よさこい祭りなど高知県の祭りの特色/ホームメイト

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よさこい祭りなど高知県の祭りの特色/ホームメイト

四国南部に位置する高知県は北部を山に、南部を海に広い自然の土地を持ち、その中で育まれてきた独特の文化を今にも残しています。またカツオや土佐犬など名物、歴史ある祭りも多く存在しますが、そのどれにも「土佐」らしい豪快さを感じることができます。

よさこい祭り

よさこい祭り

徳島の阿波踊りと並び今や全国的に知られる踊りとなった「よさこい」の発祥地高知において、毎年8月全国から集った約190チーム、2万人近くの踊り手が高知市内16ヵ所の競演場、演舞場を舞台によさこいを踊り歩く、土佐高知の一大カーニバルです。同じ「よさこい」でも人やチームによって違いが見られますが、これはよさこいに定められたルールが決まっておらず、

・踊りながら前進すること

・使用曲には「よさこい鳴子踊り」のフレーズをどこかに入れること

・必ず鳴子(バチ)を持って踊ること

の3点さえ守っていれば後は踊りの形や音楽のアレンジ、衣装もすべて自由なため、参加するチームそれぞれが自分たちの個性を出したよさこいを披露するからです。これがよさこい祭り最大の特徴で、浴衣で踊る伝統的なものから派手な衣装でロックンロール調に踊る近代的なものまで毎年様々なよさこいチームが参加し、同じく個性的なアレンジを施した「地方車」とともに市内を踊り進んでいます。

今やこれだけの規模を誇るよさこい祭りですが、昭和29年に行なわれた第一回では750人ほどしかいませんでした。よさこいはもともと戦後の経済不況の払拭と経済復興、そして疲れていた市民たちが活気を取り戻せるようにと、高知商工会議所が祭りを企画したのが始まりでした。当初はそれほど規模が大きなものではありませんでしたが、土佐のブーム化に従い鳴子踊りを踊るシーンが収録された映画が放送されたことを皮切りとして、日本全国によさこい祭りが知れ渡ることとなりました。その後もテレビ放送や花火大会の開催、海外遠征などを経て高知県を、日本を代表する祭りに進化していき、現在では日本、世界各地でも独自のよさこいが踊られるようになっています。祭り中市内を包み込む踊り手たちのパワフルなダンスと音楽は、全国に誇るよさこいの元祖という熱気と貫禄にあふれています。

秋葉祭り

吾川郡仁淀川町に位置し、防火を司る神様火産霊命を御祭神とする秋葉神社で毎年2月に行われる神幸祭です。この神社は平家の落武者である佐藤清岩という人物が遠州(現在の静岡)の秋葉山から勧請したことが始まりであり、当初は岩屋にてお祀りしていました。その後近くの法泉寺や関所番の市川家など祀られる場所を移動していき、最終的に寛政六年(1794年)現在の秋葉神社に落ち着きました。この時に今まで祀られてきた地を年に一度神幸するという決まりになったことが、現在の秋葉祭りの始まりでした。

祭りでは御祭神が最初に祀られた岩屋神社から神輿行列がスタートし、市川家、法泉寺、中越家など秋葉神社までゆかりの地を順番に巡っていきます。この行列は神社から出される神輿つきの役者が70人、本村・霧之窪・沢渡という三集落から集められる役者が84人、その他役員など総勢200人から構成され、先導役である「鼻高面」を先頭に伝統装束や妖怪の面に見を包んだ行列が鉦や笛を囃しながら各地を巡っていきます。この華やかな行列も目をひきますが、目的地毎に行なわれる稚児たちの勇壮な「太刀踊り」や「鳥毛ひねり」の奉納も見どころです。特に長さ7メートル、重さ8㎏にも及ぶ先端に鳥毛を付けた鳥毛棒を直立させた状態で数十メートル離れた相手に投げつけ、相手がこれを飛び上がって受け止めるという「鳥毛ひねり」は秋葉祭りの花型として大いに盛り上がります。また祭りの途中には行列を先回りするように「油売り」という仮面を付けた道化役が出現し、防火のお守りを売りながら周囲の人たちを楽しませてくれるのもお馴染みの光景となっています。

岩屋から神社までは約3㎞もある距離を多様な構成の列が巡行する様子はとても印象深く、奉納される祭事や油売りなど人々を楽しませてくれる要素もたくさんなこの祭りは「土佐の三大祭り」に数えられるほど華やかなものです。

久礼八幡宮大祭(おみこくさん)

土佐湾に面する土佐仲町の久礼八幡宮に古くから伝えられている秋季例祭であり、数々の祭事が行なわれることから高知県下土佐の三大祭としても知られています。カツオで有名な土佐は漁業の町であり、海を正面に見据えていることから八幡宮は漁師たちにとっての守り神として、またその例祭も豊漁を祈るものとして親しまれてきました。

古の祭事を数多く残しており、神楽や御田植祭の奉納、御神幸や浜宮での豊作祈願などその数は五十に及ぶとされていますが、その中でも最大の目玉となるのが祭りの別名でもある「おみこく(御神穀)さん」です。これはあちこちで太鼓が打ち鳴らされる中、重さ約1トン、高さ約6メートルにも及ぶ火が点けられた巨大な松明が小松明などを持った行列に掲げられ、町中を通って八幡宮まで向かうという豪快な祭事で、その名のとおり作物の収穫を感謝するための祭りです。巨大な松明たちが町中を進む迫力もさることながら、太鼓を打ち鳴らす集団同士が出会うとお互いの太鼓と人間同士が押し合いぶつかりあう「喧嘩太鼓」が始まることもあります。無事宮にたどり着き神事が終了すると松明は参道内に投げ込まれ終了となるのですが、この時散らばった松明の燃え残りは無病息災のお守りになるといわれています。

海の男らしい勇猛な祭事で大いに賑わう一方、祭りには花火大会やよさこい踊りが催されることもあり、おみこくさんはまさに漁師たちの夏祭りです。

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