。
開催場所は、大多喜城を始めとした周辺の小学校などです。催し物会場となった小学校では、子どもたちのステージイベントや、地元の人たちの和太鼓演奏などが開催されます。
※この記事は、2017年6月時点の情報に基づいて作成されています。
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