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維新の志士と温泉/ホームメイト
激動の幕末期、近代日本の国家形成に多大なる貢献を果たした坂本龍馬と西郷隆盛。龍馬は薩摩(鹿児島県)に温泉旅行に訪れ、西郷は頻繁に地元・薩摩に帰り、お気に入りの温泉に通っていました。彼らにゆかりのある温泉をご紹介します。
坂本龍馬と温泉
起草した統一国家思想「船中八策」が明治の「五箇条の御誓文」に活かされるなど、日本の近代化の礎を築いた英雄として今も絶大な人気を誇る坂本龍馬。
龍馬は、京都寺田屋で幕府役人の襲撃にあいます。手に深い傷を負ったため、西郷隆盛らのすすめで、内縁の新妻お龍とともに薩摩を訪れ、湯治を兼ねて温泉地をめぐりました。2人が仲むつまじく過ごせたのは後にも先にもこのときだけで、この旅は「日本最初の新婚旅行」と言われています。
2人は鹿児島城下から北東へ向かい、日当山温泉、塩浸温泉、霧島温泉(硫黄谷温泉)と訪ね歩きました。手の傷もからだの疲れも次第に癒されたことでしょう。
塩尻温泉(鹿児島県)と龍馬
坂本龍馬とお龍夫妻が最も長く滞在した塩浸温泉。鎮痛効果があって傷によく効くとされる炭酸 水素塩泉です。
現在は、「塩浸温泉龍馬公園」として整備され、龍馬が入ったとされる湯船の他、「龍馬とお龍の縁結びの足湯」、「坂本龍馬・お龍新婚湯治碑」があります。
西郷隆盛と温泉
長州藩との間で薩長同盟を成立させ、戊辰戦争では参謀となり、勝海舟との会談で江戸城無血開城に成功した、薩摩が誇る偉人・西郷隆盛。
温泉をこよなく愛した西郷は、このような大業を成しながらも、かなりの頻度で薩摩に帰り、温泉めぐりを堂々としていたとされます。特にお気に入りの温泉は日当山温泉で、明治新政府内での征韓論に敗れて野に下った際には、鰻温泉や白鳥温泉、栗野岳温泉などにこもり続けたそうです。
日当山温泉(鹿児島県)と西郷
温泉や狩りを好んだ西郷がたびたび訪れたのが天降川沿いにある日当山温泉。古来より地元の人々はもちろん、湯治客にも親しまれ、今も「西郷どん湯」という名で人々の心身を癒し続けています。
肌に優しいアルカリ泉が特徴で、色白になる「美人の湯」としても知られています。武骨・豪快という印象が強い西郷が「美人の湯」がお気に入りだったとは意外ですね。
鰻温泉(鹿児島県)と西郷
鰻温泉は指宿温泉唯一と言われる単純硫黄泉。三方が崖でそそり立つ神秘的な火口湖畔にあり、至るところで白い噴気が舞い上がり、硫黄の匂いがあたり一面に漂っています。
西郷がここで湯治をしていたとき、地元佐賀で反乱を起こした江藤新平が援助を求めて訪れたと伝えられています。