冬の大学院情報
全国の冬期入試を実施している「臨床心理士指定大学院」/ホームメイト
医療や福祉などの現場で活躍している、臨床心理士。臨床心理士になるための条件のひとつとして「臨床心理士指定大学院」または「専門職大学院」へ入学することが挙げられます。今回は「臨床心理士」とは何か、「臨床心理士指定大学院」とは何か、冬期受験はできるのかなど、「臨床心理士指定大学院」にまつわる基礎知識について解説していきましょう。
「臨床心理士指定大学院」とはどのような大学院か?
「臨床心理士」とは、こころの問題に悩んでいる人に、心理学的な方法でサポートをする仕事です。医師免許資格を持つ「心療内科医」とは違い投薬は行なわず、心理テストや面接等を通じて個人の心の特徴や問題点を分析し、心のサポートを行ないます。
「臨床心理士」は、国家資格ではなく「日本臨床心理士資格認定協会」が実施する民間資格ですが、文部科学省が教育機関における心理相談業務、「スクールカウンセラー」採用の選考要件としたことで人気となりました。病院・介護施設・福祉施設の心理カウンセラーや企業におけるメンタルヘルス支援のカウンセラーとして、活躍の場が期待されています。
「臨床心理士」になるためには、第一関門として「臨床心理士指定大学院」または「専門職大学院」へ入学し、臨床心理士に関する修士課程や専門学課程を修了することが基本要件。そして、「日本臨床心理士資格認定協会」実施の資格試験への合格が必須です。
「臨床心理士指定大学院」は、さらに「第一種指定大学院(150校)」、「第二種指定大学院(12校)」に区別されます。これは概ね、専任講師や実習施設の数による区分ですが、学生にとって重大なのは、この区分によって臨床心理士資格試験での受験資格が違ってくるところ。「第一種指定大学院」と「専門職大学院」の場合は、大学院を修了してすぐに臨床心理士資格試験を受験できますが、「第二種指定大学院」は、大学院修了後1年以上の心理臨床経験を経ることが必要条件となっています。あなたの志望の大学院がどちらに区分されるのか、「日本臨床心理士資格認定協会」のホームページ等できちんと確認しましょう。
冬場にも入試を行なう「臨床心理士指定大学院」
「臨床心理士指定大学院」への試験は、年1回または2回行なわれています。年2回の場合、夏(7~8月)と秋(9月~10月)が中心ですが、大学院によっては冬期入試(1月~3月)を実施しているところも。
昨年度の実績では、お茶の水女子大学大学院、大阪大学大学院、青山学院大学大学院、明治大学大学院、日本大学大学院、神戸女子大学大学院などが挙げられます。
まずは、受験を検討している大学院の入試情報をあらかじめ確認しておきましょう。
志望の大学院が冬期入試ならば、まずは夏の受験を腕試しに、冬の受験までにさらに実力を付けられるというものです。ベストなコンディションで試験に臨みましょう。
臨床心理士の資格取得までにかかる費用
臨床心理士の資格を取得するまでには、どれくらいの費用がかかるのか気になる人もいるはずです。
国公立の大学の場合、入学金が約30万円、授業料が1年間で約55万円が目安と言われ、4年間の学費は合計約250万円となります。さらに大学院へ進まなければいけないので、授業料がもう2年間分必要。つまり、国公立の大学・大学院へ進学した場合、合計約360万円はかかります。
私立大学の場合は、各大学・大学院によって学費に差がありますが、平均的な入学金は約25~30万円、授業料は約100~150万円が相場。合計約630万円となり、大学院ではさらに入学金が約25~30万円必要です。
そして、臨床心理士試験の受験費用は申込時の資格申請書類に1,500円、資格審査料に30,000円、合格後の登録料は50,000円かかります。あらかじめ見積もりなど出しておくと良いでしょう。
費用面で不安がある人は、大学の奨学金制度などの利用も可能です。また大学院に2年間は通うことが困難な場合は、通信制や夜間制度のある大学で学ぶこともできるので上手に活用しましょう。
日々、研究に追われる大学院生。冬の季節は一年の節目でもあり、研究の集大成となる論文の提出や進路決定など、気を緩めることができません。冬の寒い季節には特に、大学院生の中にも、体調を崩す方も多いと言います。そんな大学院の冬の施設情報をご紹介致します。
研究生制度
多くの大学院では、研究生制度を設けています。研究生とは、特定の分野や事項について教員などの指導を受けながら研究することを目的に、大学や大学院に籍を置く人のことです。大学の学部生や大学院生との最大の違いは、あくまでも研究指導を受けることを目的としているので、学位や単位の修得はできません。
大学院の研究生の場合、例えば修士の学位を持っている人や博士課程を退学したなど、修士の学位を持っている人と同等以上の学力があると認められた人が対象となり、認められればさらに研究を続けたいという希望を叶えることができます。
通常は、自ら希望する指導教員を決め、その指導教員の推薦を受けたのちに、その他の入学に必要な書類と合わせて出願します。入学時期は大きく春と秋に分かれていて、出願期間は、春入学希望なら秋から冬にかけての時期が一般的です。
研究生を目指す理由は人それぞれですが、一般的なケースとしては、大学院で修士課程や博士課程を修了したのちに、助手や助教授、教授などのポストに就くまでの間に研究歴を積むため。また、就職するまでの間、勉強をかねて大学に籍を置くためなどです。ただし、大学院によっては研究や教員の手伝いが忙しく、本来の目的であった研究に手が回らないという人もいるようなので、安易に研究生に逃げるという考え方は持たない方が良いでしょう。
入学基準も学校によって様々で、指導教員の推薦さえあれば認められる場合から、面接、筆記試験などを行なうケースまであります。まずは冬の出願期間を迎える前に、希望する指導教員に相談をすることをお薦めします。
様々な学期制
多くの日本の大学や大学院では、2学期制を採用しています。夏学期と冬学期、前期と後期、1学期と2学期など呼び方は様々です。それぞれの学期の最後に、夏の集中講義、冬の集中講義などを行なう大学院もあります。
また、セメスター制という1学年複数学期制をしいている学校もあります。セメスターとは主に欧米の大学や大学院において一般的に採用されている制度で、夏学期や冬学期、春学期と秋学期などに分けたそれぞれの学期と、その学期のカリキュラムのこと。セメスター制とは、日本で多く採用されているひとつの授業を年間通して実施する通年制の前期・後期や、夏学期・冬学期とは異なり、ひとつの授業を学期ごと、つまりセメスターごとに完結させる制度で、諸外国では一般的に採用されている制度です。
セメスター制の中にも、15週程度の学期を2学期行なう伝統的な「セメスター制度」や、2学期制の内、どちらか一方のセメスターが長い「初期セメスター制度」などがあり、さらに、3学期制、4学期制をしく大学院もあります。
セメスター制の場合、1学期内で少ない科目を集中的に履修できるため、学習効果が上がるという考え方ができる一方、授業内容が過密になるというマイナス点もあるので賛否両論です。
日本の一部の大学や大学院でも、夏学期と冬学期というくくりではなく、独自の学期制を取り入れているケースもあります。学年の開始時期が異なる大学、大学院の間での転入学のしやすさなど、それぞれの学期制の長所短所をしっかりと見極めたほうが良さそうです。
社会人特別選抜(入試)
多くの大学院では、すでに社会で職を持って働いている人を対象にした社会人特別入試を実施しています。これは、職業人を対象として、職業上の知識や技術のリフレッシュ、新たな知識や技術の修得のために行なう教育です。
出願時期や入試の時期は様々ですが、主には一般入試やセンター試験を避けて、その前後の秋から冬の時期に試験を行なう場合、もしくは夏に1次試験、冬に2次試験を2度行なう場合もあります。
出願資格は主に、企業や官公庁などで数年の社会的経験を有する人です。面接や書類審査などでキャリアや人間性も含めた総合的な能力を評価し、合否を判断します。
暗記がメインとなる一般入試とは異なり、社会人に配慮された入試の内容とは言え、事前の提出書類が多く、小論文などでは修士論文を書く能力があるかなどを厳しくチェックされます。
年末年始をゆっくり過ごす大学院生がいる中で、研究に明け暮れる大学院生も多いのではないでしょうか。研究内容を分かりやすく把握できる手帳を見付けて、冬の季節ならではの研究対象と向き合う日々もまた有意義な冬の過ごし方と言えるでしょう。
手帳
12月1日は、株式会社日本能率協会マネジメントセンターが制定した「手帳の日」。同社は、1949年(昭和24年)に日本初となる時間目盛りの入った手帳「能率手帳」を完成させ、1958年(昭和33年)に一般発売されました。当時、同社の理事であった大野厳氏が生産性向上のためには時間の使い方が大切であるという考えをもとに発案されたそうです。長年愛された「能率手帳」は、2013年(平成25年)に手帳の可能性をより広げるために「NOLTY」と新たな名前となりリニューアルされました。
手帳は、これまでのスケジュール管理としてだけでなく、日記として、子どもの成長記録のアルバムとして、夢を叶えるまでのプロセスを綴るものとしてなど、持つ人のライフスタイルによって実に多様化してきました。コピーライターの糸井重里が発行人となり、「自分たちが使いたい手帳をつくろう」をコンセプトに作られた「ほぼ日手帳」は、1日1ページであること、180度フラットに開くように糸かがり「製本」という綴じ方を採用していることなど、年々ユーザーの意見を取り入れ改良することで、2013年版では全国に48万人ものユーザーがいる手帳に成長しました。
カリキュラムや日々の研究内容をひと目で把握しやすい手帳を見付けて、より研究に励めると良いですね。
雪
雪には、針状、角錐状、角柱状、星状、板状などの美しい形を見せる結晶があります。世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功したのは北海道大学低温科学研究所の中谷宇吉郎博士で、雪の結晶を調べるとどのような条件で結晶したかが手紙に書いてあるように分かるということから“雪は天から送られた手紙である”という言葉を著しています。彼の出身地である石川県加賀市には、「中谷宇吉郎 雪の科学館」があり、雪の結晶をパネルや顕微鏡で観ることができます。結晶の他にも、雪の美しい姿として知られているものとして、ダイヤモンドダストがあり、気温が急激に冷やされたことにより雲になるはずの水蒸気が氷の粒となり、日の光を反射してキラキラと虹のように輝く現象のことで、正式名称は細氷(さいひょう)と言います。見られる条件としては、氷点下10℃以下で、晴天または快晴、時間は朝か明け方であること。日本であれば北海道の内陸地方で見られることが多いようですが、すべての条件が整っていても必ず見られるとは限らないそうです。最も発生率が高いのは、1月から2月にかけて。また、木に氷の花を咲かせる樹氷など、この時期限定の美しい光景たちは魅力的な研究対象だと言えるでしょう。
星空
冬の澄んだ空では、空気の透明度、空の暗さ、空気が乾燥していることなどから星が美しくみえると言われています。いつの時代も、美しい星空に魅了される人は多いのではないでしょうか。
世界中で最も天体観測に適した場所のひとつとして知られているのが、ハワイ諸島にある火山マウナケア山山頂です。標高4205mで晴天率90%以上、空気が澄んでいることから世界中で天体観測に最も適した場所として世界11ヵ国もの天文台が集まっており、日本のハワイ観測所すばる望遠鏡もあります。星空ガイドが案内するツアーも多く組まれており、美しい星空を求めて世界中から観光客が訪れます。
日本では、愛知県名古屋市にある名古屋市科学館のプラネタリウムドーム「ブラザーアース」がドーム内径35mあることから、世界最大のプラネタリウムとしてギネスの世界記録に認定されています。光学式プラネタリウムとデジタル式プラネタリウムにより限りなく本物に近い星空を再現。星を研究題材としている大学院生はぜひ訪れると良いでしょう。
大学院も大学と同様に、冬に論文提出があります。修士論文は修士の学位を授かるための重要なもので、ときには公開して発表したり、学会で紹介されたりするなど、論文の内容は社会的にも大きな意味を持ちます。また、大学院生にとって冬は進路を考える時期でもあり、将来を決める重要なシーズンとなります。
修士論文
大学院生の冬は、修士論文の作成と提出に追われます。修士課程や博士前期課程最終学年の大学院生は、専門課程を修了する前に、院内で研究した成果論文にまとめて提出しなければなりません。提出期限は大学院によって違いますが、3月に修了する場合は、12~1月が提出期限になっていることが多いようです。修士論文は、大学の卒業論文とは違い、自分が専攻した分野での研究に新たな成果が求められ、その研究内容の経過や成果、分析方法、問題点の提起、成果を現すデータなどから、独自の視点での論述が必要となります。論文の形式や書式は、大学院や研究室によって様々で、求められる研究成果も、大学院によって異なります。研究内容によっては、資料やデータを含めて膨大な分量になることもあります。修士課程の集大成となり、博士課程での研究のベースにもなります。
修士論文を提出したあとに、複数人の教授から「口頭試問」が行なわれ、研究の理解度が確認されます。また、公開発表会などを開いて、大勢の前で修士論文を発表する大学院もあります。修士論文が受理されると、その後に試験があり、これに合格すれば晴れて修士号が授与されます。
提出された修士論文は、基本的に非公開でそこに書かれた記述や成果は、未発表と同じであるため、学内紀要や学会誌などに投稿して学術学会で発表されるケースもあります。論文の保管については大学院に委ねられますが、要旨集などは多くの大学院で公開されます。また、過去の修士論文を大学の図書館などで自由に閲覧することができる大学もあります。
博士号へのステップアップ
修士の学位が授与された大学院生は、博士の学位を得るために博士課程に進学することができます。この課程は、専攻分野について研究者として自立した研究活動を行なうことで、高度な研究能力とより高い専門知識を養うことを目的としており、教育界の最高学位となります。ただし、進学するには入学者選考試験があり、これに合格しなければなりません。標準修業年数3年で、独自に研究を進めたい人や、さらに学問を追究したい人は、最高学位を目指す人が多いようです。大学院に残って研究だけをするため、経済的な収入は得られませんが、好きなことにとことん打ち込める環境があり、自分の思い通りに勉強できることが大きな魅力となります。
博士号を取得すると、国の研究機関などで研究員として就職することも可能で、企業への就職も、専門性と研究内容が合えば、お互いにメリットを発揮できます。
就職活動
大学院生の就職活動は、大学や短大と同じように修了する1年前から本格化します。大学卒業者よりも年齢的なハンディはありますが、専門知識を追究した知識や技術があるため、理系では有利に働くことが多いようです。就職活動は、研究活動や修士論文と並行して行なうので、自分が研究している分野の企業が、どれくらい採用を募集しているか、その企業で自分としてどんな役割が考えられるかを知ることが大切です。自分がこれまでに身に付けてきた専門性が、市場においていかに発揮できるか、マーケティング視点から捉え直すことも必要です。求人が活性化している分野や職種の技術やスキルがあれば、就職活動はそれ程苦労しませんが、企業が求めている技術や知識と必ずしも一致するとは限りません。そのため、これまでに蓄積してきた技術やスキルをどのように応用するかも考えなければなりません。中には国際公務員のように、修士号以上の学位があることが求められる職種もあります。自分が活躍できる場を見付けることで、スムーズな就職活動を実践しましょう。