体育館情報
卓球の道具(ラケット)/ホームメイト
ラケットには、シェークハンドとペンホルダーの2種類があります。シェークハンドラケットは人と握手するように握るラケットで、ラケットの両面にラバーが貼られ、両面で打つことができます。
ペンホルダーラケットに比べると重くなりますが、バックハンドのプレーがしやすいといった特徴があります。ペンホルダーラケットはペンを持つように握るラケットで、一般的には片面にだけラバーが貼られます。手首が使いやすく繊細なプレーができるといった特徴があります。
ラケットに使用される木材
卓球のラケットに使用される木材は様々ですが、主なものを挙げます。ヒノキは軽量な割に非常によく弾むため打球感が良く、見た目も良好。単板ラケットのほとんどはヒノキ材で、合板でも主に上板で使われます。ヤナギはやわらかめの打球感が持ち味で、弾みは抑えめ。守備用のラケットに多用されます。
キリは国産の木材の中で最も軽量。その割には適度に弾み、中芯として使われ、響くような打球感が特徴です。カツラは単板ラケットに用いられますが、使用率は低め。褐色で球離れが良く、硬い打球感が特徴です。リンバは上芯・添芯に良く使われ、適度な硬さを持つアフリカ材。アバシはやわらか目でヨーロッパ製のラケットの中芯として使われます。コトは比較的やわらか目のアフリカ材で、上板に使うことでやわらかい打球感が持ち味。その他にも、「シナ」や「アユース」など、多数あります。
柾目
柾目とは、卓球ラケットのうち、ヒノキ木材を使った単板ラケットで、木目がブレード面に対して垂直なものを指します。ラケットの先端側からサイドを見ることで、柾目か斜目かの確認が可能。年輪が板に対して垂直に走っているので、1本の原木から取ることができる柾目の板は、数が非常に限られており、高級品です。柾目の具合によって、打球感やコントロール性が左右されるので、年輪同士の間隔が狭く、きめ細かいものを選ぶと良いでしょう。柾目でも目が詰まっていないものは、比較的安価に普及しています。
斜目
斜目とは、卓球ラケットのうち、ヒノキ木材を使った単板ラケットで、木目がブレードに対して垂直でないものを指します。柾目でない木目で、柾目と比べてあまり弾みません。こうした理由から柾目と比べて安価なため、普及品として扱われています。
合板ラケット
合板ラケットとは、数枚の薄い板を貼り合わせた卓球ラケットのことを意味し、略して「合板」と言います。3枚の板を貼り合わせた「3枚合板」、5枚からなる「5枚合板」、7枚からなる「7枚合板」が主流です。
木材の種類や厚さが同じ場合、合板の枚数が多い程ボールを弾くので、攻撃用は5枚合板か7枚合板、守備用は3枚合板か5枚合板が一般的。合板を構成する各木材は3つあり、表面にある木材は「上板」と呼び、合板の各板の中でも特にラケットの弾みと打球感を左右。最も内側に位置する木材が「中芯」で、軽量な木材を厚めに使用。上板と中芯の間に位置する木材を「添芯」と呼びます。
特殊素材
特殊素材とは、卓球ラケットの「ブレード」を構成する、木材以外の素材のことを指します。ブレードの構成材として、木材と木材の間に繊維素材を挟み込むことが許されています(ただし木材の使用率は85%以上が原則)。弾みや打球感を向上させる目的で使用されるようになりました。
「カーボン」は抜群の反発力を持ち、打球感は非常に硬いのが特徴です。「グラスファイバー」はガラス繊維でできていて、適度な弾みと手に残る打球感が持ち味。「アリレート」は、適度な弾みがありながら、振動吸収が早いため、手に響かない打球感を与えます。チタンは軽量・高強度の金属を網状に編んでおり、非常に弾みが良く、硬い打球感が特徴です。その他、「アリレート・カーボン」「チタン・カーボン」など、異素材を組み合わせた素材もあります。
ハンドル
ハンドルとは、卓球ラケットの木の柄の部分を意味し、日本卓球界ではグリップと呼ぶ人の方が多数派です。ハンドル、またはグリップは大きく分けてペンホルダーとシェークハンドがあり、ペンホルダーラケットは日本式・反転式・中国式の3つに分けられます。
シェークハンドラケットはストレート・フレア・コニック・アナトミックの4つに大別。一般的に、ペンホルダーラケットはサービスのときに手首を使いやすく、台上の短いボールの処理がしやすい反面、バックハンド攻撃が苦手。対してシェークハンドラケットは、バックハンド攻撃がやりやすく、両コーナーのボールが処理しやすい反面、ミドルが苦手など、それぞれのメリット・デメリットがあり、プレーヤーは戦型に合わせて選びます。
ブレード
ブレードとは、卓球ラケット本体の柄部分を除いた打球面のことを意味します。ブレード部分を一枚の板で作っているものを「単板ラケット」、薄い板を複数枚貼り合わせてできたものを「合板ラケット」と呼びます。
現在はブレード部分を板状のゴム製品であるラバーで覆っていますが、1926年の第1回世界選手権では、一枚ラバーを貼ったラケットを使う人もいれば、木がむき出しになったラケットを使う人もいたようです。世界がラバー貼りに移行する中、日本では1946年までラバーなしのラケットが主流でした。ブレードは「手のひら」を意味するアラビア語が語源です。
オフェンシブラケット
オフェンシブラケットとは、主としてシェークハンドの攻撃用の卓球ラケットを意味します。弾みが良く、オフェンス(攻撃)に適していますが、弾みが良い分、コントロールに技術を要します。ドライブやスマッシュなど、攻撃を主戦武器とする選手や、上級者向き。略して「OFF」と表記することもあります。
オールラウンドラケット
オールラウンドラケットとは、中間的な弾みのあるシェークハンドの卓球ラケットを意味します。攻撃力とコントロール性のバランスが良く、あらゆる技術に対応してくれる、まさにオールラウンド(万能)なラケット。攻撃と守備を混ぜ合わせる選手を中心に、幅広い選手が使っています。略して「ALL」と表記することもあります。
ディフェンシブラケット
ディフェンシブラケットとは、守備を重視したシェークハンドの卓球ラケットを意味します。通常のラケットよりもブレード部分が若干大きく、弾みを抑えた仕様。コントロール性に優れ、まさにディフェンス(守備)に適した作りです。その反面、攻撃の威力は出しにくく、カットなどの守備を主戦武器にしている選手向き。略して「DEF」と表記することもあります。
スイートエリア
スイートエリアとは、卓球ラケットのブレードの中心付近で、弾みや打球感の良い一帯を意味します。スイートエリアのことを通称として「スイートスポット」と呼ぶことが多くありますが、スイートエリアはスイートスポットの周辺部分のことで、スイートスポットはさらにその中心。スイートスポットはボールがよく飛ぶ打撃の芯であることから、「撃芯」とも呼ばれ、一般的にはラケットの中心にあります。
ラケットの手入れ
卓球では、ラケットの状態のわずかな変化が打球に反映してしまいます。そこでラケットを自分の手に合わせて削ったり、ラバーの張替えや手入れをして、不具合が生じないように心掛けます。
ラケットを削る
新しいラケットを手に入れた場合は、自分の手に合った状態になるようにラケットを削ります。ペンホルダーラケットでは、指に当る部分を削って痛みを感じないように整えます。
ラケットを削る際には一気に行なわず、実際にラケット握ったり、試打したりして感触を確かめながら少しずつ削るようにします。
ラバーを貼る
ラバーを貼ったり貼り替えたりする場合は、専用の接着剤を使います。貼る際のポイントは、接着剤が完全に乾くまで待つこと。
ただし、乾きすぎると接着剤が固まってしまうので、タイミングを見てすばやく行ないます。
また、塗り残しがあるとラバーがはがれやすいので、全体に接着剤がいきわたるように心掛けます。
選び方のポイント
卓球のラケット選びも楽しみのひとつ。固定概念にとらわれることなく自由な発想で楽しく選びましょう。選び方の参考例として次の3つを挙げてみました。
戦い方(戦型)で選ぶ
自分が戦ってみたい戦型に合った用具を選びます。
また、好きな選手や理想とする選手と同じ用具を選んでみるのも卓球を楽しむ方法のひとつです。
デザインを重視する
性能よりもデザインやかたちを重視して選ぶといった方法。お気に入りの用具を持てば、卓球への愛着が深まります。
ユニークさで選ぶ
ピストルを握るようなグリップの形をしたラケットやグリップを回転させラケットなど、ユニークさを売りものとした製品が市販されています。
そんなラケットを選べば、プレースタイルに独創性が生まれます。