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源泉かけ流しと循環風呂/ホームメイト
湯船に注ぎ込まれた湧き立ての新鮮な源泉が、次々と湯船の外にあふれ出ている――何といっても、このような流しっぱなしの源泉にそのままつかるのが温泉入浴の醍醐味です。
一方、温泉資源を再利用する循環風呂も増え続けています。源泉かけ流し、循環風呂にかかわらず、心地よく温泉気分を堪能できるものが自分にとっての「良い温泉」であると言えます。
源泉かけ流し
源泉かけ流しとは、源泉だけで湯船を満たし、注入されるのは新しい源泉だけという方式。湯船の底から湧出(直湧き)する源泉、あるいは湯口から脈々と注がれる源泉が湯船を満たし、お湯は常に湯船の縁からあふれ出ています。
「源泉かけ流し」でも、「加水・加温がされていないこと」を強調したのが「源泉100%かけ流し」。源泉から湧き出した温泉が、加水・加温されることなく、そのまま湯船に注がれるものです。湧きたての、まだ酸化が進んでいない、有効成分たっぷりの生きた温泉であり、これこそ「ホンモノ(本物)」の温泉と言えるでしょう。
循環風呂
循環風呂とは、その言葉通り、湯船で一度使用した温泉水をろ過循環器を通して循環させて、繰り返し利用している風呂のこと。湯口からお湯がどんどん流れ込んでいるのに、湯船の縁からあふれ出てこない、そのような場合はたいてい循環風呂です。
温泉の湧出量が減少している現在、循環風呂は増え続けています。現在、国内には温泉旅館やホテル、日帰り入浴施設まで合わせると、温泉施設は2万軒を超えていますが、そのうち7割は循環風呂であるとされています。
循環風呂が登場した背景
「源泉かけ流し」は確かに贅沢で、温泉を存分に満喫するにはやはりこれに尽きると言えます。しかし、源泉を「かけ流す」ため、豊富な湯量を必要とします。
多くの観光地で大型ホテルが建設され、100人もの大人数が一度に入浴できる巨大な浴槽がつくられるようになり、それに従って温泉の湧出量が不足するようになったため、その打開策として生まれたのが循環風呂です。
循環風呂の利点
循環風呂はいわば温泉水の再利用であり、良く言えば、温泉資源をリサイクルして有効利用できるという点、環境への排出量も軽減できるという点できわめて合理的な方法です
また、全体の湯の量を豊富に保てるため、大規模な温泉施設をつくるのが可能なことも事業者側のメリットとして挙げられます。私たちにとっては、様々な種類の内湯や露天風呂、部屋に備えられた露天風呂を楽しむことができるのも、この循環風呂のおかげともいえます。
循環風呂の問題点
循環風呂で温泉水を再利用する際、ろ過して加温するだけでなく、湯量を補うためにカサ増し加水をする場合が多くみられます。
また、このようなお湯は劣化現象が著しく進むので、レジオネラ菌や大腸菌などの雑菌が繁殖することになります。レジオネラ菌は一定の温度に保たれた人工温水中で大量繁殖をしやすいという特徴があり、循環風呂は最適の条件と言えます。そこで、循環風呂では、銭湯やプールと同じように塩素系薬剤で殺菌するのが一般的です。
このような加水・加温、塩素系薬剤の投入より、温泉としての個性が失われるだけでなく、質が著しく劣化し、その効能も損なわれることは明らかです。