児童手当の支給について/ホームメイト

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児童手当の支給について/ホームメイト

児童手当とは、中学校を卒業するまでの児童を養育しているすべての家庭が受け取ることのできる手当のこと。子ども・子育て世代の安定した生活とこれからの社会を担う児童の健やかな成長を支えることを目的としています。

児童手当は1972年(昭和47年)1月から開始された制度ですが、支給額、所得制限など、これまで様々な見直しがありました。こうした背景のなか、2022年(令和4年)6月に施行された児童手当制度の改正によって、2022年(令和4年)10月の支給分からは、一部の高所得者世帯に対する児童手当の支給廃止が政府により決定されたのです。

ここでは、児童手当の特徴をはじめ、児童手当の現行ルールと見直し後の支給額、目安となる所得制限の基準額について詳しくご紹介します。

※2022年(令和4年)9月時点での情報です。

児童手当と支給について

児童手当とは

児童手当とは、0歳~中学校を卒業するまでの児童を養育しているすべての家庭に対して、行政から支給される手当のことです。ご自身が住んでいる市区町村で申請手続きを行い、原則として6月(2~5月分)・10月(6~9月分)・2月(10~1月分)の年3回に4ヵ月分の手当がまとめて支給されます。

児童手当は子育て支援のひとつ。手当を給付することで、安定した家庭生活と児童の健やかな成長を支えることを目的としています。

児童手当の支給は、児童と生計を同じくする方が対象となり、父母が別居している場合は、児童と同居している方が優先です。また留学を除き、児童が国内に居住していることが条件。海外に居住している場合は児童手当を受け取ることはできません。

児童手当の支給額は、養育者の年収によって異なりますが、これまでは、児童を養育する方の所得が所得制限を上回る場合にも、一律5,000円の特例給付を受け取ることができました。
しかし、児童手当法の改正により、2022年(令和4年)10月からは「所得上限限度額」が新たに設置。年収が1,200万円を上回る世帯には児童手当の支給が廃止となりました。

現行ルールと見直し後の支給額は、以下のように変更されます。

児童手当の支給額(月額)

養育者の年収 現行 2022年(令和4年)10月以降
1,200万円以上 一律5,000円
(特例給付の対象)
廃止
960万円以上1,200万円未満 5,000円
960万円未満 0~3歳未満…15,000円
3歳~小学生…10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生…10,000円
変更なし

児童手当が見直された背景には、「社会保障費の急激な増加」と「幼児教育・保育無償化の開始」が挙げられます。

社会保障費の急激な増加

社会保障費とは、年金、医療、介護、子ども・子育てなど社会保障に関する国の年間支出のこと。日本の社会保障制度は、高齢者の給付を手厚く行う構造で、給付に充てられる財源は現役世代(一般的には定年退職をしていない労働者を指し、特に保険料を支払うことで公的年金制度を支えている世代のこと)が負担しています。しかし少子高齢化が進むなかで、現行制度を保持していると、現役世代の負担が増えすぎることになりかねません。この問題を見直すため、2019年(令和元年)9月に、高齢者だけではなく、子ども・子育て世代、現役世代まで幅広く支えていく「全世代型社会保障改革」が打ち出されました。

そして、この改革の一環として、児童手当の支給対象に見直しがかけられることになったのです。児童手当は少子化対策のひとつですが、厚生労働省の調べによれば、世帯年収が高いほど、児童手当は必ずしも子どものために使用されているとは限らないことが判明しました。こうした状況のなか、所得制限の設定と特例給付の廃止は、本当に子育て支援を必要している世帯に、十分な支援を集中させることが狙いとなっています。

幼児教育・保育無償化の開始

幼児教育・保育無償化

子育て支援制度として、2019年(令和元年)10月には、幼児教育・保育無償化が開始されました。幼児教育・保育無償化とは、「幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までのすべての子どもたち、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子どもたちの利用料が無料」となる制度のこと。幼児教育・保育無償化の制度には、所得制限はありません。しかし、このような制度も特例給付の縮小につながった要因のひとつとなりました。

なお、児童手当の見直しによって児童手当の対象から外れる子どもの数は約61万人、全体の約4%と言われ、財政効果額は約370億円と試算。新たに確保できた財源は、待機児童対策に充てられることになっています。

所得制限の基準額

児童手当の改正と所得制限

児童手当の改正により、2022年(令和4年)10月の支給分(6~9月分)からは、所得制限が設けられ、特例給付の扱いが変更になりました。しかし、扶養親族等の人数によって所得制限の基準は異なります。扶養親族等とは、児童手当の対象になっている子どもはもちろん、年収103万円以下の配偶者など。ここでは、どのくらいの所得額から所得制限を受けるのかを見ていきましょう。なお、収入の目安は給与収入のみで計算。実際には給与所得控除、医療費控除、雑損控除などを適用したあとの所得額が基準となります。

所得制限の基準額(単位:万円)

扶養親族等の数 所得制限限度額 所得上限限度額
所得額 収入額の目安 所得額 収入額の目安
0人
(前年末に児童が生まれていない場合など)
622 833.3 858 1,071
1人
(児童1人の場合など)
660 875.6 896 1,124
2人
(児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
698 917.8 934 1,162
3人
(児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
736 960 972 1,200
4人
(児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
774 1,002 1,010 1,238
5人
(児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
812 1,040 1,048 1,276
※内閣府「児童手当制度のご案内(所得制限限度額)」参照

表のうち、支給対象となる児童を養育している方の所得が「所得上限限度額」以上の場合、特例給付を受けることができません。もし、児童手当等が支給されなくなったあとに、所得が「所得上限限度額」を下回った場合、改めて認定請求書の提出が必要となります。

夫婦共働きの場合、児童手当の所得制限は所得の高い方が対象です。世帯合算した金額ではないことには注意しましょう。

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