天然記念物の淡水魚/ホームメイト

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天然記念物の淡水魚/ホームメイト

日本の淡水魚のルーツは中国大陸や朝鮮半島にあるとされ、大陸と陸続きの頃、日本に渡ってきました。大陸から切り離されると、遺伝子的にも隔てられ別種に進化した魚が多く、これらは日本でしか見ることができません。また珍しい生態のため保護されている魚や、外来魚の影響で数が減少している魚、河川改修や水質汚濁により生息地が減り、絶滅の恐れがある魚もいます。このように日本に生息する貴重な淡水魚の一部を、文部科学省が天然記念物に指定しました。

生息地や繁殖地を含めた保護が必要

生息地や繁殖地を含めた保護が必要

天然記念物には種指定のものと、生息地や繁殖地などの環境も含めて指定されるものがあります。指定されると、勝手に採集したりすることはできませんが、これで魚を保護できるかと言うと、そうとも言えないのが現状です。特に種指定の天然記念物の場合は、指定種の採集を禁止するだけで、その生息環境を守るものではありません。そのため種の存続を脅かすような生息地の開発などを規制することができないのです。魚を保護するためには、総合的な環境保護と保全が必要と言えます。

種指定の天然記念物

種指定の天然記念物
イタセンパラ
淀川水系、富山平野、濃尾平野の3ヵ所に分布していると言われていますが、どこも野生絶滅の危機に瀕しています。河川敷内のワンドや池沼、用水路などに生息し付着藻類などを食べます。河川改修や生活・工業廃水による水質汚濁などにより、産卵床となる二枚貝が減少。生息できる水域が狭まり、個体数が激減しました。
ミヤコタナゴ
関東地方の一部に生息。湧水を水源とした細流やため池を好みます。生息数減少の原因は、河川工事や密漁、ブラックバスなどの害魚の浸入があります。
アユモドキ
ドジョウ科の魚で、アユに似ていることから名付けられました。淀川水系と岡山県内の河川、用水路に生息。河川の護岸工事などで生息地がなくなり、個体数も減少しています。
ネコギギ
全長7~10センチの夜行性の魚。三河湾と伊勢湾に流入する河川に生息しています。1997年に種として、2011年に三重県松阪市の中村川が「中村川ネコギギ生息地」として天然記念物に指定されました。

生息地を含めた天然記念物(一部)

生息地を含めた天然記念物(一部)
本願清水イトヨ生息地(福井県大野市糸魚町)
体長10センチ以下の小型の魚で、一生を淡水域で過ごす陸封型と、一時期、海へ下る降海型がいます。指定されたイトヨは陸封型で、生息地となる池は生活・産業・防火用水として活用されてきました。以前は豊富な湧水が出ていましたが、現在水枯れが著しいため、地下水を汲み上げる処置がとられています。
春採湖ヒブナ生息地(北海道釧路市)
突然変異で黒い色素が欠け、赤色に変わったギンブナです。ふ化時は銅黒色ですが、1年を経過した頃から赤色に変わり始めます。指定された生息地である北海道釧路市の春採湖は、生活排水の流入で環境悪化が心配されましたが、現在は下水道整備などにより環境が保護され、個体数も安定しています。

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