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仏教の教義と宗派/ホームメイト
各宗教や宗派には、それぞれ真理と認めている教えや主張が存在し、教徒はこれにしたがい、規則や教えを守ることに努めています。
それでは、仏教の教義や日本における仏教の宗派についてご紹介しましょう。
仏教の教義
紀元前5~6世紀にインドに生まれたブッダが開いたとされる仏教。そんな仏教の基礎となる教義には、人々を救うために「人間の苦しみ」を追究し、向き合った末に導かれた教えが多く見られるのが特徴です。
苦しみは誤った認識によって生じる「煩悩」によるものであり、苦しみから逃れるためには、その煩悩を断ち切ることが大切であるとされています。
四諦(したい)
「四諦」とは、ブッダよって見極められた「苦」の真理を示したもの。
- 苦諦(くたい)…人生の本質は「苦」という認識から始める。
- 集諦(じったい)…「苦」が生じる原因が煩悩であるという真理を知る。
- 滅諦(めったい)…「苦」を滅した境地に至ることで心の平安を得る。すなわち涅槃(ねはん)。
- 道諦(どうたい)…涅槃の境地に至るための道が存在している。その具体的な方法が「八正道(はっしょうどう)」である。
四法印(しほういん)
四諦と共に、仏教を特徴つける思想としてこちらの「四法印」が挙げられます。
- 諸行無常(しょぎょうむじょう)…この世のすべては移り変わるものである。
- 諸法無我(しょほうむが)…この世に永遠不変のものはない。
- 一切皆苦(いっさいかいく)…人生は苦しく、思い通りにはならない。
- 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)…真理を悟れば煩悩は消え去る。
日本の主な宗派
奈良時代頃から日本に仏教が根付いてからというもの、長い時代を経て様々な宗派が開かれました。
こちらでは、日本の主な宗派をご紹介します。
南都六宗系
平城京で栄えた国家公認の宗派。下記の3宗に加え、三論宗・成実宗・倶舎宗と合わせて「南都六宗系」と呼ばれています。また、繁栄した時代の名前を取り、奈良仏教とも。これらの宗派は互いに教義を学び合っていたと言われています。
平安仏教系
奈良時代末期、仏教は政治と癒着することで世俗化していきます。そんな時代に即位した桓武天皇は平安京に遷都後、奈良の寺院が都に移転することを禁じて仏教と政治を切り離しました。
この時代に登場したのが、かの有名な「伝教大師・最澄」と「弘法大師・空海」です。この2人はそれぞれ唐へと渡り、仏教を学び帰国。その後、日本古来の信仰を取り入れながら独自に作り出したのが、下記の宗派なのです。
浄土教系
鎌倉時代を迎える頃には、民衆に浄土信仰が広がって行きます。それまでは、主に国家に向けられていた仏教でしたが、個人救済のための新しい宗派が続々と誕生。このとき開かれた宗派は総称として「鎌倉新仏教」とも呼ばれています。
以下の浄土教系宗派は、阿弥陀如来を信じ、念仏を唱えることで極楽浄土へ往生できるという考えを基礎としているのが特徴です。
日蓮宗系
日蓮宗も「鎌倉新仏教」のひとつ。「法華経」こそが唯一の正しい教えとする宗派です。
- 日蓮宗(にちれんしゅう)…開祖は日蓮。総本山は久遠寺。
禅宗系
禅宗の特徴と言えば座禅。座禅を中心とした修行によって自らが悟りを目指すという教義は武士を中心に支持され、特に室町幕府では重用されました。