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ディスカウントショップの歴史/ホームメイト
ディスカウントショップは、1950年代のアメリカで誕生しました。近年、日本においても、低価格競争が繰り広げられるなど、人気を集めている小売形態です。ここでは、ディスカウントショップの歴史、特にいつ頃から革新的な小売業態として発展したのかに焦点を当ててご紹介します。
ディスカウントショップの始まり
アメリカでは、百貨店や食品スーパー、GMS(General Merchandise Storeの略で日本語では総合スーパー)などが小売業の中心でしたが、1950年代後半に、新たな業態としてディスカウントハウスが現れます。ディスカウントハウスとは、ユージン・ファーコフ氏が1948年に始めた旅行鞄や電気製品を安く売る「EJコルベット」が起源となっています。その後、Kマートが業態として確立し、60年代には小売業界で売上高1位を記録する程の急成長を遂げます。なお、その当時、ウォルマートは、EDLP(イーディーエルピーとは、Everyday Low Priceの略で、特売期間を設けず、各商品を、年間を通じて同じ低価格で販売する価格戦略)を掲げ、低価格、物流管理、コスト削減などを推し進め急速に成長し、現在も世界最大の売り上げを誇る企業としての地位を守り続けています。このように、ローコストオペレーションの基盤は、60年代には確立されていました。
日本におけるディスカウントショップの成長
日本においてもディスカウントショップの原型と言えるショップは1950年代に存在していたものの、著しい発展や成長には至りませんでした。しかし、1970年代のオイルショック以降、ヨドバシカメラ、メガネドラッグなどのニューディスカウンターが登場して以来、本格的な発展を遂げます。オイルショックや、バブル崩壊後の深刻な不況を経て、安く商品を買いたいという消費性向の高まりとともに、消費者の圧倒的な支持を集めるようになりました。
ディスカウントショップの最も重要な営業戦略は、常に魅力的な低価格の商品を消費者に提供することです。これを実行し続けるためには、仕入れ値の引き下げや、PB(プライベートブランド)商品の開発、ローコストオペレーションなどの戦略が重要であるとされています。また、その後の1990年代には第三発展期と呼ばれ、メーカーの過剰生産などがディスカウントショップの価格決定権の強化に繋がりました。ディスカウントショップは近年、売上高において急成長しています。しかし、ディスカウントショップを取り巻く外部環境は、必ずしもプラス要因だけではなく、克服すべき課題もあります。以下は、その代表的例です。
- 流通小売メーカーとの協力関係の進展
- 低価格販売に反対するメーカーとの対立激化
- 大店法の撤廃による営業時間の変更,休日日数の減少
- ディスカウントショップ業者間の競争の激化
このような要因により、今後は廉価販売だけの企業は市場から姿を消すという意見もあります。1950年代に生まれたディスカウントショップは、すでに生き残りをかけた戦国時代を迎えています。