証券会社情報
「証券会社の役割と仕事」
引受業務(アンダーライター)/ホームメイト
引受業務とは、金融商品取引法で認められた業務で、証券会社が手掛ける4つのメーン業務(委託売買業務、自己売買業務、引受業務、募集・売り出し業務)の内のひとつです。アンダーライター業務ともいい、企業や国・地方自治体から発行している株式や債券を証券会社が買い取り、投資家に販売する業務です。発行する側は、証券会社が引き受けることで多くの投資家に販売できます。証券会社は発行会社から支払われる販売代行手数料が収益となります。ただし、売れ残ると証券会社が引き取らなければなりません。
引受業務の形態
引受業務の形態はいつくかに分類できます。まず、引受業務の種類は「買取引受」と「残額引受」の2種類です。さらに発行会社と契約する引受会社は「元引受」と「下引受」に分けられます。また引受会社は複数で引き受けることもあり、その場合は幹事会社が「主幹事」と「幹事」に分かれます。
「買取引受」と「残額引受」
買取引受とは、証券会社が発行会社から有価証券のすべてを取得して販売することを指します。一方、残額引受とは予め発行会社に引受先を斡旋して買い主を定めておきますが、万が一他に引受先がない場合に残部を発行会社から取得することを指します。
「元引受」と「下引受」
元引受とは、発行者から直接、有価証券を取得する引受会社のことです。下引受とは、発行会社ではなく元引受会社と契約して引受業務を行なう引受会社のことです。
「主幹事」と「幹事」
引受会社のうち、発行会社と協議する金融機関を幹事会社と呼びます。引受会社が複数の場合は、中心となって協議を行い、書類作成などを担当するものを主幹事と呼びます。
引受責任とは?
引受業務では、引受会社が発行される有価証券のすべてを取得し、未取得の部分を残さないことを保証する契約を結びます。このリスク負担を、引受責任と言います。
発行会社は、資金調達が不成立に終わるなどのリスクを回避でき、確実に有価証券が発行できます。また、引受会社が責任を果たすことで、発行市場が円滑に機能するメリットがあります。ただし、引受会社は判断を誤ると多くの売れ残り証券を抱え、多額の損失が生じかねません。そうなれば引受会社の資産内容を悪化させる危険性が高いので、業務ができるのは資金力がある第一種金融商品取引業者に限られています。
引受シンジケート団とは?
引受シンジケート団とは、新たに大量に発行される株式や債券などを複数の引受会社(金融機関)が集まって引き受ける団体のことです。「引受シ団」、「シ団」とも言います。引受シンジケート団を組む目的は、販売力の強化と引受責任リスクの分散です。各社の引受分担額、引受手数料の分配などの契約が予め決められてから引受シンジケート団を組みます。通常は発行有価証券ごとに、引受会社のメンバーは異なります。
かつては国債を引き受ける団体のことも「引受シンジケート団」と呼びましたが、2004年(平成16年)10月に導入された国債市場特別参加者制度に移行されて、2006年(平成18年)3月に廃止されました。