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ばら積み貨物船/ホームメイト
ここでは、ばら積み貨物船について紹介します。ばら積み貨物船とは、その名の通りバラバラになっている貨物を積んで輸送する貨物船のことで、穀物や鉱石、セメントなどが主な貨物となります。
ばら積み貨物船の必要性
ばら積み貨物船は、梱包に適さない貨物の輸送手段として利用されています。初めてばら積み貨物船が登場したのは、1852年のことです。昔から世界中で活用されてきたばら積み貨物船は、時代の流れとともに規模を拡大させ、洗練された貨物船として進化してきました。ばら積み貨物船は、世界における商船の中で実に40%の割合を占めており、大きさについては、船倉がひとつしかない小型のものから、載貨重量トン数が40万トンに達する巨大なものまであります。超大型のばら積み貨物船が積みこむ貨物は、主に鉱石です。巨大化しているばら積み貨物船の荷役には大変な労力が必要とされ、危険を伴う場合もあります。荷役をスムーズにするための設備を搭載するなど、大量の貨物を一度に輸送できる貨物船として、ばら積み貨物船は進化し続けています。
安全性への取り組み
ばら積み貨物船は、その貨物の性質により航行の危険性が高まる場合があります。特に穀物を大量に輸送する場合にその危険は増します。運航中に積み荷が片寄ってしまうことが大きな原因で、その偏りによって船の傾きを引き起こし、転覆につながる可能性が増してしまいます。こうした事態を防ぐべく、積み荷の偏りを軽減するための設計が行なわれてきました。また、ばら積み貨物船の安全性を高めるために、1960年には新たな規制を設け、上部バラストタンク(船の傾きを調節する水槽あるいは油槽)の設計について規定しています。また、油圧ショベルを使うことで、積み荷を水平に保つように指示しています。しかし、1990年代には、ばら積み貨物船の事故が頻発し、船が沈没してしまう事件が相次ぎました。それを受け、ばら積み貨物船における構造上の問題点について注目が集まりました。特に船体が折れて沈没してしまう原因について調査が行なわれた結果、船体の間仕切りとフレームの強化が図られ、船体の腐食に対しての検査が厳しく行なわれました。また、2004年には、船員の命を守るために、船の後尾に救命艇を設置することが義務付けられました。さらに、浸水に対してすぐに対応する高いレベルの浸水警報装置の導入も義務付けられています。