空港情報
到着機のレーダー確認/ホームメイト
順調に飛行を続けて目的地に近づきつつある航空機は、どこの管制下にいて、どのような指示や誘導を受けているのでしょう。
目的地の上空まで近づいた航空機の管制
離陸前に航空管制官に提出したATCフライトプランを元に、順調に航路に沿って飛行を続ける航空機。飛行中の各エリアでは、さまざまな管制官によるスムーズなバトンタッチによって、常に航路上のどこかの管制を受けています。そして、ときには気流の影響や、同時刻に同エリアを飛行中のほかの航空機との関係で、管制官の指示に従って飛行高度を変更したり、スピードをコントロールしたりしながら、安全に飛行し続けます。
目的地である空港が近づいてくると、航空交通管制部の最終セクターの管制によって、着陸のために高度を下げ始めるよう、パイロットに指示が出されます。
この指示による降下をしている最中に、到着予定の空港の進入管制区に入った時点で、空港のターミナルレーダー管制業務を担当している管制官へと管制の引き継ぎが行なわれ、空港のレーダー管制下に入ります。このタイミングで、パイロットは空港への着陸方式や進入するコースなどについての指示を受けることになっています。
一方、入域管制官は、レーダーを駆使しながら、それぞれの航空機に、適確な飛行経路やスピードを指示して、着陸のために降下し始めている複数の航空機を着陸する滑走路の方向に向けて、ある一定の間隔を保ちながら、一列に順序よく並べ、計器着陸装置(ILS)による最終進入開始地点まで航空機をレーダーで誘導していきます。
それから、到着予定の空港にある管制塔の、最上階にいて航空機の離着陸を目視によって官制する飛行場管制官へと移管していきます。
以下に国土交通省によってまとめられたターミナルレーダー管制業務の内容を示します。
- 上昇、降下の指示
- 飛行経路等の指示
- 出発機を効率よく上昇させ、管制間隔を設定
- 空港へ着陸のため降下する航空機を順序よく一定の間隔で並べる
(国土交通省 参考資料「航空管制業務について」より抜粋)
視界が悪いときに役立つレーダー誘導
日本では、着陸するために滑走路に進入する航空機に対して、計器着陸装置Instrument Landing System(ILS)を採用しています。これは、空港や飛行場付近にある地上無線施設から指向性誘導電波を送って着陸コースを示すことができる装置で、パイロットの視界が遮られた場合にも安全性の高い着陸を可能にしています。