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法定外目的税に関する基礎知識/ホームメイト
「法定外目的税」とは、地方税法にて定められた税目以外の目的税のことを指します。ここでは、法定外目的税について、その新設手順や具体的な内容についてご説明します。
「法定外目的税」とは
地方税は、地方税法によって税目の定めがあります。この地方税法に記載がなく、各地方自治体の条例で個別に定められる地方税のことを「法定外税」と言います。法定外税には、「法定外目的税」と「法定外普通税」の2種類があります。「目的税」とは、あらかじめその使い道を特定した上で課税する税金のことです。「普通税」とは、特にその使い道を特定せず、徴収した地方自治体によって、自由に使い道を決められる税金のことです。つまり「法定外目的税」とは、地方税法に定められていない地方税のうち、あらかじめその使い道が決まっている税金のことです。
新設するには許可が必要
法定外税は、地方自治体が独自に作ることができますが、新設する際は一定の手続きが必要です。地方自治体が法定外目的税を新たに設定するときや変更するときは、以前は国の許可が必要でしたが、現在は総務大臣と協議して許可を得ることが必要とされています。ただし、一定の場合を除き、総務大臣は許可を与えることとなっています。一定の場合と言うのは、他の税金とあわせて考えたときに、住民の負担が著しく重くなると考えられる場合、地方団体の間の物品の流通に大きな影響を与えると考えられる場合、国の経済施策と照らし合わせて妥当でないと考えられる場合などです。
環境保全と法定外目的税
法定外目的税として実際に認められているものとしては、環境保全を目的とした税、観光や地域振興を目的とした税などがあります。
環境保全を目的した税としては、例えば三重県の産業廃棄物税があります。産業廃棄物税は、産業廃棄物を排出する業者を課税対象として申告納付の方式をとっています。産業廃棄物税として納付された税金は、産業廃棄物の発生抑制、リサイクル、ゴミの減量、廃棄物処理などの費用に充てられることが目的とされています。また、杉並区のすぎなみ環境目的税も、環境保全を目的とした税金です。これは、スーパーなどで買い物をした際にもらうレジ袋に関して、1枚につき5円課税するというものです。納付された税金は、ゴミの減量やリサイクルに充てられることとなっています。
地域振興を目的とした税としては、東京都の宿泊税が挙げられます。この税金は、ホテルや旅館の宿泊客に対して、1人1泊あたりの宿泊料金に応じて、100円または200円の税を課すものです。徴収された税金は、国際都市としての発展と観光の振興のために使われます。