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重量物運搬船/ホームメイト
重量物運搬船とは、一般的な貨物船では運ぶことができない貨物のために設計されている運搬船です。重量がある貨物や、大型の貨物などを輸送することが可能です。ここでは、その重量物運搬船について紹介します。
重量物運搬船の種類と方式
重量物運搬船は、貨物の荷役方法により種類が異なります。LOLO(リフトオン・リフトオフ)方式は、ヘビー・デリックと呼ばれる重量物専門のクレーンを使い荷役します。船の形は、一般的な貨物船とあまり変わりません。RORO(ロールオン・ロールオフ)方式は、貨物船自体は荷役装置を装備せず、専門の車両を使って荷役を行ないます。その中には直に海岸に乗り上げることができるタイプもあります。また、運搬用の台車を自走させて貨物の積み下ろしをするタイプはモジュール運搬船と呼ばれます。FOFO(フロートオン・フロートオフ)またはFLOFLO方式は、貨物船体を水面の下に沈めて荷役を行なう半潜水式のタイプの運搬船で、凹甲板(ウェル甲板)になっています。海底石油資源などの掘削(くっさく)などに欠かせない石油プラットフォーム機材の運搬に利用されております。このタイプの運搬船を使うことにより、建設にかかる移動はスムーズになり、経費の節減にも効果があります。
広く知られている重量物運搬船
広く知られている重量物運搬船に、「邪馬台(やまたい)」があります。モジュール運搬船で、荷役はRORO方式です。最新の船舶技術である「空気潤滑システム」を使うことにより、従来の重量物運搬船に比べて10%の省エネ効果を実現しました。このシステムは、気泡によって海水との摩擦を軽減させるという画期的な技術です。そのため、2番船である「大和(やまと)」と共に、「シップ・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞しています。他にもオランダの「スーパー・サーヴァント3」が重量物運搬船としては世界的に知られています。
重量物運搬船に求められること
プラント設備においては、その資材をユニット化させて海上輸送することが多くなりました。それに伴い資材も重量化し、100トンを超える貨物も増えています。重量物運搬船の荷役能力はもちろんのこと、貨物を吊り上げる計画や積付計画、固縛計画などについて、さらなる方法を考案していくことが求められます。今後、重量化する貨物に対応できるノウハウの構築がますます重要になってきています。