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小学校の授業崩壊/ホームメイト
一部の小学校や中学校などで起こっている授業崩壊。様々な専門家による見解や、現場での解決事例などをもとに、その原因と対策をまとめました。
授業崩壊とは
学級崩壊とは、学級がうまく機能しない状況のこと。授業が成立しない状態は、授業崩壊と呼ばれます。子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、その状態が一定期間継続し、学級担任による通常の手法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合のことをいいます。1998年(平成10年)ごろからマスコミで取り上げられるようになりました。
2001年(平成13年)に全国の教員、校長7,000名を対象に国立教育政策研究所が行なった調査では、「校内で学級崩壊があった」と答えたのは校長の26%、その他の先生の32.4%。学年別発生率では5年生が最も高いという結果が出ています。同調査報告では、学級崩壊は都市のみならず、全国で起こりうるという見解もなされています。
授業崩壊の原因
学級崩壊は、傍若無人な子どもが崩壊の原因のように見えますが、そうではなく、クラスの多くを占める普通の子どもが教師に従わなくなったときに起きるといわれます。特定の子どもに注目するのではなく、少し引いた立場から様々な原因を見つめることが大切になります。主な原因としては、次のようなものが挙げられます。
授業崩壊をもたらす背景:
- 学級担任の状況、学校の状況(就学前教育との連携・協力が不足、教職員同士で相談しやすい雰囲気づくりができていない、地域や家庭との連携が不十分である、など)
- 子どもの生活、人間関係の変化(家庭で躾や養育ができていない、核家族家庭で協調性に欠ける、など)
- 家庭・地域社会の教育力の低下(他人の子どもに無関心で誤った行為を見つけても地域の大人が注意をしない、など)
- 現代社会の問題状況と教育課題(価値観の多様化、特別な対応が必要な子どもの増加、など)
授業崩壊の直接的な要因:
- 先生の指導力不足(授業の内容と方法に不満がある、指示がはっきりしなかったりブレがあったりする、柔軟性がない、いじめ問題への対応が遅い、など)
- 子どもの集団生活や人間関係の未熟さの問題(協調性が育っていない、など)
- 特別な教育的配慮や支援を必要とする子どもへの対応の問題(発達障害など障害のある子どもへの対応が不十分)
授業崩壊の対策
授業崩壊が起こってしまったら、上記の原因を一つひとつ解決していくのが大切です。具体的には次のような取り組みが挙げられます。
先生の指導力アップ:アンケートをとったり話し掛けたりして子どものいい分を聞く、一緒に遊ぶ時間をとる、わかりやすく楽しく学べるよう授業内容を改善する、子どもとの信頼関係の回復など
学校全体で取り組む:緊急の対応として、二人担任制の導入やチームティーチング、校内巡回の実施など支援態勢を整える、規律指導を行なう、教職員同士が相談しやすい体制づくりなど
保護者との連携を深める:保護者会にて報告と対応策を提示し、協力を求めるなど。
規律指導:理由を説明したり、できたら褒めたりしながら挨拶や机の整理整頓などを習慣づける、など