薬局情報
薬の有効期限/ホームメイト
家に保管してある薬を使おうと思ったら、有効期限が切れていたことはありませんか。医薬品も食べ物と同じで、胃に入れたり体内に作用したりするものなので、安全に使用するための期限が設定されています。有効期限が過ぎると本来の効果が出ないばかりでなく、時にはおもわぬ副作用が現れる場合もあるのです。ドラッグストアなどで医薬品を購入したら、有効期限が記載してある外箱も一緒に保管するか、容器やビンなどに有効期限を書いておくようにしましょう。
有効期限(使用期限)の設定方法
薬の有効期限とは「有効成分が効果を持ち続ける期間」のことを指します。医薬品に配合されている成分は、熱、湿気、光などで分解されて次第に効果が薄れていくのです。薬の有効期限を決めるときは、薬を一定の厳しい条件のもとで一定期間保管し、どれくらい有効成分が残っているかを調べる検査(安定性検査)をしています。あまりにも分解速度が早い場合には、安定化剤を加えたり包装に工夫をしたりすることで、なるべく長く使えるようにしています。処方薬や市販薬の場合は、本来の有効期限よりも短く設定されている場合が多いので、有効期限を1日過ぎたからといって慌てる必要はありません。しかし、長期にわたって保存状態が悪い場合には、成分の安定性が損なわれて有効期限よりも早く効果が無くなっていることがあります。医薬品は説明書をよく読み、保管方法を守ることで安心して長く使うことができるのです。
有効期限が切れるとどうなる?
上記のとおり、保管状態や経年によって医薬品の有効成分が分解されると適切な効果を得られなくなってしまいます。目薬やシロップ薬にカビや雑菌が混入して増殖する場合もあり、処方薬や抗生剤、胃腸薬などでは、成分の変質で重大な副作用や事故が起こった事例もあります。有効期限の切れた医薬品は気づいた時点で廃棄し、常備薬は常に新しいものを補充しておきます。
有効期限が書いていない薬の場合
通常、ドラッグストアなどで販売している医薬品の有効期限は、開封していない場合は6か月~3年に設定されています。しかし、薬は一度開封してしまうと成分の酸化や分解が進むため、開封後は下記を目安に使い切るようにしましょう。説明書などに記載がある場合はそれに従います。
- 散剤・顆粒剤…3~6ヶ月
- カプセル・錠剤、軟膏、坐薬…6ヶ月~1年
- 目薬…約1ヶ月
- 液剤…菌の繁殖の恐れがあるため、基本的に残ったものは処分する
処方薬(調剤薬)の有効期限は?
医療機関を受診した場合に処方される調剤薬には、有効期限や使用期限が記載されていないことが多いです。これは、医師が病気の進行度合いや治癒までの期間などを想定して「飲みきり」で薬を出しているためなので、残った分はすみやかに破棄しましょう。また、残ることがないように薬の飲み忘れに気を付け、不必要な分までもらわないなど無駄な薬の処方を避けることも重要です。